執筆者: 星野宏
しかし実際には、入社祝い金や赴任手当といった支度金に相当するお金が支給されているため心配は無用です。今回は気になる期間工の入社祝い金や各種手当、支給されたお金に関する確定申告について解説します。初めて期間工の仕事を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
期間工の特典!入社祝い金とは?
期間工の募集要項を見ると、期間工として入社した際に、一部のメーカーでは入社祝い金という一時金を支払っていることがわかります。この入社祝い金は、給与とは別に支給されるためお得感があると言えるでしょう。
入社祝い金は、たくさんの応募者を集める目的で提供されています。仕事を求めている人も1回限りとはいえ、臨時収入はうれしいものです。ここでは入社祝い金について詳しく解説します。
メーカーによって入社祝い金の支給額は異なる
入社祝い金で支給される金額は、メーカーごとにバラツキがあります。なかには同じメーカーでも勤務地の工場によって金額が異なることも。また期間工の募集があるたびに、同じメーカーでも入社祝い金の金額が増減することがあるため注意が必要です。
期間工の入社祝い金は、数万円から数十万円までと大きな開きがあります。稼げる金額重視の人は、各メーカー期間工の募集要項をしっかり比較検討しましょう。
さらに紹介会社から祝い金が出る場合もある
入社祝い金はメーカーからだけでなく、紹介会社からも併せて出る場合や、紹介会社だけから出る場合などさまざまです。入社祝い金の支給にあたって入社時期を限定している場合もあるため、よく募集要項を確認することが大切です。入社祝い金という形ではなく、選考会参加費という名目で紹介会社からお金が支払われる場合もあります。
祝い金支給のタイミングに注意
入社祝い金は、社内規定にのっとって支給されます。この規定はメーカー・紹介会社によって決められているものなので、祝い金が支給されるタイミングもその規定によってマチマチです。
入社祝い金は入社したらすぐに支給されるわけではありません。基準日や基準日までの出勤率が定められている場合があります。この基準日や出勤率は、必ずチェックしましょう。
メーカーに直接応募した場合、あるいは紹介会社を通じて応募した場合に入社祝い金を支給、という条件にも注意が必要です。大きな金額の入社祝い金が掲載されている場合、「総額」や「最大」と記されていることもあります。これは数か月にわたって分割払いされたり、他の手当と合算されたりするという意味です。
入社祝い金と似た性質の一時金として、選考会参加費、入社特典、入社時特別手当や初回更新時手当などがあります。どういう経路の応募の場合だと支給されるのか、その支給のタイミングはいつなのか、事前にしっかり確認しておきましょう。
期間工の祝い金以外の手当にも注目
期間工の仕事に従事する魅力は、寮費や水道光熱費が無料あるいは格安で生活費を抑えられる一方で、手当がふんだんにあるため稼げることです。メーカーによって多少異なりますが、入社祝い金のほか、赴任帰任旅費、満了慰労金、経験者手当、皆勤手当などが用意されています。
契約が満了するたびに支給される満了慰労金はボーナスの意味合いがあり、有期雇用の期間工にとって大きな収入源です。契約を更新すると勤続ボーナスを支給するメーカーや、満了慰労金がステップアップするメーカーもあります。
期間工にはボディ系メーカーと部品系メーカーの仕事があり、より体力が必要とされるのはボディ系メーカーです。体力が必要な分、待遇面でも部品系メーカーより厚くなるため、体力に自信があり稼ぐ目的ならボディ系メーカーをねらいましょう。
入社祝い金を受け取った期間工は確定申告すべき?
入社祝い金を受け取った期間工は、確定申告する場合があるため注意が必要です。ほとんどの場合、入社祝い金の確定申告の必要はありませんが、ある条件が重なると必要になります。
確定申告を忘れて無申告とみなされるのは避けたいものです。ペナルティを課されると、税金が高くなるというデメリットがあります。入社祝い金を重視して期間工の仕事を探している人は、次に解説する確定申告が必要になるケースをよく確認しておくようにしましょう。
期間工が確定申告しなければならないケース
注意したいのは、勤務先以外の紹介会社などから入社祝い金を受け取った場合です。期間工として働く勤務先の企業から入社祝い金を受け取った場合には、確定申告は必要ありません。
国税庁の公式サイトで「確定申告が必要な方」について解説されているので、詳しく見ていきましょう。期間工は「給与所得がある方」に該当し、勤務先が年末調整することで所得税等が精算されるため、一般的に確定申告は不要です。
しかし期間工として働く勤務先以外の紹介会社などから入社祝い金を受け取ると、「給与を2カ所以上から受けて」いる場合に該当します。国税庁の公式サイトで、紹介会社などから入社祝い金を受け取った期間工に該当する文言は次の通りです。
「給与を2カ所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える」
20万円を超える、とある点がポイントです。もし紹介会社などから入社祝い金をもらっていても、金額が20万円以下で他の副収入がなければ確定申告する必要はありません。
選考会参加費などを支給された場合も、見過ごさないようにしましょう。紹介会社などから支払われた選考会参加費と入社祝い金の合計が20万円を超えたら、確定申告する必要があるからです。
期間工が確定申告しなければならないケースをまとめると次のようになります。
●「勤務先」と「紹介会社」等、2カ所以上から収入を得た
●入社祝い金や選考会参加費などの合計額が20万円以上
確定申告しなくても数十万円なら気づかれないだろうと考えてると、重たい税金が課せられることもあるため気をつけましょう。
2020年コロナ禍で期間工の祝い金は減額傾向?
2020年は新型コロナウイルスの影響で国内生産が大幅に減ったため、自動車メーカーの多くが、期間工の新規採用を停止していました。現在は、採用人数が限定的だったり、一部拠点のみで募集を再開したり、コロナ前の状態に戻ったとは言い難いものの、期間工の募集を再開しています。
期間工の入社祝い金の額はよく変更されるため、一概に減少した、増額されたとは言い難い面があるのが実情です。同じメーカーの期間工の募集でも紹介会社によって、入社祝い金の額が異なる場合もあるので注意してください。
メーカー公式ページでは募集していないように見えても、紹介会社のみを通じて採用するケースもあり、情報をこまめに収集することが大切です。まれに「入社特典85万円」といった高額な入社祝い金と出会える可能性もあるので、有利な期間工の仕事をしっかりリサーチしましょう。
貯金したいなら期間工の入社祝い金に注目
期間工の入社祝い金の支給パターンは3種類あり、メーカーのみ、紹介会社のみ、メーカーおよび紹介会社両方から支給されるパターンです。期間工の入社祝い金は、勤務するメーカーによって、あるいは同じメーカーでも紹介会社によって金額が異なります。
貯金を目的に期間工を目指すなら、複数の紹介会社の求人をチェックして、綿密にリサーチしましょう。なお勤務先のメーカーから入社祝い金を支給される場合は、確定申告はしなくても問題ありません。紹介会社から入社祝い金が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。
※2021/2/5 内容を一部修正させていただきました。
監修:星野宏
・キャリアサポートオフィス process代表 キャリアコンサルタント
・キャリアコンサルティング技能士1級
・公認心理師
関連記事
工場ワークスが選ばれる理由は? 利用するメリットと注意点を解説工場求人ナビが選ばれる理由は? 利用するメリットと注意点を解説
工場勤務は実際どのくらい稼げるの?気になる給料について解説