執筆者: FINANCIAL FIELD編集部
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数ある診療科の中でも激務といわれる「産婦人科医師」。産婦人科領域で働いている医師の中には、今の職場を辞めて別の医療機関で働きたいと考えている人もいるのではないでしょうか。転職により収入やキャリアのダウンにつながらないか気になりますよね。
そこで、産婦人科医師の転職に役立つ最新動向や転職活動のポイントについて解説します。まだ転職を決心していない人も、今後のために参考にしてみてください。
目次
産婦人科医師に転職を希望する人が多い理由
数ある診療科の中でも、産婦人科は激務であるため、離職や転職を考える人が多くいます。
主な理由としては、産婦人科医師を取り巻く特殊な労働環境によるものだと考えられます。ここでは、産婦人科医師の転職理由となりうる仕事の環境についてみていきましょう。
転職する産婦人科医師が多い理由(1)医師の数が不足している
日本では長らく先進国の中でも医師の数が少ないといわれてきました。日本医師会では、医師不足を解消するために、大学医学部の定員を増やしたり、ライフワークバランスが向上するように取り組みを行っています。
その結果、年々医師数の数が増えているのに対し、産婦人科の医師数は横ばいで医師不足の改善の兆しがみられません。病院やクリニックの産婦人科医が少なければ、現在の医師数で業務を回す必要があります。
結果的に産婦人科医師の負担が続くことで、産婦人科領域の医師不足が解消しない悪循環になっています。
転職する産婦人科医師が多い理由(2)医師の負担の増加
日本では少子化が進んでおり、年々分娩件数も減っています。一方で、最近では、帝王切開や器械分娩の件数が増えています。
助産師のみの分娩は助産院のみで行われます。しかし、母子の経過に問題があれば、産婦人科医は確認を行い、助産師がメインでお産に関わる医療機関もあります。
昨今の晩婚化の流れに伴って、高齢妊婦やハイリスク妊娠が増えることで、分娩で医師が介入すべき場面は増えていきます。少子化の中でも産婦人科医師の負担はどんどん増していくといえるでしょう。
転職する産婦人科医師が多い理由(3)勤務が大変
産婦人科医は他の診療科よりも激務といわれています。産婦人科で働く医師の勤務がきつくなりやすくなるのが分娩を扱うことです。分娩時間は妊婦さんによって異なるため、24時間365日での対応が必要になります。
予定時間内に赤ちゃんが生まれなければ、そのまま残業となることも多いでしょう。実際に、産婦人科は他科よりも「オンコールや当直が多い」ことが明らかになっています。日本産婦人科学会の報告によれば、以下の結果になりました。
図表1
産婦人科医師の平均当直日数 | 平均4.7回 (※内科系の2.2倍、外科の2倍に該当) |
産婦人科が毎日当直している施設の割合 | 53% (※残りの47%は宅直オンコール) |
当直が多いと感じている産婦人科医の割合 | 91% |
※日本産婦人科医会 産婦人科勤務医当直に関する他科医師との比較を参考に作成
当直やオンコールが多いと、医師が勤務に疲弊しやすくなります。産婦人科のある医療機関の中には、当直やオンコールを常勤医師だけで回しているところも多くなります。産婦人科領域の激務により、若手の医師が輩出しにくい要因にもなっています。
転職する産婦人科医師が多い理由(4)医療訴訟のリスクが高め
産婦人科領域は、他科よりも医療訴訟数が多いというわけではありません。しかし、妊産婦や胎児が診療対象になるため、損害賠償が高額になりやすい傾向があります。また、テレビのニュースでも医療訴訟が取り上げられやすく、社会の問題化しやすいでしょう。
医療訴訟は医師が働く上でのリスクとなります。産婦人科医師の医療訴訟が注目されることで、離職が多くなったり、産婦人科医師になる医師が減少してしまう原因になっています。
【2024年】産婦人科医師の転職動向
2024年の産婦人科医師の転職動向について気になっている人もいるでしょう。医師全体の転職動向を見ると、2019年から広がった新型コロナウイルス感染症の拡大により、2021年前までは医師の転職市場は落ち込んでいる状態でした。
一部の医療機関では、PCR検査や新型コロナウイルスワクチンの接種を求めて、患者さんが殺到したため、他科への受診を控えるような行動もあり、医師の需要が落ち込み、求人数の減少もみられました。2023年には、新型コロナウイルス感染症が感染症第5類に移行し、行動制限も解除されたため、医師全体の求人数も増えていくことが予想されています。
以降では、産婦人科医師の転職動向についてみていきましょう。
産婦人科医師の転職動向(1)求人はまだまだある
医師の求人数の増加に伴い、産婦人科医の求人数も増えています。 ただ、医師の求人は、医局や関連病院に対して紹介される割合が高い状態です。インターネットなど公の情報に、産婦人科の医師求人がない場合でも、人脈を通した求人情報も確認するようにしましょう。
産婦人科医師の転職動向(2)産科と婦人科が別になることも
産婦人科は数に地域差がある診療科です。近年では、産婦人科の医師不足対策のために、地域間で産科と婦人科を分けている施設もあります。産婦人科であれば、周産期から女性の健康まで取り扱いのが幅が広いですが、どちらか一方の科を専門的に診療する機会も増えていく可能性があります。
産婦人科医師の転職動向(3)新たなニーズが増えている
日本では長らく少子化が問題になっているため、今後の産婦人科医師の需要について気になっている人もいるかもしれません。国内では晩婚化が進んでおり、不妊治療を希望する女性が増加しています。
また、令和4年度より特定不妊治療が保険適用となっています。これまで経済的な理由で不妊治療をあきらめている人も、治療を希望する可能性が高いでしょう。さらに、更年期外来を新たに開設する施設が増えていることから、女性の更年期障害に対する見識も広まっており、女性のヘルスケアを支えるために産婦人科医の新ニーズが増えていくでしょう。
産婦人科医師の転職動向(4)国公立の総合病院など求人が幅広い
産婦人科医の数は慢性的に不足しており、地域によっては病院やクリニックを閉鎖しているところも増えています。地域内の産婦人科医療の集約化を余儀なくされる地域も多いため、個人のクリニックだけでなく、国公立の医療機関でも求人を出している場合があります。
産婦人科医師として、臨床スキルを維持したい人は、国公立の総合病院へ転職を目指すのもおすすめです。
産婦人科医師の転職後の仕事内容
産婦人科医師で転職する場合、「仕事内容が大きく変わるのでは……」と不安に感じている人もいるでしょう。ここでは、求人別の転職先の産婦人科での仕事内容についてみていきましょう。
転職後の産婦人科医師の仕事(1)産婦人科クリニックの常勤
産婦人科クリニックへの転職でも、常勤医師として務めることができます。仕事内容は、外来診療や手術、病棟管理など通常の産婦人科医師と変わりません。しかし、クリニックによっては、週4日の勤務だったり、当直数が少なかったりなど、時間に余裕を持って働くことができます。
結婚や出産後も、仕事と家庭を両立しながら診療をしたい産婦人科医師におすすめです。
転職後の産婦人科医師の仕事(2)クリニックの院長
国内では毎年数千近くの医療機関が開設されています。しかし、医療機関の廃院や休止する医療機関の数が拮抗しているため、国内の医療機関の数は微増といったところです。
新しい医療機関で必要となるのが、管理者である院長です。医師求人の中には、クリニックの雇われ院長を募集しているものも多くあります。美容系のクリニックの場合、産婦人科以外にも内科系の診療科の医師を対象に、院長を募集していることもあります。
産婦人科医師がクリニックの雇われ院長となる場合は、一般的な医師よりも給与が高い傾向があります。雇われている身なので、経営者が決定権を握っていることも多いかもしれません。しかし、自分の資金を使うことなく、医療機関やスタッフの管理を学べる魅力があります。
転職後の産婦人科医師の仕事(3)不妊治療を含む自由診療
日本では、若い世代を中心に結婚を望まない人も増えており、晩婚化が進んでいます。結婚の高齢化は、そのまま妊娠・出産年齢も高齢になっていくということになります。妊娠・出産の高齢化により、不妊治療を受けるカップルも増えてきています。
近年は、不妊治療外来を開設する病院やクリニックも増えています。それに伴い、不妊治療など高度な医療技術を必要とする自由診療ができる産婦人科医師の需要が高まっています。
転職後の産婦人科医師の仕事(4)病院の産婦人科医師の補充
一般病院の産婦人科医師求人の場合、外来あり・病棟管理あり・手術ありと、一般的な産婦人科医の職場と大差がないこともあるでしょう。
一方で、求人募集している施設は、いち早く人員の補充する必要があるため、次のように良い条件を提示している場合もあります。
●勤務日数が週5回ではなく週4回で良い
●当直・オンコールがない
産婦人科医師に人気の転職先条件
産婦人科医師が離職する理由には、労働対価の低さやハードな勤務が挙げられます。そのため、以下の条件のある転職先に人気が集まっています。
産婦人科医師に人気の転職先条件(1)給与が高い
新しい職場でも現在の収入レベルを維持したいと考える産婦人科医師は多くいます。転職を希望する産婦人科医師の中には、給与に対する不満はなく激務が理由で今の職場を辞めたいと考える人がほとんどでしょう。
大学病院の中には、医師の残業と自己研鑽の区分があいまいで、労働時間に対しての給与が見合わないこともしばしばです。ただ保険診療の病院・クリニックの中には、残業代をしっかり払ってくれる施設もあります。
給与体系がしっかりしている医療機関に転職すれば、満足のいく給与が得やすくなります。収入レベルがそこまで高くなくても、労働に見合った金額であれば、仕事へのやりがいもアップするでしょう。
産婦人科医師に人気の転職先条件(2)夜勤がない
当直やオンコールがつきものの産婦人科医師ですが、転職先の仕事内容によっては夜勤がない施設を選ぶこともできます。当直やオンコールがない場合は、主に健診や人間ドックの業務になります。
一般的な会社と同じように、平日週5日勤務で、8:30~17:00までの勤務が多くなります。産婦人科医師はプライベートや家族との時間が持ちにくい特徴があります。しかし、当直やオンコールがない求人を選べば、仕事以外の時間を楽しむことができるでしょう。
産婦人科医師に人気の転職先条件(3)交通アクセスが良い
転職先でも産婦人科医師としてしっかり働きたい人は、交通アクセスが良い病院やクリニックに人気が集まりやすくなります。産婦人科医療は分娩も扱うことから、駅や自宅から近い施設の方が圧倒的に便利です。
病院やクリニックの中には、宅直オンコールが必須の施設もあるので、職場にすぐに駆けつけられる場所を選ぶのも良いでしょう。
ただ職場と自宅が近すぎると、「休日にゆっくり休んだ気がしない」と感じる人もいます。人によっては、職場と自宅の距離があった方がリラックスできる人もいるでしょう。産婦人科医師が転職先を選ぶときは、交通アクセスが良好な施設を選ぶのがおすすめです。
産婦人科医師に人気の転職先条件(4)勤務時間に柔軟性がある
他科と比べると産婦人科は女性医師の割合が高い診療科です。20代後半から30代前半にかけては、結婚や出産などのライフイベントを迎える女性医師が多くなります。産婦人科医師の求人の中には、子育て中の女性医師に対して、勤務時間を柔軟に対応しているところもあります。
病院やクリニックによっては、託児所を完備しているところもあるので、仕事復帰後も仕事と家庭の両立を目指した働き方が叶えられるでしょう。
産婦人科医師の転職で有利となる条件
産婦人科医師の転職には、成功しやすい、有利な条件や資格もあります。ここでは転職を有利にするための条件や資格についてみていきましょう。
産婦人科医師の転職で有利となる条件(1)前の職場で産婦人科を専門にしている
産婦人科医師の求人の中には、条件として「産婦人科分野の臨床経験が5年以上」と指定することがあります。求人の中には、産婦人科医の不足を補うためのものが多く、即戦力が求められているためです。
言い方を変えれば、5年以下の産婦人科領域の臨床経験では、転職先の選択肢が狭まる可能性があります。臨床経験が5年以下の産婦人科医師は、大学の医局や関連病院の紹介などで経験を積んでから、改めて転職活動をするとよいかもしれません。
産婦人科医師の転職で有利となる条件(2)専門医の資格を持っている
産婦人科医師の中には、転職先で健診や人間ドックをメインとした診療を考えている人もいるでしょう。分娩や腫瘍摘出など診療スキルが必要なくても、求人先で産婦人科の専門医として働くことができる場合もあります。
また、不妊治療をメインに行うクリニックで働くには、生殖医療の資格があった方が有利になります。転職を考えている産婦人科医師の方は、今後のためにも、資格を取得することも考えてみてもよいかもしれません。
産婦人科医師の転職で有利となる条件(3)管理者の経験がある
産婦人科医師の求人の中には、雇われ院長を募集しているところもあります。雇われ院長は経営方針や人事などに関しては、自分の意見が通らない場合もあるかもしれません。しかし、診療や患者さんのケアなどの医療現場は、雇われ院長が統括することになります。
前の職場で産婦人科の部長の経験がある等、医師としてのマネジメントや管理能力があれば、新しい職場で活かすことができます。長らく病院に勤めていたベテランの産婦人科医師も、雇われ院長としてセカンドライフを送ることも可能です。
産婦人科医師の転職で有利となる条件(4)女性であるとなお良い
産婦人科医師は医師の中でも女性の割合が比較的高い特徴があります。医師全体では5人に1人が女性医師ですが、産婦人科医師では3人に1人が女性医師となります。
これまで女性医師の結婚や出産は、医師のキャリアを考えていく上でネガティブに捉えられることが多かったのですが、出産、更年期によるホルモンのゆらぎは、女性医師自身が経験している場合が多く、より患者さんに寄り添った診療を提供できます。産婦人科医師の中でも女性医師のニーズはますます高くなっていくでしょう。
産婦人科医師での転職の失敗例
現状を改善しようとして、転職しても「失敗した……」と感じる結果になってしまう場合もあります。忙しい合間の中で転職を進めたのに、失敗や後悔は避けたいものです。ここでは、産婦人科医師の転職での失敗例についてみていきます。
産婦人科医師の転職失敗例(1)転職で収入が低くなった
激務が原因で転職した場合、労働時間が減ったり、当直が少なくなったりすることで、収入が低くなることがあります。転職先で産婦人科医師の仕事時間や労働負担が軽くなっても、それに伴い給与が減ると、転職に後悔するかもしれません。
特に、医師は他職よりも収入レベルが高く、経済的に豊かな生活を送っている人が多くなります。転職先の収入不足を補うために、アルバイトを増やすこともあるかもしれません。トータルの労働時間が長くなると、転職した意味がなくなることもあります。
給与は労働対価です。収入が仕事へのモチベーションにつながっている人は、転職先を選ぶときに給与についても配慮しましょう。
産婦人科医師の転職失敗例(2)労働環境があまり変わらない
産婦人科の医師の中には、これまでの経験やキャリアを活かせるような転職先を探している人もいるかもしれません。転職する理由が人間関係にある場合、働く場所を変えることで問題が解決されることがあります。
しかし転職を希望する理由が、労働時間や当直回数であれば、以前の職場と同規模の病院に転職しても、同じような待遇である可能性が高くなります。転職をしたにも関わらず、仕事の負担が変わらないこともあります。
産婦人科医師が待遇やライフワークバランスを理由に転職するときは、現在の職場に近い規模の病院ではなく、クリニックや診療所を検討してみると良いでしょう。
産婦人科医師の転職失敗例(3)仕事へのやりがいを感じられない
産婦人科医師が転職に失敗すると、仕事への満足度が下がることがあります。例えば、大学病院で働いている場合は、稀な症例を診ることができる可能性が高いです。産婦人科分野の研究をしたい医師であれば、良い経験が得られるでしょう。
しかし、転職して、市中病院で働くようになれば、患者数は多いものの、一般的な症例を診る機会が多くなります。より多くの患者さんを診るようになれば、診療スキルは向上しますが、専門性の高い診療に触れる機会は少なくなるでしょう。
産婦人科医師に限らず、「医師は働く場所によって得られる経験が異なる」ことに配慮する必要があります。
産婦人科医師の転職を成功させるポイント
産婦人科医師が転職をするのなら、失敗や後悔がないようにしたいものです。転職を成功させるためには、次のポイントを満たすようにしましょう。
産婦人科医師の転職を成功させるポイント(1)自分が何を優先したいのか明確にする
新しい職場では、「給与が高い」、「当直がない」、「アクセスが良い」などの希望を抱く産婦人科医師も多いでしょう。しかし、求人の中で、すべての希望条件を満たす職場を見つけることは大変困難です。
転職先を探すときは、自分が何を優先したいのかを明確にしましょう。特に、今の職場を辞めたい理由には、大なり小なりの不満が引き金になっていることがほとんどです。
今の職場を辞めたい理由を踏まえて、優先したい事項をはっきりさせると、転職先を選びやすくなります。その上で、自分の中で外せない優先事項を明らかにしながら、転職先をピックアップしていきましょう。具体的な考え方は次のとおりです。
図表2
今の職場を辞めたい理由 | 転職先の希望条件 |
---|---|
当直回数が多い | 当直回数が少ない病院・クリニック |
人間関係が悪い | 職場の雰囲気が良い病院・クリニック |
仕事量が多く、自分の負担が重い | 医師数が多めの病院・クリニック |
筆者が作成
産婦人科医師の転職を成功させるポイント(2)複数の情報源から転職先を選ぶ
医師が転職先を知る方法として、知人医師から転職先の情報を得るという方法があります。特に、産婦人科医師は多忙であり、十分なリサーチや検討をせずに、紹介された医療機関への転職を決めてしまうことがあるかもしれません。
紹介による求人情報は数が限られていたり、見聞きした情報と実際の状況が異なっていることもあります。医師の転職では、大学病院や関連病院の紹介もありますが、系列が同じであると、労働時間や待遇に大きな違いがないこともあるでしょう。
転職先を見つけるときは、複数の情報から選ぶことが大切です。医師の知人からの紹介であっても、1つの医療機関に絞るのではなく、複数の医療機関から選ぶようにするのがおすすめです。
産婦人科医師の転職を成功させるポイント(3)転職エージェントを活用する
仕事の合間にさまざまな転職先の情報を得るのにおすすめなのが医師専用の転職エージェントです。医師向けの転職エージェントでは、さまざまな医療機関の求人情報を得られます。
特に、産婦人科医療は集約化が進んでいるので、人脈だけで得られる求人情報には限りがあります。転職エージェントを使えば、豊富な求人から自分に合った病院・クリニックを選べるでしょう。
都道府県や働き方の絞り込みができるので、求人を探す手間がかかりません。転職エージェントでは、自分に合った病院・クリニックを探すのをサポートしてもらえます。転職後のミスマッチを防ぐために、詳細な情報を得られるのも強みです。
また医師向けの転職エージェントの中には、産婦人科医師に特化しているところもあります。産婦人科医師としてこれまでのスキルや経験を活かしたい人や、転職後も産婦人科医師として働き続けたい人は、産婦人科医師専用の転職エージェントに入会すると良いでしょう。
産婦人科医師の転職を成功させるポイント(4)さまざまな働き方から選ぶ
転職先を探すときは、色々な働き方についても知りましょう。医師として働くには多様な働き方があります。「転職先でも常勤医師でなければいけない」、「フリーランス医師はダメだ」と考えてしまう人もいるかもしれません。
医師としてのスキルやキャリアアップを狙うのなら、これまでのように大学病院や市中病院で働くのも良いかもしれません。しかし、結婚や出産を期に、仕事とプライベートを両立したいのであれば、非常勤医師やフリーランス医師として働く方が合っていることがあります。
2024年からは「医師の働き方改革」が始まりますが、日本の医療の現状を見ると、スムーズに政策が導入できるかは判断しにくいところです。産婦人科医師が転職を成功させるには、1つの働き方にこだわるのではなく、さまざまな働き方にも着目する必要があるでしょう。
産婦人科医の転職まとめ
産婦人科は分娩によりオンコールが多く、慢性的な医師不足により激務になりやすい診療科です。妊産婦さんや胎児を扱うことから、医療訴訟リスクが高く、若手が育ちにくくもあります。
地域によっては専門医の不足により、産婦人科医療の集約化がみられ、表向きの求人数は少なめです。一方で、地方の国公立の病院求人もあり、継続したキャリアアップも目指せるでしょう。
医師側の負担が重い産婦人科医師だからこそ、新しい職場を選ぶときはじっくり検討する必要があります。自分の現状に合わない転職先を選べば、失敗や後悔につながることがあるでしょう。
産婦人科医師が転職を成功させるには、希望や優先事項を明らかにして転職活動に臨むことが大切です。転職活動の際には、医師専用の転職エージェントを活用するなどして、さまざまな選択肢から検討するようにしましょう。
出典
厚生労働省 女性医師の年次推移
日本産婦人科医会 産婦人科勤務医当直に関する他科医師との比較
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部