【医師転職エージェント】おすすめの10社を徹底比較|ファイナンシャルフィールド

【医師転職エージェント】おすすめの10社を徹底比較

FINANCIAL FIELD編集部

執筆者: FINANCIAL FIELD編集部

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はじめに

医師が働く場所は、国公立病院や大学病院のほか民間病院や開業医、製薬会社などさまざまあり、また、働き方も臨床医をはじめ、研究医、産業医、医系技官、メディカルドクターなどキャリア形成の選択肢は数多くあります。

将来のキャリアプランを考え、また、労働環境やライフワークバランスを変えたいということで転職するとなったとき、1つの方法として転職エージェントの活用があります。
ただ、転職エージェントといっても数多くのサービスがありますので、何を基準に選ぶべきか分からない方もいると思います。

この記事では、おすすめの転職エージェント10社を紹介するとともに、転職エージェントを活用するメリットと選び方、注意点などを解説します。

医師におすすめ転職エージェント10社

医師におすすめの転職エージェント10社をご紹介します。

・M3キャリアエージェント

・医師転職ドットコム

・Dr.転職なび   

民間医局  

・マイナビDOCTOR   

・ドクタービジョン   

・リクルートドクターズキャリア 

・ JMC医師転職支援サービス   

・e-doctor   

・DtoDコンシェルジュ

 

M3キャリアエージェント

M3キャリアエージェントは、医療従事者向けインターネットサービスを展開するエムスリーグループが運営する転職エージェントです。 医師会員32万人以上が登録し、転職希望医師の登録者数が11年連続No.1の実績を誇ります。自治体向けの医療支援や産業医の紹介サービスなども行っています。

 

企業情報
求人数

 常勤医師:1万2951件

非常勤医師:7438件

取り扱う求人常勤/非常勤
対応地域全国対応
拠点情報大阪オフィス・東京オフィス
運営会社エムスリーキャリア株式会社

M3キャリアエージェント公式サイトをもとに作成(2024年5月時点)

M3キャリアエージェントの特徴

・成約実績25万件以上
・圧倒的な求人数と情報量(関東内約40%の病院の求人情報を保有)
・転職医師の満足度96% ※2014年同社アンケート実績
・条件交渉が強み
・完全匿名でも医療機関との交渉が可能
・専任のコンサルタントによるサポート

 

日本最大級の医療専門サイトm3.com(エムスリー)を運営するエムスリーグループのサービスだけあって、非公開求人を含めた求人数や医師登録者の多さだけでなく、条件交渉やサポートにも実績がある転職エージェントです。

求人検索条件も、勤務地や診療科目などの基本的な条件のほか、「週末の日直・当直」「救急対応」「オンコール待機」「訪問診療のみ」等、多岐にわたっており、細かい勤務形態や希望条件にこだわった検索が可能となっています。

 

医師転職ドットコム

医師転職ドットコムは、調剤薬局大手アイングループ傘下のメディウェル社が運営する転職エージェントです。最大の魅力は、3.9万件以上の求人数と会員限定の非公開求人2万件以上という圧倒的な求人数です。取引先医療機関は1.8万件以上で施設、これまでの延べ利用者数は2万名以上になります。

企業情報
求人数

常勤:2万7953件(その他未公開あり)
非常勤:1万7725件

取り扱う求人常勤/非常勤
対応地域全国対応
拠点情報札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡
運営会社株式会社メディウェル

医師転職ドットコム 公式サイトをもとに作成(2024年5月時点)

医師転職ドットコムの特徴

・業界No.1クラスの求人数
・医師6万5000人以上の支援実績
・転職した医師の満足度94.0%
・条件交渉が強み
・キャリアコンサルタント・医療経営士資格をもった持ったコンサルタントが多数
・事前の面接対策から退職準備までトータルで支援

実績を多数持つ経験豊富なコンサルタントが、医療機関からの求人票をそのまま紹介するのではなく、直接病院に出向き、院内の状況や雰囲気なども調査し、募集の背景や経営方針など細かい情報を含め提供してくれます。

Dr.転職なび

Dr.転職なびは、持続可能な医療の実現をミッションに掲げ、医師や産業医の求職支援、医業承継サポートなどのサービスを提供する株式会社エムステージが運営する転職エージェントです。医師の定期非常勤、スポットアルバイト情報に特化した「Dr.アルなび」も展開しています。

企業情報
求人数常勤:1万4263件(未公開求人を含め)
非常勤:6408件
スポット:7018件
取り扱う求人常勤/定期アルバイト/スポットアルバイト
対応地域全国対応
拠点情報東京・札幌・仙台・名古屋・金沢・大阪・福岡
運営会社株式会社エムステージ

Dr.転職なび /Dr.アルなび公式サイトをもとに作成(2024年5月時点)

Dr.転職なびの特徴

・専任エージェントの医療経営士の資格保有率が100%
・未公開求人含めて常時1万4500件以上の求人情報を保有
・提携している医療機関数は約14000施設
・利用した医師の総合満足度97%
・スポットのアルバイト情報も豊富

Dr.転職なびのコンサルタントは、全員が医療経営士の資格を保有していますので、医療に関する知識だけでなく、医療機関を経営する側の視点からアドバイスや提案をすることができる点が心強いといえます。

また、コンサルタントと求人管理担当の2人がチームを組み、1人の転職希望者をマンツーマンでサポートしてくれます。

 

民間医局

民間医局は、医師会員登録数約15万3000人、契約医療機関約1万7000施設を有する転職エージェントで、全国17か所に拠点を構え、地域に密着したエージェントが各地の医療機関に出向き、入手した最新の求人情報を提供してくれます。

企業情報
求人数常勤:1万6300件
定期(アルバイト):8059件
スポット:8196件
取り扱う求人常勤/非常勤/産業医/保健師/メディカルドクター
対応地域全国対応
拠点情報東京・北海道・東北・北関東・東関東・南関東・上信越・名古屋・金沢・大阪・京都・神戸・中国・四国・九州・南九州・沖縄
運営会社株式会社メディカル・プリンシプル社

民間医局 公式サイトをもとに作成(2024年5月時点)

民間医局の特徴

・年間成約件数約7万1000件の国内最大規模の実績
・未公開求人含めて常時1万4500件以上の求人情報を保有
・北海道から沖縄まで全国17拠点の地域密着した専任エージェントが対応
・常勤だけでなく、定期、スポットのアルバイト情報も豊富

民間医局は、全国の拠点をベースに地域密着で専門のコンサルタントが長くサポートしてくれる転職エージェントです。

転職活動をサポートするだけでなく、医師のキャリアと生活をサポートするため勤務医や開業医向けの医師賠償責任保険や団体長期障害所得補償保険などの保険サービス、ライフプランの作成サービスも提供しています。

また、登録会員であれば誰でも利用できる家事代行、育児、介護など日々のサポートをする福利厚生サービスが優待価格で利用できたり、女性医師のキャリアをサポートするサービスを提供しています。仕事と子育てを両立したいという人にはおすすめです。

マイナビDOCTOR

マイナビDOCTORは、マイナビグループが運営する医師に特化した転職エージェントです。人材大手ならではのサポートと医療業界以外のさまざまな転職支援実績で得たノウハウや情報がありますので、よりニーズにあった医師向けの情報を提案することが可能です。

企業情報
求人数常勤:1万3391件
非常勤:1万4630件
スポット勤務:3518件
取り扱う求人常勤/非常勤/スポット
対応地域全国対応
拠点情報東京(銀座・新宿)・横浜・さいたま・名古屋・大阪・京都・神戸・岡山・広島・仙台・札幌・福岡
運営会社株式会社マイナビ

マイナビDOCTOR公式サイトをもとに作成(2024年5月時点)

マイナビDOCTORの特徴

・医療機関取引件数2万件以上
・人材大手の株式会社マイナビによる医師に特化した転職エージェント
・医療機関取引件数2万件以上
・全国に拠点があり地域格差が少ないサポートを受けられる
・50年以上蓄積された転職ノウハウに基づいたサポートを受けられる

マイナビDOCTORは、常勤だけでなく非常勤、スポットの求人も検索しやすく、「救急対応の有無」や「手術・症例件数が多い」など細かなこだわり条件を設定できます。

また、豊富な求人情報を提供するとともに、転職だけでなく開業医の支援サービスも提供しています。医師のキャリア形成の支援含め、応募書類の添削や面接対策、同行まで専任のパートナーが一貫して対応してくれます。

 

ドクタービジョン

ドクタービジョンは、調剤薬局大手の日本調剤のグループ企業、株式会社メディカルリソースが運営する転職エージェントです。メディカルリソースは医師関連事業以外に薬剤師関連事業、看護師・登録販売者関連事業を手がけています。

企業情報
求人数常勤:1万2814件
非常勤:6092件
スポット:1606件
取り扱う求人常勤/非常勤/スポット
対応地域全国対応
拠点情報札幌・東北・東京・横浜・船橋・大宮・名古屋・大阪・京都・神戸・広島・九州
運営会社株式会社メディカルリソース

ドクタービジョン公式サイトをもとに作成(2024年5月時点)

 

ドクタービジョンの特徴

・直接面談を重視し、登録後にカウンセリングを実施
・これまでの経験や適正、将来のライフプランをもとにキャリアプランを提案
・全国12拠点をベースに各エリアの情報を熟知したコンサルタントがサポート
・問合せから入職まで同じ担当者がサポート
・「初めての転職で選ばれる」「スキルアップ・キャリアアップに強い」「おすすめしたい」医師転職サイトの三冠を受賞(調査月2022年4月)

 

ドクタービジョンは、日本調剤株式会社を母体とする医療総合人材サービスです。そのため、全国の医療機関とのつながりを生かし、求人票だけでは分からない職場状況や雰囲気などの細かい情報まで提供することができます。

また、全国の拠点があり、地域の特性や現場の雰囲気を含めた丁寧なカウンセリング、支援が可能となっています。常勤だけでなく、非常勤、スポットの求人、産業医の紹介も行っています。

リクルートドクターズキャリア

リクルートドクターズキャリアは人材大手のリクルートグループにおいて、1979年から40年以上の医師専門のサービスを続ける実績のある転職エージェントです。 人材紹介サービスのほか、病院やクリニックの採用代行サービスや特に採用ニーズの高い各診療科のマネジメント層やエキスパート医師の紹介に特化したサービスなども手がけています。

企業情報
求人数常勤:1万2985件
非常勤:6149件
取り扱う求人常勤/非常勤/アルバイト
対応地域全国対応
拠点情報東京・名古屋・大阪・福岡
運営会社株式会社リクルートメディカルキャリア

リクルートドクターズキャリア公式サイトをもとに作成(2024年5月時点)

 

  • リクルートドクターズキャリアの特徴

・1万件を超える非公開求人

・リクナビなど求人事業の最大手であるリクルートグループのサービス

・状況やキャリアプランにあわせたに合わせた提案をしてくれる

 

リクルートドクターズキャリアは、40年以上の実績を踏まえ、人材大手のつ転職ノウハウを活用しながらサポートできる転職エージェントです。非常勤求人を探す医師にもおすすめであるほか、リクルートの太いパイプを活かして規模の大きい転職先を見つけやすい特徴があります。

JMC医師転職支援サービス

JMC医師転職支援サービスは、2010年設立と社歴はそれほど長くありませんが、全体求人の約8割が非公開求人という転職エージェントです。非公開求人の多さは、医療機関との強いつながりをもって持っているからこそ獲得できるもので、医療機関から信頼されていることを表しています。

企業情報
求人数常勤:1万8289件
非常勤:5722件
取り扱う求人常勤/非常勤
対応地域全国対応
拠点情報東京・名古屋
運営会社日本メディカルコネクション株式会社

JMC医師転職支援サービス公式サイトをもとに作成(2024年5月時点)

 

JMC医師転職支援サービスの特徴

・機械的なマッチングよりあえてアナログ方式にこだわった関係を重視施
・月間100名を超える医師が新規登録し、累計8000名以上の医師が登録
・全国6000施設を超える医療機関や企業から採用相談

他社と比べ社歴は浅いですが、ホスピタリティの高い経験豊富なエージェントに特化した採用を行うなど、個々のコンサルタントの経験年数は業界トップクラスのエージェントです。

また、日本メディカルコネクション株式会社は、「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」※の認定を受けている企業です。

 

※厚生労働省が定める、医療・介護・保育それぞれの分野において有料職業紹介事業者が適正な事業運営を行う際に満たすべき基準を定めたもの

 

e-doctor

e-doctorを運営している株式会社リンクスタッフは、1992年に設立され、今では一般病院のほか、老健、産業医、製薬会社、海外臨床、医療法人、自治体病院ともつながりをもち持ち、数多くの医療機関の求人、転職ニーズに対応している会社です。転職に成功した医師の90%以上が、非公開求人情報で転職に成功しています。「e-doctor」以外にも産業医専門、医薬専門、医師のヘッドハンティングサイトなど、さまざまな医療情報サイトも運営しています。

企業情報
求人数常勤:1万6879件
非常勤:4780件
取り扱う求人常勤/非常勤
対応地域全国対応
拠点情報東京・大阪・福岡・名古屋・上海
運営会社株式会社リンクスタッフ

JMC医師転職支援サービス公式サイトをもとに作成(2024年5月時点)

部門ごとの専門のコンサルタントが面談から面接、交渉、入職の立ちあい、入職後のフォローまで1人の担当者が変わることなく対応してくれます。

また、求職者に無駄な検索の労力を避けてもらうため、コンサルタントが選定した求人情報のみ掲載するなど、求人情報の質にもこだわっています。

DtoDコンシェルジュ

DtoDコンシェルジュは、勤務医・開業医・医療機関の抱える課題を総合的に支援する総合メディカル株式会社が提供する転職エージェントサービスです。全国に展開する調剤薬局、医療機器のリース、在宅・介護まで幅広く事業を展開しています。

企業情報
求人数常勤:6308件
非常勤:1037件
スポット:194件
取り扱う求人常勤/非常勤/スポット
対応地域全国対応
拠点情報札幌・仙台・高崎・埼玉・東京・松本・金沢・静岡・名古屋・京都・大阪・岡山・広島・山口・高松・北九州・福岡・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄
運営会社総合メディカル株式会社

DtoDコンシェルジュ公式サイトをもとに作成(2024年5月時点)

DtoDコンシェルジュの特徴

・登録医療機関8000件以上、医師登録数10万人以上
・サービス開始から45年の実績をもつ
・全国に拠点を構えきめ細かいサービスが可能
・キャリアプランやQOL(生活の質)を一緒に作成してくれる

8000件以上の医療機関と情報ネットワークを構築してきたDtoDコンシェルジュでは、一般の転職支援企業と異なる「オーダーメイド転職」サービスを提供しています。医療機関との密なコミュニケーションにより、医療機関が持つ潜在的な求人ニーズをリアルタイムで把握していることで、通常の医師紹介だけでなく、採用活動を行っていない医療機関に対しても、新たな求人を生み出す提案を行います。

医師転職エージェントを利用するメリット

医師が転職する場合、知人や身内から紹介してもらうことや直接希望する医療機関に応募するほか、転職エージェントを活用する方法があります。
医師の転職エージェントは、転職を希望する医師と人材が欲しい病院やクリニックとの間に立ち、転職を支援する仲介事業者です。

1人ひとりの希望条件に合わせた情報収集や求人の提案、医療機関との条件交渉や入職後のフォローまで、専任のコンサルタントがサポートし、その対価として医療機関から報酬を受け取るため、医師は会員登録やサービス利用に費用はかかりません。

ここでは転職エージェントを利用するメリットをお伝えします。

 

豊富な求人情報・非公開求人を活用できる

転職エージェントを利用する最大のメリットは、数多くの求人情報から転職先を選べることです。
病院やクリニックのホームページで公開されている求人情報は、実は一部にすぎず、転職エージェントを活用することで、より多くの選択肢から転職先を探すことができます。

また、一般には公開されない非公開求人の情報が手に入る点もメリットといえます。
非公開求人は給与や待遇面で条件がよいものが多く、一般に公開すると多くの応募が殺到することが予想されること、また、他社の医療機関に自社の採用や経営内容について知られたくないといった理由から転職エージェントに限定して公開している求人です。

このような自分で探すことが難しい求人情報を含め、豊富な情報から自分のキャリアや希望条件に合う転職先を探すことができる点は、転職エージェントを活用する最大のメリットといえるでしょう。

 

企業との調整をコンサルタントが担当してくれる

専任のコンサルタントに転職先の医療機関とさまざまな調整を代行してもらえる点もメリットです。
厚生労働省は、病院常勤勤務医の約4割の時間外労働が年960時間を超え、約1割が1860時間を超える時間外・休日労働という現状に対して、医師の働き方改革を掲げています。
このような現状のなか、在職しながら転職活動を行うことが多い医師が、自ら情報収集し、応募書類の作成やスケジュール調整等をする時間的余裕がないケースもあります。

転職エージェントを活用することで、希望条件に沿う求人情報を提供してもらうことができ、履歴書等の書類作成のサポートを受けながら、面接や施設の見学の日程調整など、応募先企業との調整をすべて代行してもらえます。
転職活動に十分な時間がとれない医師が、より多くの情報を比較検討しながら、効率よくすすめていける点は転職エージェントを活用するメリットといえます。

 

医療機関の内部情報が手に入る

転職エージェントを活用することで、医療機関の内部情報や見えにくい職場環境などが知ることができますので、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。
収集した医療機関の情報や院内を実際に見学することで知ることができる情報はありますが、なかには実際の労働時間や働き方、就業環境などの内部情報は、一見するだけでは分かりにくいこともあります。

その点、転職エージェントは、日常的にさまざまな医療機関や担当者とやりとりをしていますし、転職した医師から定期的にヒアリングを行っていますので、求人情報では分からない生きた内部情報を持っています。

 

  ・どのようなキャリアの医師が働いているのか
  ・どのような患者層が多いのか
  ・職場の人間関係や雰囲気
  ・実際の労働時間、当直やオンコールの対応状況
  ・スタッフの過不足
  ・医療機関の経営状況 など

 

退職理由にも挙げられることの多い勤務時間や環境などの直近の情報は、なかなか入手が難しいこともあります。
求人情報だけでなく医療機関の判断にも影響する内部情報が手に入る点では、転職エージェントの利用価値は高いといえます。

 

将来のキャリアプランを相談できる

転職エージェントを活用するメリットに、将来のキャリアプランを相談しながら転職活動ができる点があります。
医師としてのキャリアは近年多様化しており、次のように活躍の場もさまざまです。

 

  ・医師として役職を目指す
  ・専門性を追究しスペシャリストになる
  ・地域の臨床医として開業する
  ・研究に専念する
  ・企業の産業医として働く など

生き方が多様化するなか、自分が将来思い描く働き方を実現するには、自身のこれまでのキャリアを棚卸しするとともに、これからのキャリアプランについて明確にすることが必要です。
転職エージェントを活用することで、これまでのキャリアや能力、仕事観、得意分野・不得意分野、大切している価値観などを踏まえ、5年、10年後のキャリアについても相談しながらすすめていけます。

 

書類審査・面接により受かりやすくなる

転職エージェントをうまく活用することで、書類審査や面接に受かりやすくなる点もメリットといえます。
慢性的に人手不足といわれることが多い医療業界。厚生労働省の統計を見ても、医師や薬剤師の有効求人倍率は2.11倍と他の職種と比べても高くなっています。
そのため、競争率が高い医療機関に応募する際には、履歴書や職務経歴書の書き方や面接対策が欠かせません。

数多くの転職をサポートしてきたコンサルタントは、これまで培ってきた経験や医療機関の情報があります。
それをもとに、応募先の医療機関がどういった人を求めているかなどを踏まえ、応募書類の添削、フィードバックのほか、面接時にされる質問の傾向や自己PRの方法などを教えてもらうことができます。
転職エージェントを活用し、書類審査や面接の通過率を高めることで、希望条件に沿った転職を実現しやすくなる点はメリットといえます。

 

条件交渉を代行してくれる

医療機関の勤務条件を細かくヒアリングする、勤務条件や収入などの条件交渉をするということが苦手な人も多いなか、転職エージェントに交渉を代行してもらえる点はメリットといえます。
転職後に無用なトラブルを避けるためにも、自分が求める勤務条件を明確にして転職活動にのぞむことが大切ですが、希望条件に近いリストを提案してもらっても100%希望条件に合う医療機関を見つけることは難しく、条件交渉が必要となるケースもあります。

条件交渉の例

  ・求人票記載の金額以上の収入がほしい欲しい
  ・当直やオンコールの対応を減らしたい
  ・短時間勤務を認めてもらいたい
  ・転職時期が先になってしまう
  ・勤務日数が週3日などでも常勤として働きたい

ただ、条件交渉するにしても、転職を希望する医師と医療機関の双方が納得できる着地点を慎重に探っていくことが求められます。
この点、医療機関と医師の仲介者である転職エージェントは、双方の意向や状況を組み取りつつ条件交渉を代わりにやってくれます。
勤務条件を十分に納得したうえで、入職後も後悔することがないようにするために転職エージェントを活用するメリットはあります。

 

退職手続きのサポートや転職後のフォローを受けられる

退職手続きや転職後のサポートを受けられる点もメリットといえます。
在職中に転職活動をすることが多いため、内定を獲得してから、退局の意向の申し出、退職手続き、患者や業務の引継ぎなど、しなければならないことは多くあります。

転職エージェントでは、これまで数々の転職活動をサポートした実績から、退職の意向をどう伝えるか、引き留めがあった場合の対応方法など円満な退職を実現するためのノウハウをもって持っています。
転職先に入職後も定期的に連絡やフォローしてくれる転職エージェントもありますので、何かあった場合に相談できるのは心強いといえます。

後悔しない医師転職エージェントの選び方

転職エージェントを活用するにしても、数多くあるサービスからどのように選べばよいのでしょうか。後悔しない転職エージェントの選び方について解説します。

 

求人数の多さで比較する

まずは転職エージェントの求人数をチェックしましょう。
求人数が多いほど希望条件に合う仕事が見つかる可能性は高くなりますし、各エージェントの独自の情報量や経験値が多いと考えられます。

また、登録者限定、一定の条件を満たした人だけが閲覧できる非公開求人もありますので、非公開求人数、全体に占める割合など複数の転職エージェントで比較することがおすすめです。
求人数をチェックする際には、勤務形態(常勤、非常勤、スポットなど)や専門科目の取扱いなど、希望する勤務条件にあわせて確認しましょう。

 

医師・医療業界に特化したエージェントを選ぶ(総合型と特化型)

転職エージェントには、幅広い業界や職種に対応する総合型エージェントと特定の業界、職種に特化した特化型エージェントがあります。
医師の場合、職務内容も勤務形態も一般の仕事と大きく異なり、転職後のキャリア形成にも影響しますので、医療業界に特化したエージェントを利用することをおすすめします。

専門的な知識も関係する医師の転職で、自分の希望や考えがうまく伝わらないとなると問題です。特化型のエージェントであれば、専門的な業務内容や勤務形態についても相談がしやすく、医療機関との関係性も深いので、転職に有意義な情報を取得しやすいといえます。

 

サポート体制を比較

転職エージェントを選ぶ際に、運営企業の社歴や事業内容、規模、医療業界のつながりなどと合わせサポート体制を比較することも大切です。

サポート体制を比較するポイント

・キャリアプラン/開業を見越した相談ができるか
・求人内容以外の内部情報
・年収や待遇の条件交渉力
・内定辞退のときの連絡
・転職だけでなく退職/入職後のフォローがあるか
・プライバシーマークの取得/個人情報保護の体制
・応募書類や面接対策のサポート内容

転職だけでなく円満に退職するためのサポートや入職後のフォローまで一貫してサポートしてくれるエージェントがおすすめです。

 

 

 

 

 

 

医師転職エージェントを活用するときの注意点

  ご紹介したように、求人数から対応している科目、雇用形態、拠点数など、エージェントごとに強みや特徴は異なります。 そのため、複数のエージェントに登録し、保有する情報やサービスの違いを比較しながら、自分が求める条件に合うエージェント、コンサルタントに依頼することが大切です。 ここでは転職エージェントを利用するにあたって注意しなければならない点を解説します。

コンサルタントの質をチェックする

転職先医療機関との窓口となるコンサルタントの質をチェックしましょう。 信頼できる人柄であるか、医療や業界に関する知識や経験、実績がどれくらいあるかは、質問をしたり提案を求めることで一定程度確認できることもあります。 そのほか、連絡や質問に対する回答が迅速で正確であること、転職や結論を急かさない、求人情報や質問した以上の情報が得られるなどコンサルタントの質を確かめましょう。 もし、対応やコミュニケーション、知識など信頼できないと感じた場合は、担当者の変更や転職エージェントの変更を検討することも必要です。

エージェントが取り扱っていない情報もある

転職エージェントは数多くの求人を取り扱っていますが、なかにはエージェントを通さずに採用活動をしているケースもあります。 採用側の医療機関は、エージェントを活用するには報酬を支払う必要がありますし、転職エージェントを活用するまでの必要性を感じていない場合もあります。 転職エージェントの情報を100%頼るのではなく、気になる医療機関などは、自分でも求人状況を定期的にチェックしましょう。

コンサルタントとの相性が合わない場合もある

 転職エージェントを活用して転職活動をするとなると、担当者との相性も大切です。最初の相談から入職後のフォローまで1人のコンサルタントが担当するエージェントも多いなか、コミュニケーションや対応方法が合わず、考えや意向がうまく伝わらないと採用の成否にも影響しかねません。 また、定期的に連絡をとることも必要ですので、連絡可能な時間帯や頻度、連絡方法などの希望はしっかりと伝え、負担をできるだけ減らせるようにしましょう。

転職時期が明確でなくても登録してみる

転職エージェントは相談だけでも利用することができます。そのため、転職を検討しているものの時期や転職の条件が明確に決まっていない場合でも、登録して話を聞いてみることをおすすめします。

相談した結果、転職を思いとどまるのも自由ですし、キャリアプランの相談だけでもしてみてもいいでしょう。その結果、条件やキャリアプランが明確になる可能性もあります。

転職エージェントを利用すると無理に転職をすすめられるのではないかと思われるかもしれませんが、無理な転職はエージェント側にも、医療機関からの信用を失う、短期間での退職となると報酬を失うリスクもあります。 転職時期が明確でなくても、今すぐの転職ではないこと、相談したい内容などをしっかりと伝えたうえで登録してみましょう。

自己分析をしっかりと行う

自己分析が不十分のまま転職活動を進めると、求めていたものと違う勤務条件や職場環境になってしまう可能性があります。 将来のキャリアプランを含めて、なぜ転職するのか、転職先に求めるものは何か、何の優先順位が高いのかなど、自分が希望する条件を整理したうえでコンサルタントに伝える必要があります。 面接で話す場合にも、将来のキャリアプランや自己分析がはっきりしていると、ミスマッチも減りますし、転職する意欲も伝わりやすくなります。 過去に複数回、転職している場合は、それぞれの転職理由をしっかりと説明できるよう準備しておきましょう。

転職エージェントが向いている人

身内や知人の紹介、自分で応募する方法もあるなか、以下のような人は転職エージェントの活用がおすすめです。

・たくさんの情報を比較検討して決めたい
・できるだけ早く転職したい
・初めての転職で何から始めて初めてよいか分からない
・転職活動に割ける時間が少ない
・収入面や待遇面の交渉が苦手、したくない
・応募書類や面接対策のアドバイスが欲しい

一方で、働きたい医療機関、身につけたいスキルや経験、働きたい環境などの具体的な希望先や目標が決まっている人は、紹介や自己応募の手続きのほうが向いているかもしれません。  

医師の転職のステップ

最後に、転職エージェントを活用する場合の転職活動の進めかたについて紹介します。医師の転職には、一般的に半年くらいの期間がかかるといわれています。 希望する入職時期から逆算して、できるだけ余裕をも持ったスケジュールでスタートすることをおすすめします。

    • 【STEP1】転職エージェントへの登録
  • 【STEP2】キャリアカウンセラー(面談)
  • 【STEP3】求人情報の紹介
  • 【STEP4】応募・面接・施設の見学
  • 【STEP5】給与交渉・内定
  • 【STEP6】前職の退職手続き
  • 【STEP7】転職先での業務開始

 

転職エージェントを活用した一般的な流れは上記のとおりです。 登録したあとキャリアカウンセリングでは、転職市場の情報共有や希望条件のすり合わせなどを行います。このとき大切なのは、転職の目的・希望条件を明確にしておくことです。

転職の目的・希望条件を明確にする

転職の目的や理由は、卒後何年か、医局への入局の有無などでも変わることがあります。 これまでのキャリアの棚卸しや将来のキャリアプランを踏まえ、担当コンサルタントとの面談でしっかりと伝えられるよう準備しましょう。

●医師の転職理由例

・もっと高度な症例を経験したい
・収入を増やしたい
・専門科目の選択を間違えた、変更したい
・臨床医以外の職場で働きたい
・労働時間などの待遇を改善したい
・開業を見据えた資金を準備したい
・ワークライフバランスを重視したい
・Uターンにより地元での就職を希望
・出産・育児 

また、希望条件をすべて満たすことは難しいので、求める条件として何があるのかを明確にし、優先順位をつけましょう。

転職先に求める代表的な条件

・診療科目
・経験できる症例や数
・収入や労働時間など待遇
・休日・休暇
・福利厚生
・残業の有無/当直・オンコールの有無
・施設の形態(急性期・慢性期・研修指定病院・クリニック・企業等)など

面接・院内見学時のポイント

面接と面接にあわせて行われることの多い院内見学時のポイントについて解説します。 面接は本番以上に準備が大切ですので、以下の点をしっかりと準備してのぞみましょう。

面接にのぞむ際に準備すること

・転職先での職務内容
・医局の実績
・経営理念
・自己紹介
・退職理由(過去の転職経験も含め)
・志望動機
・質問事項

転職先での職務内容は知っていることを前提に面接が進むこともありますので、しっかりと調べたうえで自分の経験やスキルがどの程度活かせる生きるかをアピールできるように準備しましょう。

また、自己紹介では以下のような内容を、簡潔に分かりやすく話せるように準備しましょう

自己紹介で準備すべきこと

・出身大学(卒業年度)
・これまでの略歴と専門分野
・現在の勤務先での職務内容・職位
・専門医として所持している資格
・手術や症例数などの実績
・その他学会での発表内容や研究テーマなど

院内の見学では、事前に依頼しておけば同僚の医師の方に話を聞ける場合もあります。病棟や医局の雰囲気、当直室や食堂などの設備、また、残業や当直の実態が面接や事前に聞いていた内容と相違がなさそうかなど確認しましょう。

円満に退職するための手続き

内定を受諾すれば退職手続きをすすめます。 退職を申し出る時期は、法律上の規定もありますが(民法627条)、医療機関との雇用契約書や就業規則に退職の申し出期限が設けられている場合もあります。 退職にともない医療機関側は、受け持ちの患者さんの引継ぎや代わりとなる医師を探すことも必要となりますので、退職までの時間が短か過ぎると混乱を招きかねません。 大学医局や勤務先によっては半年以上前に申し出が必要なケースもありますが、円満に退職するためには、遅くとも3ヶ月カ月前には伝えるようにしましょう。

まとめ

医師が転職エージェントを活用するメリットや選び方、おすすめの転職エージェントについて解説しました。

転職エージェントを選ぶには、求人数の多さ、サポート力の高さ、コンサルタントの質を確認することが大切です。求人数が多ければ選択肢の幅が広がり、サポート力やコンサルタントの能力が高いと、希望する転職先に入れる可能性が高くなります。

医師は他の職種と比べても、経験を積み、知識や技術を身につけていくことで働き方の選択肢を増やすことができる職業です。 そのため転職活動のなかでキャリアプランを描き、年齢や年代を考慮したキャリアチェンジを図ることが大切です。 そのためキャリアプランの形成を含めて信頼できるエージェント、コンサルタントであるかを見極める必要があります。 転職エージェントの利用は、選び方を間違わなければメリットが多い方法です。ぜひ参考にしてください。

 

出典

厚生労働省「医師の働き方改革について」

厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年8月分)」

厚生労働省「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」

M3キャリアエージェント 公式サイト

エムスリーグループ

医師転職ドットコム

Dr.転職なび 公式サイト

Dr.アルなび 公式サイト

民間医局 公式サイト

マイナビDOCTOR 公式サイト

ドクタービジョン 公式サイト

リクルートドクターズキャリア 公式サイト

JMC医師転職支援サービス 公式サイト

e-doctor 公式サイト

DtoDコンシェルジュ 公式サイト

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