執筆者: 星野宏
生産ラインでの業務を担うことの多い期間工には、体力が求められます。期間工になるためには、体力や健康に自信があることが大前提です。
そのうえで今回は未成年者、40代、50代、60代でも、期間工として働ける可能性はあるのかどうか調べてみました。期間工として働きたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
目次
未成年者、40代、50代や60代の場合
未成年者や40代、50代、60代でも期間工として働ける可能性についてまとめました。ここでは年齢別に期間工として働くチャンスについてみていきましょう。
18歳以上なら未成年でも働ける
期間工になるためには満18歳以上であることが必須条件です。未成年でも保護者の同意書が必要な場合がありますが、問題なく働けます。ただしこの満18歳という年齢は、高校卒業を意味しているのではありません。
労働基準法では第61条や第62条の規定によって、満18歳に満たない人の就業の機会を制限しているからです。深夜業、運転中の機械や動力伝導の取り扱い、装置発火性・引火性の原料や材料を取り扱う危険有害業務の就業は満18歳以上でないと認められていません。
工場で深夜勤務も想定した期間工は、18歳を迎えてから応募できます。学歴は重視されていないため、中卒でも体力があり人柄が良く、身元がしっかりしている人なら採用される可能性が高いと言えるでしょう。
40代は期間工として活躍している
40代になると、体力の低下や健康面の衰えを感じはじめる人もいるはずです。しかし実際に期間工が働いている現場では、40代も戦力として活躍しています。
10代、20代、30代と比べれば、40代になると体力はあるように見えても持久力の点で見劣りすると採用側に思われても仕方ありません。40代になって初めて期間工を目指すなら、自動車メーカーの期間工ではなく、精密機器の組立や加工を担う期間工を目指すのもひとつの方法です。
体力や健康面のアピールはもちろんですが、一緒に働きたいと思われる人柄や経験、若い世代と協力しながら働くという前向きな気持ちをしっかりアピールしましょう。
50代は経験次第?チャンスが限られる
50代になると、期間工としての採用は狭き門となりますが、それでも働いている人はいます。期間工専門の求人情報サイトなら、メーカーごとにどのような世代が働いているかといった情報を掲載しているのでチェックしてみましょう。
調査した情報をもとに、50代の人が活躍している実績を紹介しているメーカーを選んだほうが、採用へのチャンスが高くなります。製造現場未経験よりも経験者のほうが、年齢が高くても採用される可能性が高くなるため、過去の経験を正確にアピールできるよう準備しておきましょう。
60代は厳しい!でもチャンスはゼロじゃない
期間工専門の求人情報サイトを見渡しても、60代の期間工が活躍している仕事の情報を見つけること自体が大変まれです。期間工の定年が何歳なのか、明確な情報は公開されていませんが、60代から初めて期間工を目指すのは大変厳しいと言えます。
チャンスはゼロに近いですが、60代の期間工が活躍しているという情報はゼロではありません。過去に働いていた人が再雇用されたり、期間工の契約が延長になったりして60代でも働いている可能性もあります。60代でも期間工として働くなら、若いときに優秀な勤務成績を残すなど経験を積んでおくことが必要でしょう。
求人で年齢制限すると法律違反になる?
実際の募集・採用の現場で、年齢制限することは雇用対策法によって禁止されています。2007年(平成19年)の改正にあたり、年齢によって採否を決定する行為が禁止されました。
求人票には年齢不問と記載されているのに、応募、書類選考や面接の段階で年齢を理由に採用・不採用とする行為は法に反しているのです。年齢に関わらず均等な機会を与えられることが法の趣旨ですので、年齢を理由に応募を諦める必要はありません。
ただし一般的な感覚として、年齢が高くなるにつれて体力が落ち、健康面で問題を抱える可能性が高くなると認識されています。そのため生産ラインの立ち仕事を担える体力の裏付けになるアピール点や、10代や20代の若者と一緒に仕事をやり遂げる熱意がなければ、採用される可能性は低いでしょう。
期間工の仕事内容は体力が必要?人柄や経験重視?
期間工とひと口に言っても、自動車メーカーの製造ラインでの立ち仕事から金属加工など精密機器の組立や加工が中心の仕事までさまざまです。自動車メーカーの製造ラインは、重いものを運んだり長時間の立ち仕事をしたりと体力が求められます。
そのため男性中心の職場になりがちです。女性も採用されていますが、25歳以下で特に体力に自信のある場合が多いです。志望動機でも、健康面と体力面はしっかりアピールしましょう。
例えばエクササイズが大好きで毎日続けている、学生時代からスポーツに取り組んでいるといった体を動かすことが苦にならないアピールです。腰痛などがあると、採用は難しくなります。
健康面も学生時代や前職の勤務状況を振り返り、病欠はなかった、風邪はめったにひかないという具合に、健康面は万全だと伝えましょう。実際に期間工の面接後に健康診断があります。
体力を必要とされる分、仕事に専念できるよう寮が完備されていたり、満了慰労金などさまざまな手当てを支給されたりするのが特徴です。一方、精密機器の組立や加工に携わる現場では、さほど体力に自信がない人や女性でもじゅうぶん活躍しています。
ただし寮や満了慰労金がない場合があるため、自動車メーカーの製造ラインのようにまとまった金額を短期間に稼ぐことは難しいと言えます。期間工の仕事では、学歴は重視されていません。健康で仕事への意欲にあふれ、周りと協力しながら仕事を進められるといった人柄の良さを見られているのです。長時間の作業に取り組むために、集中力と根気も求められています。
同業種での経験があれば、即戦力として採用の際に優遇される場合もあるため、どの製品作りに関わっていたのか伝えてみてください。応募の時点で年齢が高い場合、体力・健康面が万全であることに加えて、経験があることはアピール点になります。
期間工の採用に有利になる資格とは?
期間工のほとんどの業務では、特別な資格は特に求められていません。知識がなく未経験でも働くことが可能です。ただし自動車メーカーの期間工に応募するなら、自動車整備士の資格は有利に働くと言えるでしょう。
各工程に分野や材料を運搬する物流部門などフォークリフト作業のある現場では、フォークリフト免許(1t以上)があれば有利になります。5t以上のクレーン資格も歓迎される場合があるため、資格を持っている人は期間工の求人をチェックしてみてください。
期間工に年齢制限なし!長く働くなら優秀な成績を目指すべき
雇用対策法は、年齢に関わりなく均等な機会を与えられることを目指しているため、期間工の募集・採用に表立って年齢制限はありません。しかし期間工として働く大前提として、健康で体力や気力が充実していることが求められます。
未経験歓迎とはいえ、期間工として過去に働いた経験がある人材は即戦力となるため、採用の過程で有利です。実際にメーカーを渡り歩いて期間工として長く働き続けるなら、それぞれの職場で自分なりに優秀な勤務成績を目指しましょう。
過去の経験を生かして再雇用されるチャンスを逃さないためにも、良い成績で契約期間を満了するよう心がけることが大切です。
監修:星野宏
・キャリアサポートオフィス process代表 キャリアコンサルタント
・キャリアコンサルティング技能士1級
・公認心理師
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