期間工で働くメリット・デメリットは？どんな人に向いている？ |ファイナンシャルフィールド

期間工とはどのような仕事で、どのようなメリット・デメリットがあるのかがわからず、応募を迷う方も多いでしょう。実際、期間工の仕事には特徴的なメリットやデメリットがあり、向き・不向きも分かれます。

そこでここでは、期間工への応募を検討している方へ向けて、メリットとデメリットを解説します。また、どのような方が期間工の仕事に向いているのかも紹介しますので、検討に役立ててください。

期間工とは

期間工とは、勤務先の企業に直接雇用され、3ヶ月、6ヶ月など期間が決められた契約で働く従業員のことをいいます。主に製造業界の大手メーカーが採用しており、「期間従業員」の呼称が用いられるのが一般的です。

通常は勤務先ごとに寮が用意されており、寮生活をしながら働くことになります。契約は更新可能である場合がほとんどですが、多くの会社で3年以内の最長雇用期間が定められており、期間工として有期契約のまま3年以上働くことはできません。

多くの場合、自動車や航空機などの部品仕分けや、組立などのライン作業に従事することになりますが、技能や配属先によって業務はさまざまです。

期間工として働くメリット

期間工の仕事には、次のようなメリットがあります。

・手当が充実していている
・未経験者でも就職しやすい
・生活費を節約できる
・大手メーカーで勤務できる
・正社員登用が期待できる
・待機期間なしで失業保険が受給できる


これらのメリットを魅力的に感じるなら、期間工として働くことを検討してもよいかもしれません。

それぞれについて、以下でくわしくみていきましょう。

手当が充実していて高収入が期待できる

給与のほかに食事補助や赴任手当、満期慰労金など、さまざまな名目の手当が設けられていることが多い点が、期間工の大きな特徴です。また、入社時に入社祝い金をもらえるケースもあります。
基本給も日給1万円程度としっかりもらえるため、手当と合わせれば高収入が期待できるでしょう。

例えば、自動車部品メーカーのデンソーでは、次のような手当を設けています。

・慰労金：700円 ～ 2000円／日
・満了報奨金：1000円 ～ 2500円／日
・6ヶ月在籍手当：5万円
・入社・赴任手当：2万円
・再入社手当：1万円
・赴任・帰郷旅費：規定額

未経験者でも就職しやすい

期間工として未経験者を採用している企業も多く、経験がなくても十分に就職できる可能性があります。仕事の内容も専門的な技能が必要ないものも多いため、経験がなくても働きやすいでしょう。
未経験で製造業界に飛び込め、当初から高収入が得られるのは大きなメリットです。

生活費を節約できる

各企業では期間工のために寮を用意している場合が多く、寮費無料としていることが少なくありません。また、水道光熱費無料、食事補助ありなどの好条件の会社も多くあります。
そのため、期間工として寮に入れば生活費を大きく削減できるでしょう。

大手メーカーで勤務できる

期間工を募集している企業の多くは、正社員として就職するにはハードルが高い有名大手メーカーです。しかし、期間工の応募条件は18歳以上・学歴不問のことがほとんどで、年齢さえクリアしていれば誰でも従業員になれる可能性があります。

大手メーカーは福利厚生がしっかり整備されていることが多く、恵まれた待遇で働くことが可能です。

正社員登用が期待できる

期間工を採用している企業の多くに、正社員登用制度や登用実績があります。

期間工からの正社員登用は狭き門といわれることもありますが、努力をすれば大手メーカーの正社員になれる可能性があるというのは、大きな魅力です。

待ち期間なしで失業保険が受給できる

正社員を6ヶ月などの短期間で辞めると、特別な事由がなければ自己都合退職となり、失業保険をもらえるまでに3ヶ月以上待つ必要があります。しかし、期間工として働き契約期間満了で退職した場合は、解雇の場合と同じように7日間の待機期間のみで失業保険を受給できます。

また、失業保険を受給するには通常離職までの2年間のうち1年以上雇用保険に加入していなければなりません。しかし、期間工の契約更新を希望したにもかかわらず合意に至らなかった場合は、離職前1年間のうち6ヶ月の加入期間があれば受給できる場合があります。

期間工として働くデメリット

期間工には多数のメリットがありますが、一方でデメリットもあります。デメリットが許容できない方は、期間工に応募することを考え直す必要があるかもしれません。

ただし、企業や配属される部署によって細かい条件は異なります。労働条件をよく確認して、できるだけデメリットが少ない企業を選択して応募するのもひとつの手です。

主なデメリットには、次のようなものがあります

・最長雇用期間を超えて働けない
・夜勤があり生活が不規則
・単調な作業が多い


以下で、くわしくみていきましょう。

最長雇用期間を超えて働けない

期間工は、長期的に働きたいと希望しても、企業が定めた最長雇用期間を超えて働くことができません。

期間工は、期間の定めがある労働契約に基づいて雇用される従業員です。

労働法では3年を超える期間の定めがある労働契約を締結してはならないと決められています。そのため、期間工を採用している企業では、3年を超える契約更新ができないよう、2年11ヶ月、3年などの最長雇用期間を設けています。


いくら経験を積み技術を身に付けても、正社員に登用されない限りは、3年以内で辞めなければならないのです。

夜勤があり生活が不規則

期間工の多くは交替制で、夜勤や深夜・早朝の勤務がある企業がほとんどです。毎日同じ時間に出勤するわけではないため、生活が不規則になります。生活のリズムが乱れると体調を崩したりしがちな方にとっては、つらさを感じる仕事かもしれません。

単調な作業が多い

期間工の業務は基本的に流れ作業です。そのため、単調な作業を繰り返し続けることを苦痛に感じる可能性があります。また、体の同じ部分を動かし続けることで、痛めてしまいやすいという点もデメリットです。

　　　

期間工が向いている人とは

期間工にはメリット・デメリットの両面があるため、どんな人でも向いているわけではありません。期間工に向いているのは、かんたんにいうと、メリットに魅力を感じ、デメリットを許容できる方ということになります。具体的には、次のような方が当てはまるでしょう。

・目的があってお金を貯めたい人
・大手メーカーで正社員を目指したい人
・寮生活が苦にならない人
・ルーティンワークが好きな人


以下で、それぞれについて解説します。

目的があってお金を貯めたい人

期間工の仕事は基本給が高く、各種手当もあるため、合わせると正社員として働くよりも高収入になることもあります。また、寮を利用すれば、住居費や光熱費などの光熱費も節約できます。

そのため、目的があって効率よく貯蓄がしたい方にとっては利点が大きいでしょう。短期間の契約のため、目的の金額が貯まったらスムーズに仕事を辞めることもできます。

大手メーカーで正社員を目指したい人

正社員を目指すためには仕事が多少きつくても努力できる、という方は、期間工に向いているといえます。

「学歴やスキルはないけれど、大手メーカーで正社員になりたい」という方の足掛かりとして、期間工はぴったりです。正社員採用試験を受けて大手メーカーに就職できるのは、一握りの人だけです。しかし、期間工は募集の要件が厳しくなく、誰でもスタートラインにたてる可能性があります。

寮生活が苦にならない人

寮に入ると、生活スペースの一部を同僚と共有することになります。施設の利用時間などの制限もあるでしょう。しかし、共同生活の不便な部分が気にならなければ、生活費を抑えて生活することができます。寮生活が気にならない方にとっては、期間工として働くメリットは大きいといえます。

ルーティンワークが好きな人

常に創意工夫や臨機応変な動き求められる仕事よりも、決まった作業を繰り返す方が好き、という方も期間工に向いています。単調で変化に乏しい仕事は、苦手な方にとっては苦痛なものです。しかし、ルーティンワークが苦にならない方にとっては、得意分野で認められるチャンスになります。

期間工にはメリットが多いがデメリットもある

期間工の仕事には、高収入が得られることや正社員登用が目指せることなど、多数のメリットがあります。一方で働ける期間に上限があることなどのデメリットもあることを忘れてはいけません。就職してから後悔せずにすむよう、メリットだけをみて飛びつかないように注意しましょう。

メリットとデメリットの両方を理解したうえで、自分に期間工の仕事が合っているかどうかをよく考えて応募を決めることが大切です。

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