更新日: 2024.04.18 融資

ファクタリングの手数料の相場は?違法な会社の見分け方や手数料を抑えるポイントをご紹介

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

ファクタリングの手数料の相場は?違法な会社の見分け方や手数料を抑えるポイントをご紹介
事業者の方で今すぐ手元資金が欲しいと考えているなら、売掛債権を売却する資金調達方法ファクタリングも視野に入れてみましょう。
 
ファクタリングは申し込んでから現金化までがスピーディーなので、直近の支払いなどにも対応できます。しかし、利用する際にはファクタリングのメリット・デメリットについて把握して、適切なタイミングで行うおこなうことが大切です。
 
本記事では、ファクタリング手数料の相場やメリット・デメリットについて解説するので、ファクタリングが気になっている方は参考にしてみてください。
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ファクタリングとは?

「ファクタリング」とは、事業主が保有している売掛債権を売却して現金化する資金調達方法であり、他の資金調達方法と比較すると現金化までがスピーディーです。
 
日本では「掛け売り」は代表的な決済方法の1つといえ、個人事業主やフリーランス・中小企業・大企業まで幅広い事業主がおこなっています。しかし、この売掛債権は保有しているだけでは現金として使用できないため、支払期日が到達するまで待たなければなりません。
 
このような特性から、事業運営するためには十分な売上があっても、手元に現金資産がなく、事業運営に負担がかかっているケースは多いです。事業運営において手元に現金資産を持っておくのは非常に重要であり、従業員への給与支払いなどにも現金は必要になります。そのため、今すぐでも現金資産が必要になった際には、ファクタリングも視野に入れて考えるのが有効な方法です。
 
ファクタリングを利用すると支払期日よりも前に現金化できるため、資金繰りについてコントロールしやすくなります。
 
ファクタリング方法には「2社間ファクタリング」、「3社間ファクタリング」があり、それぞれで持っている特徴や手続き方法が違う点は把握しておきましょう。
 

2社間ファクタリングの特徴と手続きの流れ

2社間ファクタリングは、事業主とファクタリング会社で契約する方法で、ファクタリングを利用していることが売掛先企業に基本的にはバレません。また、事業主とファクタリング会社の合意があれば進められるため、依頼してから現金化までがスピーディーであり、最短で即日であり3日程度で資金調達が可能です。各種手続きなどが簡単で、売掛先企業との関係性悪化などを防げます。
 
2社間ファクタリングの手続きの流れについては、以下の通りです。
 

1.事業主が取引先に請求書を発行(売掛債権の発生)
 
2.事業主がファクタリング会社に売掛債権の買取を依頼する
 
3.ファクタリング会社が売掛債権を審査して、利用条件を提示
 
4.利用条件について双方が同意すれば契約して、売掛債権を売却する
 
5.ファクタリング手数料を差し引いた額を事業主が受け取る
 
6.売掛先企業から売掛金が支払われたら、ファクタリング会社にすぐに支払う

 

3社間ファクタリングの特徴と手続きの流れ

3社間ファクタリングは事業主・ファクタリング会社・売掛先企業の3つで契約する方法になります。売掛先企業も含めての契約になるので最終的な売掛金については、売掛先企業からファクタリング会社に直接支払われるのが特徴です。注意点としてはそれぞれの同意を得る必要があるため、依頼してから現金化するまでに2週間程度の時間がかかります。
 
3社間ファクタリングの手続きの流れについては、以下の通りです。
 

1.事業主が取引先に請求書を発行(売掛債権の発生)
 
2.事業主がファクタリング会社に売掛債権の買取を依頼する
 
3.ファクタリング会社が事業主に利用条件を提示
 
4.事業主が売掛先企業にファクタリングをする承諾を得る(売掛債権売却の承諾)
 
5.3社が契約を締結した後に売掛債権を売却する
 
6.ファクタリング手数料を差し引いた額を事業主が受け取る
 
7.売掛先企業がファクタリング会社に直接売掛金を支払う

 

ファクタリングにかかる手数料の相場はどれくらい?

ファクタリングにかかる手数料はさまざまな要素が絡み合って決まるため、具体的な手数料については実際にファクタリングを申し込んで審査しないとわかりません。しかし、ファクタリングにかかる手数料相場について理解しておけば、どこのファクタリング会社に依頼するかどうかの判断基準になります。
 
一般的な相場としては2社間ファクタリングで8%から18%程度、3社間ファクタリングで2%から9%程度です。
 
2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングの方が手数料が安い傾向にあります。理由として2社間ファクタリングは売掛先企業に知らせていないので回収リスクが高く、3社間ファクタリングは売掛先企業に知らせているので回収リスクが低いです。
 
このように回収リスクの違いが手数料の相場にも大きく影響しているため、手数料を抑えるためには3社間ファクタリングを利用する方がいいかもしれません。
 

ファクタリングの手数料を決定する要因

ファクタリングの手数料を決定する要因はさまざまですが、基本的には事業主よりも売掛先企業の信用度が重要です。そのため、売掛先企業の信用度を始めとして、いろいろな要因を視野に入れて考えなければなりません。
 
このように要因次第でファクタリングの手数料は決まるため、売掛債権額が同じでも売掛先企業の信用度によって最終的な手数料が変わったりするのが特徴です。
 
ファクタリングの手数料を決定する要因として、以下が挙げられます。
 

●売掛先企業の信用度が高いかどうか
 
●2社間ファクタリングか3社間ファクタリングか
 
●売掛債権の額面
 
●売掛債権の支払期日までの期間
 
●過去のファクタリング利用状況

 
これらの要因について把握することがファクタリングを利用する際に重要です。ファクタリング会社は、売掛金を回収できないと大きな損失になりますので、手数料はファクタリング会社がリスクを請け負うためにも必要なものです。
 
ファクタリングの手数料を決定する要因について解説するので、ファクタリング利用を検討している方は参考にしてみてください。
 

ファクタリングの手数料を決定する要因1.売掛先企業の信用度が高いかどうか

売掛先企業の信用度が高いかどうかはファクタリングにおいて重要であり、信用度が高ければ高いほど審査に通りやすいです。また、信用度が高いと売掛債権を買取してから売掛金回収するリスクが低くなるため、手数料も低くなる傾向にあります。具体的に会社の信用度を判断するためのポイントは、信用調査会社の掲載情報・会社の規模などです。
 
信用調査会社に掲載されている情報は、具体的には、創業年・資本金・事業内容などの基本情報から、近年の損益から導かれた信用情報などです。他にも、信用評価を確認するための方法として、会社規模や業種の信用力もあげられます。例えば、会社規模が大きければ大きいほど買取した売掛債権の売掛金を回収するリスクが低くなるため、ファクタリング手数料も抑えることができます。
 

ファクタリングの手数料を決定する要因2.2社間ファクタリングか3社間ファクタリングか

ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングが存在していますが、それぞれの方法でファクタリング手数料相場が違う点は把握しておきましょう。それぞれのファクタリング手数料が違う理由としては、売掛先企業を契約に含んでいるかどうかで回収リスクが変わるためです。
 
基本的には3社間ファクタリングの方が手数料は低いですが、売掛先企業にファクタリングを利用していることが伝わってしまうなどのリスクを含んでいます。
 
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングはどちらも売掛債権を現金化できますが、持っているメリット・デメリットはそれぞれです。どちらの方法が良いかは利用する事業主によって異なりますので、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
 

ファクタリングの手数料を決定する要因3.売掛債権の額面

売掛債権の額面が大きいほど手数料は低く、売掛債権の額面が小さいほど手数料は高くなる傾向にあります。そのため、自分が複数の売掛債権を保有している場合、額面が大きい売掛債権を選んだ方がお得になるケースは少なくありません。他にも少額の売掛債権を何度も売却するには手間がかかるため、まとまった手元資金を確保する意味でも額面が大きい売掛債権を売却するのがおすすめです。
 
基本的には額面金額が大きいほうが手数料は抑えられるので、少額の売掛債権を何度も売約するよりも、高額な売掛債権を売却したほうが最終的な手数料は低くなるでしょう。手間や手数料を考えながら、どの売掛債権を売却したらよいか考えてみるとよいでしょう。
 

ファクタリングの手数料を決定する要因4.売掛債権の支払期日までの期間

支払期日までの期間が長いと手数料は高くなり、逆に、期間が短いと手数料は低くなります。理由として支払期日が長ければ長いほど、回収リスクが大きくなるためです。ファクタリング会社が売掛債権を買取して現金化するためには、支払期日まで待つ必要があります。
 
しかし、売掛債権を買取してから現金化するまでの期間に売掛先企業が倒産する、業績悪化によって支払いができなくなる可能性はゼロではありません。仮にファクタリング会社が売掛金を回収できなかった場合、大きな損失になります。
 
このように支払期日までの期間が長いと回収リスクが高いので、手数料も高くなる可能性が高いです。反対に支払期日までの期間が短いと回収リスクが低いので、手数料も低くなる傾向にあります。
 

ファクタリングの手数料を決定する要因5.過去のファクタリング利用状況

ファクタリングの利用実績は、審査において有利に働くポイントといえ、過去に利用した経験があるファクタリング会社では手数料を抑えられるかもしれません。ファクタリング会社は数多く存在していますが、いろいろな会社を使用するよりも特定のファクタリング会社を利用することがおすすめです。2社間ファクタリングと3社間ファクタリングでそれぞれ1社か2社程度に絞って、複数回利用すると徐々に信用が積み重なります。
 
また、信用が積み重なっている状態は審査がスムーズに進む要因にもなるため、急ぎ現金化して欲しいタイミングなどでは有利になるでしょう。初めて利用するファクタリング会社ではどうしても審査時間が長くかかる傾向にありますが、利用回数と信用を重ねているファクタリング会社では審査時間の短縮にもつながります。
 

ファクタリングの手数料を抑えるポイント

ファクタリングの手数料を抑えるポイントはさまざまですが、最も大きな要素として売掛先企業の信用度が挙げられます。しかし、この要素以外にも手数料を抑えるためにできるポイントは存在しているため、ポイントを理解していれば手数料を抑えることは可能です。例えば、2社間ファクタリングではなく、3社間ファクタリングを利用すると手数料は低くなる可能性が高いです。
 
他にも売掛債権の額面が大きい、支払期日までの期間が短い、ファクタリングの利用実績があるなども手数料を抑えられる可能性が高いです。少しでも手数料を抑えたい場合、自分が持っている売掛債権の中で上記の条件を満たしているものを選択するとよいでしょう。
 
他にも、同じファクタリング会社に何度もファクタリングを依頼して実績を積んでいけば、ファクタリング会社からの信頼を得ることができ、手数料を下げてもらえる可能性があります。
 
自分が持っている売掛債権の中でどれがファクタリング手数料が低いか判断が難しい場合、ファクタリング会社に審査を依頼して比較することも方法として有効です。同じ売掛債権でも持ち込むファクタリング会社によって手数料が違うケースも多いため、1社だけにファクタリングを依頼するのはおすすめできません。
 
ファクタリング会社によって審査時に重要視するポイントも違うので、最終的な手数料が大きく変わるケースも考えられます。
 

複数のファクタリング会社で相見積もりを取る

複数のファクタリング会社で相見積もりを取ることは、ファクタリングの基本ともいえ、特に初めてファクタリングを利用する際には重要です。同じ売掛債権でもファクタリング会社ごとにかかってくる手数料は違うため、相見積もりをしてその中から自分が納得できるものを選んでください。
 
また、相見積もりを取ることは手数料の比較をする以外にも、それぞれのファクタリング会社が重視している内容についても判断できます。
 
相見積もりを取る際にはいくつかのポイントが存在しており、効果的にファクタリングを利用するためにも、相見積もりを取る前に抑えておきましょう。
 

ファクタリング会社で相見積もりを取る際のポイント(1)同じ条件で見積もりを依頼する

ファクタリングの相見積もりを取る際には各社、同じ条件で申し込むことが前提であり、まったく違う条件で相見積もりを取っても意味がありません。例えば、A社で2社間ファクタリング・B社で3社間ファクタリングを取っても比較条件が違います。このように、条件を揃えることが相見積もりでは重要になってきます。
 
同じ条件にすべき項目として、「2社間ファクタリングか3社間ファクタリングか決める」「見積もりを希望する売掛債権を統一する」「資金調達希望日についても決めておく」の3点が挙げられます。条件をそろえ、各社提示された利用条件を比較して、自分自身が納得できるものを選ぶとよいでしょう。
 

ファクタリング会社で相見積もりを取る際のポイント(2)時間に余裕があるタイミングで相見積もりを取る

ファクタリングは売掛債権をスピーディーに現金化できる方法ですが、初めて利用する際や相見積もりを取る際は時間に余裕をもつことが大切です。ファクタリング会社によっては。初回審査に数日から2週間程度かかるケースもありますので、時間に余裕があるタイミングで相見積もりを取って、それぞれの利用条件を比較しましょう。
 
また、それぞれで必要書類の種類や面談の有無なども違うため、ファクタリング会社ごとに定められている内容に従ってください。必要書類の種類や面談の有無によってもかかる時間は変わるので、そういった意味でも、時間に余裕があるタイミングでの行動がおすすめです。
 

ファクタリング会社で相見積もりを取る際のポイント(3)最低3社は相見積もりを取って比較する

最低3社は相見積もりを取って比較することが大切ですが、反対に見積もりを依頼するファクタリング会社数が多くなりすぎるのもよくありません。単純に2社だけでは手数料相場などの比較が難しく、多すぎると比較するために時間や手間がかかります。全体的なバランスについて考えると最低3社で多くても5社までがいいでしょう。
 
相見積もりを依頼するファクタリング会社については、公式サイトなどを確認しながら探すことがおすすめです。仮に相見積もりを依頼して拒否された場合はあまり気にせず、他のファクタリング会社を探した方がいいでしょう。
 

ファクタリング違法会社の見分け方

ファクタリング会社の中には違法会社が存在している場合があるので、後から大きな問題やトラブルに発展しないように見分け方を覚えておくことが大切です。最も効果的な見分け方として、ファクタリング手数料が相場よりも明らかに高い場合といえます。また、明らかに手数料が高いにも関わらず、細かい内訳などについて説明しないのは悪徳業者である可能性が高いです。
 
一方で手数料が相場通りか相場よりも低い悪徳業者も存在しており、ファクタリング手数料は低くても保証金や手付金で支払額を上乗せしてくるケースもあります。手数料が安いと感じていても、その他費用が上乗せされた最終的な支払額が大きくなるかもしれません。
 
また、典型的なパターンとして、契約書の控えを渡さないというものがあります。契約書の控えは本来後から契約内容で揉めないための重要な書類であり、契約した際に双方が保有することで余計なトラブルを避けられます。契約書の控えを持っていないと、悪徳業者側が不正に契約書を書き換えてもわかりません。
 
そのため、契約をする際には契約書の控えは、不正を防ぐためにも重要な役割を持っています。
 

金融庁からでも悪徳業者の注意喚起がされている

金融庁からも悪質業者への注意喚起が出されており、中には貸金業登録のない業者が債権を担保とした違法な貸付をしている例もありました。一見するとファクタリングのように見える取引であっても、経済的に貸付と同様の機能を有しているケースも挙げられます。契約書の内容などが明らかに不当であると感じた際には、法律の専門家である弁護士に相談するなどの対策が必要です。
 

ファクタリングを利用するメリット

ファクタリングは上手に活用すると手元資金が足りない時などに資金調達できるため、事業者としても資金調達方法の1つとして持っておくことがおすすめです。売掛債権を支払期日よりも前の段階で現金化すれば、新しい事業などにも取り組みやすくなります。ファクタリングを利用するメリットについて把握しておけば、さらに効果的に活用できるでしょう。
 
ファクタリングを利用するメリットとしては、以下が挙げられます。
 

●ファクタリングをするにあたって自社の業績はあまり関係ない
 
●申し込みから現金化までがスピーディー
 
●売掛先企業の事業悪化や倒産リスクを回避できる
 
●決算においてバランスシート上の負債に当たらない

 
一般的な資金調達方法とはまったく異なる特徴を持っているため、利用する際のタイミングなどについては意識しなければなりません。タイミングを図る際に、メリットについて理解しておけば、判断するための基準についても明確になるでしょう。
 
ファクタリングを利用するメリットについて解説するので、利用する際には確認してみてください。
 

ファクタリングを利用するメリット1.ファクタリングを利用するに当たって自社の業績はあまり関係ない

ファクタリングを利用するに当たって自社の業績はあまり関係ないため、売上や決算が赤字でも利用できます。多くの企業は資金調達のために金融機関などに相談して、事業用資金の借り入れをおこなうのが基本といえるでしょう。ただし、融資を受ける場合、自社業績が大きく関係するので、自社業績が悪いと融資を受けられない可能性が高いです。
 
一方でファクタリングは売掛債権の売却による資金調達方法であり、売掛先企業の業績や信用が重要になります。このような理由から自社の業績がどれだけ悪くてもファクタリングを利用する上では関係なく、極端な話をすると倒産寸前でも利用可能です。金融機関などに融資の相談をして断られた際に、ファクタリングの利用を検討してみるのもよいでしょう。
 

ファクタリングを利用するメリット2.申し込みから現金化までがスピーディー

ファクタリングは申し込みから現金化までがスピーディーなので、今すぐでもまとまった資金が必要な事業者などでも安心です。売掛債権の売却がファクタリングでの資金調達であり、売掛先が期日までに問題なく支払いができるかが、審査内容になります。ファクタリングを依頼する企業によりますが、2社間ファクタリングならば依頼してから即日から数日程度で資金調達が可能です。
 
融資の場合、決算書や請求書などの各種資料を確認しながら進めるため、短くても数週間かかることがほとんどです。融資では本当に返済できるか、慎重に判断するので時間がかかりますが、それに比べてファクタリングは審査内容が厳しくありません。そのため、今すぐでも資金が必要な場合には、有効な資金調達方法といえます。
 

ファクタリングを利用するメリット3.売掛先企業の事業悪化や倒産リスクを回避できる

売掛債権は、実際に支払いを受け取れるまで数か月程度かかるケースも挙げられ、その間に事業悪化や倒産する可能性もあります。仮にファクタリングをしてから売掛債権期日までの間に倒産したとしても、ファクタリングで受け取ったお金は、ファクタリング会社に返却不要です。
 
理由として、ファクタリングした後の倒産リスクについては、ファクタリング会社が引き受けるため、特別な事情などがない限りは請求されません。
 
ファクタリングの際には売掛債権企業の経営状況などについてファクタリング会社が調査するので、仮に倒産した場合には十分な審査ができていなかったファクタリング会社の責任といえます。事業主が売掛債権を保有していて倒産すると売掛金の回収が難しいですが、ファクタリングを利用していると倒産リスクを回避することが可能です。
 

ファクタリングを利用するメリット4.決済においてバランスシート上の負債に当たらない

金融機関から融資を受けると決算においてバランスシート上の負債に当たりますが、ファクタリングは売掛債権を売却して現金化しているので負債が増えません。そのため、決算書の内容が赤字などにならないため、決算書内容についても綺麗にできます。バランスシートに負債がない状態だと、健全な経営を行っている印象を与えることができます。
 
他にも自己資本比率や総資産利益率などの改善にもつながるため、決算書をスリム化したいと考えている場合の方法としても有効です。決算書は金融機関から融資などを受ける際にも参考にされるので、バランスシートを含めた内容を整えておくのは必要といえます。
 

ファクタリングを利用するデメリット

ファクタリングは手元資金が足りないタイミングなどでは、有効な資金調達方法としてさまざまなメリットを持っていることが特徴です。しかし、メリットだけではなくデメリットも存在していますので、把握することで、思わぬ問題やトラブルの発生を防ぎましょう。
 
ファクタリングを利用するデメリットとしては、以下が挙げられます。
 

●ファクタリングには手数料がかかる
 
●調達できる資金は売掛債権の額面まで
 
●売掛先企業に知られると印象が悪くなる

 
すべての資金調達方法にはメリット・デメリットがあります。自分自身にとって大きなデメリットになるのか判断し、利用を検討してみてください。
 

ファクタリングを利用するデメリット1.ファクタリングには手数料がかかる

ファクタリングをするためには手数料がかかるため、売掛債権で本来受け取れる額面額よりは少なくなります。具体的な手数料については2社間ファクタリングでは8%から18%程度、3社間ファクタリングは2%から9%程度です。2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングの方が、ファクタリングの回収リスクが低いので手数料も低く設定されています。
 
細かい手数料については売掛債権企業の「支払期日までの期間」「売掛債権の額面」「売掛債権企業の信用度」を総合的に判断して決定されるのが基本です。金融機関などからの借り入れを始めとする他の資金調達方法と比較して、最終的なコストが高くなる可能性もあります。
 

ファクタリングを利用するデメリット2.調達できる資金は売掛債権の額面まで

ファクタリングは現在所有している売掛債権を売却して現金化することから、調達できる資金は売掛債権の額面までです。また、売掛債権の額面まで現金化できるかは審査しないとわからないため、場合によっては売却を断られたり、手数料が大きく取られたりして売掛債権の額面を大きく下回るかもしれません。
 
また、ファクタリングする際には売掛先企業の業績や信用が重要なポイントなので、売掛先企業の業績などが悪いと現金化ができないケースも考えられます。どれくらいまで現金化できるかや、具体的な手数料はファクタリング会社で異なるため、提示された条件に納得できないなら複数企業を比較するのも有効な方法です。
 

ファクタリングを利用するデメリット3.売掛先企業に知られると印象が悪くなる

2社間ファクタリングでは売掛先企業に知られる可能性はほとんどありませんが、3社間ファクタリングでは売掛先企業も含めて取引がおこなわれます。3社間ファクタリングの仕組みとして、売掛先企業にファクタリングしていることが知られてしまいます。そのため、売掛先企業にファクタリングを知られたくないなら、2社間ファクタリングを選択してください。
 
売掛先企業によってはファクタリングをしてもまったく気にしない可能性もありますが、利用していたという事実は知られてしまいます。仮にファクタリングをしていることが伝わって、資金繰りの調子が悪いと判断されれば、その後の取引について悪影響が発生する可能性も考えられます。
 
売掛先企業との取引がなくなると会社全体の売上も下がるため、置かれている状況に合わせてファクタリング方法を選択してください。
 

ファクタリングの手数料まとめ

ファクタリングをするためには手数料が必要になるため、金融機関からの融資などと比較すると最終的なコストが高くなる可能性も考えられます。しかし、他の資金調達方法と比較してスピーディーなので、今すぐ現金が必要な方にはおすすめです。現金化するに当たって自社の成績は関係なく、重要なのは売掛先企業の信用度なのもポイントとして挙げられます。
 
注意点としては資金調達方法としてはスピーディーですが、場合によっては取引先との関係性が悪くなる点です。自分自身が置かれている状況に合わせて、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングを使い分けてください。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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