執筆者: 遠藤綾子
期間工といえば、きつい肉体労働が多めで男性しかいない仕事、というイメージを持っていませんか?そのイメージを覆すのがデンソーの期間工です。他の会社では、女性が全くいないのも珍しくありませんが、デンソーは女性の期間工も多く採用されているのが特徴です。
デンソーの期間工は自動車の部品を作る仕事がメインなので、軽い製品が多く、女性でも働きやすい職場になっています。収入面でも、男女に差はあまりなく、仕事と生活の両立を支援する制度が整っており、手堅く稼げるので人気の職場なのです。
しかし、デンソーの期間工って実際どんなことをするのか、本当に稼げるのか、デメリットはないのか、いろいろと気になりますね。こちらの記事では、デンソーの期間工の特徴と稼げる理由について解説していきます。期間工が気になる方、稼ぎたい方はぜひ参考にしてください。
デンソーの期間工の基本情報
まずデンソーの期間工の月収、仕事内容、勤務地、福利厚生などの基本情報から見ていきましょう。自分の希望と合致するのであれば、期間工として働く価値は大いにあります。
デンソーの月収
一番気になるのが月収です。デンソーのホームページの期間従業員募集要項を見てみると、月収例として以下の内容が記載されていました。
29万4720円~30万7010円
(20日勤務・時間外勤務手当20時間・交代勤務手当2交代勤務・深夜勤務手当後番48.33h)
シフトや残業時間の変動などにより、金額に若干の差がありますが、1ヶ月で約30万円は稼ぐことができます。
デンソー期間工の給料体系は日給になっており、勤続年数によって日給が上がります。
1年目:9900円
2年目:1万0900円
3年目:1万1200円
1年目から1万円近い日給になっており、これは他の会社と比べるとトップクラスの待遇です。デンソーの期間工は稼げるというのは間違いありませんね。
仕事内容・勤務地
デンソーの期間工の仕事内容は、主に自動車の部品製造、製品の検査工程です。自動車の本体を作るメーカーでは重い製品を取り扱うため、かなりの重労働ですが、デンソーの期間工では車のワイパーやスパークプラグなどの補修用部品、アクセサリーなど、軽くて細かい製品を作っています。
また、オペレーター作業や、内装取り付けなど、手先の器用さが求められる作業に配属されることもあります。重たい製品を扱う業務はほとんどないため、女性でも働きやすい期間工といわれているのです。
勤務地に関しては、愛知・三重・静岡の13カ所に工場があり、勤務地や寮を自分で決めることはできず、会社により決定されます。デンソーの寮は女子寮も多くあるため、安心して共同生活を送ることができます。勤務地・寮がどこに配属されるかに関しては、完全に運次第です。
福利厚生
まず基本的な福利厚生の「厚生年金」「雇用保険」「労災保険」「健康保険」はすべて含まれていますので「社会保険完備」です。作業着は1着無償で貸与されます。
寮は使用費無料でワンルームかシェアハウス型で、寝具、冷暖房、テレビ、冷蔵庫、洗濯機完備なので、県外から来てもすぐに生活することができます。
また、寮は火気を使った自炊が禁止されていますが、勤務地によっては夜も開いている社員食堂があるので、そちらで済ませるようにしましょう。
デンソーの「楽して稼げる」は本当?
デンソーの期間工は「楽して稼げる」との評判で有名です。ですが、それは本当なのでしょうか?楽して稼げるといわれているその理由を見ていきましょう。
オペレーション仕事が中心
オペレーターのような仕事が多く、ルーティン化した作業が苦ではない方にはかなり楽な仕事になります。重たい製品を扱うことはないので、肉体的には楽ですが、同じ作業を繰り返す集中力は必要なようです。部品を一つ一つ目視で確認し、セットしてボタンを押す。これだけですが、覚えるべき機械操作は結構多いようです。
慰労金と満了報奨金制度が充実
デンソーの期間工が稼げるという理由の大きな一因に、慰労金と満了奨励金制度が充実していることが挙げられます。慰労金は勤務日ごとに積み上げられ、勤続期間で積み立てられる金額は変動します。(6ヶ月は1日当たり1500円、11ヶ月以降は1日当たり2000円)
それとは別に、満了報奨金は6ヶ月満了時に1000円、 更新後の満了時に2500円支給されます。満了金は6ヶ月ごとに支給され、最初の6ヶ月満了で30万円、以降6ヶ月ごとに54万円支給されます。36ヶ月満了で働いた場合、合計300万円が支給されることになるのです。
例えば、6ヶ月勤務した場合、1日の慰労金は1500円×6ヶ月(132日勤務)=19万8000円になります。
ここに満了金の30万円を足すと、合計は49万8000円になります。さらに通常の1ヶ月の給与30万を足すと80万円近い金額になりますね。6ヶ月勤務することで、ここまで稼ぐことができるのです。
年収で換算すれば500万円を超えることもあります。一般的なサラリーマンの年収をも超える可能性があると考えると、とても魅力的ですね。
デンソーで働くデメリット
さて、ここまでデンソー期間工の良い面を紹介してきましたが、デメリットもあります。このデメリットを特に気にしないのであれば、とても稼ぎの良い仕事です。デンソーで働くデメリットを解説していきます。
覚えることが多い
どの仕事においてもいえることかもしれませんが、覚えることがとても多いです。製品を作るための機械のパネル操作、部品の生産管理、機械のエラー処理など、ライン工のように淡々とした作業ではなく、機械の動きを見て自分で考えながら作業をしなくてはいけません。力を使う仕事はあまりありませんが、慣れるまでに時間がかかります。
寮生活に耐えられるかが分かれ道
デンソーは稼げるのが最大のメリットですが、寮生活の当たり外れが大きいというのが最大のデメリットです。他の会社の期間工の中でも寮の生活環境の評判があまり良くありません。
古い寮が多い、個室もあるが3人の相部屋になることが多い、光熱費として毎月7000円引かれる、共用の設備がある、など寮での共同生活に耐えられるかが問題になってきます。
また、入寮できるのは自宅から公共交通機関で75分以上かかる人、寮の周辺は田舎と、寮生活以外にもマイナス面があります。
稼ぎは良いですが、寮の生活環境の評判が良くないのがデンソー期間工の特徴です。
期間工から社員になれるのか
デンソーでは期間工から正社員になれる、社員登用制度があります。人材育成に力を入れており、毎年期間工から正社員に登用している実績があります。
しかし、正社員登用を積極的に行っているとしても、ハードルは高めで、受かるには相応の対策が必要です。期間工から正社員になるために、チェックすべきところを見ていきましょう。
人数は毎年変動している
正社員登用の人数は毎年変動しています。2015年度は108人だったのに対し、2019年度は345人に上昇しています。会社の生産量に伴って、人数が決定されるようです。
少なくとも、2017年度以降は300人近い人数が採用されており、誰でも正社員になれるチャンスはあるので気になる方は受けてみると良いでしょう。
正社員登用で有利なのは、20代前半の人で長く働くことをアピールすればかなり有利です。30代、40代になると少々厳しくなってきますが、日頃の勤務態度、遅刻、欠勤はしないなど、真面目に働くことをアピールすることで採用される可能性はあります。
チャレンジするならここをチェック
正社員登用試験を受けることができるのは、入社して6ヶ月以上の勤務が条件です。あとは履歴書などの書類を期限内に提出すること、部署の所属長から推薦をもらうために、日頃からアピールが必要です。
積極的に仕事をしている人として、QC(品質管理)活動の取り組みや改善提案をする、普段から仕事で遅刻、欠勤をしないなど、職場に貢献することが大切です。この会社に対して正社員として働きたいという意欲を見せることができれば、正社員として採用される可能性が高まります。
デンソーの期間工は稼げる。正社員のチャンスもアリ
デンソーの期間工は安定して稼ぐのにうってつけな職場です。女性の期間工も多く、仕事と生活の両立を支援するサポートが受けられるため、男性と同じように稼ぎたい方にはとても魅力的な環境です。
残業の多さと、寮の生活環境に若干難はありますが、他の会社の期間工と比べてトップレベルなのは間違いありません。期間工として働いてみて、このまま正社員として働きたいと思ったら、社員登用試験を受けて正社員になることもできる可能性は大いにあります。
期間工として稼ぎたい方はぜひ、デンソーの募集要項をチェックしてみてください。
監修:遠藤綾子
2級キャリアコンサルティング技能士 国家資格キャリアコンサルタント
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