更新日: 2024.04.02 その他ビジネス

個人事業主におすすめの銀行口座9選を徹底比較!【2024年7月版】

個人事業主におすすめの銀行口座9選を徹底比較!【2024年7月版】
個人事業主やフリーランスをはじめたばかりの方は、専用の口座を持っていなかったり、プライベートの個人口座をそのまま使っていたりする方もいるかもしれません。しかし、屋号の付いている口座にする方がメリットは多く、利便性も高いためおすすめです。

本記事では、おすすめの銀行口座を9つ厳選し、開設方法についても紹介します。これから新しく口座を開設しようとしている方も、ぜひ参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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個人事業主・フリーランスにおすすめの法人(事業用)銀行口座9選

個人事業主やフリーランスにおすすめの「法人(事業用)銀行口座」を9つ紹介します。

GMOあおぞら銀行 楽天銀行 PayPay銀行 住信SBIネット銀行 三菱UFJ銀行 みずほ銀行 三井住友銀行 りそな銀行 ゆうちょ銀行
分類 ネット銀行 ネット銀行 ネット銀行 ネット銀行 店舗型銀行 店舗型銀行 店舗型銀行 店舗型銀行 店舗型銀行
振込手数料 0円~145円 52円~275円 55円~330円 0円~145円 110円~660円 0円~660円 0円~330円 0円~605円 0円~165円
口座開設までの時間 1週間程度 最短2週間 最短当日~1週間程度 最短翌営業日 4週間程度 最短1週間 4週間程度 1週間程度 3週間程度
WEB完結
バーチャルオフィス
payeasy対応
日本政策金融公庫の振替
ネットバンキング 無料~ 月々3,300円~ 無料~ 月々3,300円~ 月々550円~
屋号付き口座
ビジネスローン あり あり あり あり あり あり あり
付属会計ソフト
リンク 公式サイトへ 公式サイトへ 公式サイトへ 公式サイトへ 公式サイトへ 公式サイトへ 公式サイトへ 公式サイトへ 公式サイトへ

ネット銀行4つと大手銀行(店舗型)5つです。それぞれの特徴を踏まえて、自分にぴったりの口座を開設しましょう。

1.GMOあおぞらネット銀行

「GMOあおぞらネット銀行」は、「あおぞら銀行」と「GMOフィナンシャルホールディングス」が共同出資して誕生したネット銀行です。

特に手数料が安い点や導入にあたっての初期費用や月額利用料が無料で好評な銀行です。

年会費無料・発行時の審査も不要の「Visaビジネスデビットカード」の発行も魅力的で常時最大1%のキャッシュバックがあります。事業を開業したばかりの個人事業主・フリーランスの方にも使いやすいカードとなります。

また、「つかいわけ口座」や「振込入金口座」の機能を使えば、目的別に資金管理することもできるなど、利便性が高いサービスを提供しています。
 

振込手数料 同行あて 無料
他銀行あて 145円
ATM手数料 入金 110円
出金 110円
口座開設までの時間 1週間程度
申し込みWEB完結
バーチャルオフィス
payeasy対応
(税金の支払いなど)

ネットバンキング
屋号付口座 ◯ (屋号のみ不可)
ビジネスローン あんしんワイド(法人対象)
付属会計ソフト freee 入出金管理
特典 Visaビジネスデビットカード

2.楽天銀行

2つ目は楽天グループが運営しているネット銀行の「楽天銀行」です。
「楽天銀行」はもともと個人口座を持っている方や楽天経済圏を利用している人におすすめです。

個人口座を持っておいた方が良い理由として、個人口座があれば「屋号付き口座」が開設できるためです。

特徴として、WEBで簡単に申し込みができるだけではなく、登録している口座30件までなら一括で振り込みができる機能や楽天銀行あての振り込みであれば1回52円と、非常に安価で決済できる機能などが備わっています。

振込手数料 同行あて 52円
他銀行あて 3万円未満 150円
3万円以上 229円
ATM手数料 入金 220〜275円
出金 220〜275円
口座開設までの時間 最短2週間
申し込みWEB完結
△ (郵送物あり)
バーチャルオフィス
△ (追加書類必要)
payeasy対応
(税金の支払いなど)

ネットバンキング
屋号付口座
◯ (屋号のみ不可)
ビジネスローン 楽天銀行ビジネスローン
付属会計ソフト クラウド円簿
特典 JCBビジネスデビットカード
ハッピープログラム対象

3.PayPay銀行

3つ目は2021年に「ジャパンネット銀行」が社名変更してできた、ネット銀行の「PayPay銀行」です。

スマホで簡単に「屋号付き個人口座」開設ができ、365日、24時間取引が可能です。

振込手数料が55~165円で相場よりも安くすみます。送金が多い個人事業主におすすめで、余計な経費をかけずに済むでしょう。

また、審査不要でカード決済が使えるようになる点も大きなメリットです。Visaデビット機能が付いているおかげで手間のかかる手続きや審査なしですぐにカード決済が可能です。

振込手数料 同行あて 55円
他銀行あて 160円
ATM手数料 入金 3万円未満 0円
3万円以上 165~330円
出金 3万円未満 0円
3万円以上 165~330円
口座開設までの時間 最短当日~1週間程度
申し込みWEB完結
△ (郵送物あり)
バーチャルオフィス
✕ 
payeasy対応
(税金の支払いなど)

ネットバンキング
屋号付口座 ◯ (屋号のみ不可)
ビジネスローン PayPay銀行ビジネスローン
付属会計ソフト なし
特典 Visaビジネスデビットカード

4.住信SBIネット銀行

「住信SBIネット銀行」の法人口座の開設はWEBで完結し、約1週間で開設できます。

インターネットバンキングを利用することで、振込手数料やATM手数料を大幅に節約可能です。例えば、同行あての振込手数料は無料、他行あての振込手数料は振込件数に応じて最安130円(税込)になります。

スマプロランク制度により、ATM利用手数料が月2回から最大20回まで無料です。デビット機能付きキャッシュカードの発行や、オンラインでの事業性融資「dayta」による資金調達支援も充実しています​

振込手数料 同行あて 無料
他銀行あて 130~145円
ATM手数料 入金 110円
出金 110円
口座開設までの時間 1週間程度
申し込みWEB完結
バーチャルオフィス
payeasy対応
(税金の支払いなど)

ネットバンキング
屋号付口座
ビジネスローン dayta(デイタ)
付属会計ソフト なし
特典 Masterビジネスデビットカード

5.三菱UFJ銀行

5つ目は大手メガバンクの1つである「三菱UFJ銀行」です。

個人事業主やフリーランスの「法人(事業用)口座」開設は窓口のみで取り扱っているため、必要書類(身分証や屋号付ききでの営業事実確認書類)を持って申し込みにいきます。

「三菱UFJ銀行」は、「ビジネスマッチング」というサービスを展開しており、同銀行を利用している顧客を引き合わせるマッチングサービスを提供しています。ビジネスチャンスを生み出すきっかけになったり、ビジネスについて相談する機会が設けられたりと、頼もしい味方となってくれる可能性があります。

振込手数料
Biz STATION Light
同行あて 3万円未満 110円
3万円以上 330円
他銀行あて 3万円未満 484円
3万円以上 660円
口座開設までの時間 4週間程度
申し込みWEB完結
✕ (個人事業主の場合店頭のみ)
バーチャルオフィス
payeasy対応
(税金の支払いなど)

ネットバンキング
無料~
屋号付口座 ◯ (屋号のみ不可)
ビジネスローン Biz LENDING
付属会計ソフト なし
特典 VISAビジネスデビットカード
ビジネスサービス「MUFG Biz」

 

6.みずほ銀行

6つ目の銀行は「みずほ銀行」です。メガバンクなので全国どこでも開設はできますが、どちらかというと特に関東エリアで利用者が多い傾向がある銀行です。

信頼度の高い「みずほ銀行」ですが、「屋号付き口座」を開設する場合、指定の店舗にいく必要があります。「法人(事業用)口座」の開設ができる店舗とできない店舗があるためあらかじめ確認が必要です。

また、口座開設の目的や理由などを聞かれることがあります。簡単なヒアリングをクリアできれば口座開設の手続きに進める流れです。

振込手数料
みずほビジネスWEB
同行あて 無料
他銀行あて 3万円未満 490円
3万円以上 660円
口座開設までの時間 最短1週間
申し込みWEB完結
△ (屋号付き口座の場合店頭のみ)
バーチャルオフィス
payeasy対応
(税金の支払いなど)

ネットバンキング
月々3,300円~
屋号付口座 ◯ (屋号のみ不可)
ビジネスローン なし
付属会計ソフト みずほERP
月額5500円(最大2ヶ月無料)
特典 VISAみずほビジネスデビット
会員サービス「M’s Salon

 

7.三井住友銀行

「三井住友銀行」も大手メガバンクの1つです。全国に支店があり安心して開設ができます。

個人事業主が「屋号付き個人口座」を開設する場合、ネットでの手続きはできないため窓口にいく必要があります。開業届など必要書類を持って、来店予約を取りましょう。

開設後、インターネットバンキングの「SMBCダイレクト」を利用すれば振込手数料が0円になります。窓口にいかずとも振り込みができるようになるため積極的に利用しましょう。

振込手数料
Web21<ライト>
同行あて 無料
他銀行あて 3万円未満 165円
3万円以上 330円
口座開設までの時間 4週間程度
申し込みWEB完結
✕ (個人事業主の場合店頭のみ)
バーチャルオフィス
payeasy対応
(税金の支払いなど)

ネットバンキング
無料~
屋号付口座 ◯ (屋号のみ不可)
ビジネスローン 個人事業主向けなし
付属会計ソフト なし
特典 ビジネスマッチングサービス「Biz-Create
キャッシュレス決済 「
Square」利便性向上

 

8.りそな銀行

「りそな銀行」は大阪府大阪市中央区に本社を構える大手銀行です。

本社のある関西はもちろん、多くのエリアで地域密着型の営業基盤を築いています。特に小規模・中規模を中心としたビジネス展開をしている会社に多く利用されており、事業をはじめたばかりの個人事業主やフリーランスにも丁寧にサポートしてくれるでしょう。

屋号付き個人口座の開設は、既存の個人口座を持っている人のみ可能で、「りそなビジネスダイレクト口座」を開設する必要があります。また、個人事業主として口座を開設するためには、店頭にて口座開設となります。

多くのメガバンクでは屋号と個人事業主名をセットで記載する必要がありますが、「りそな銀行」の場合、屋号のみで作成することもできます。

振込手数料
ビジネスダイレクト(Mini)
同行あて 無料
他銀行あて 605 円
口座開設までの時間 1週間程度
申し込みWEB完結
✕ (個人事業主の場合店頭のみ)
バーチャルオフィス
payeasy対応
(税金の支払いなど)

ネットバンキング
月々3,300円~
屋号付口座 ◎ (屋号のみ可)
ビジネスローン Speed on!
付属会計ソフト なし
特典 りそなビジネスデビットカード
月々1,100円~(初年度1年間無料)

 

9.ゆうちょ銀行

株式会社ゆうちょ銀行が提供している「ゆうちょ銀行」は個人事業主でも「屋号のみの個人口座」の開設が可能です。
ただし、「ゆうちょ銀行」の場合は、預金の上限が決まっているため注意が必要です。詳しい上限額は次のとおりです。

・通常貯金(通常貯蓄貯金を含む)=1300万円まで
・定期性貯金(定額貯金各種・定期貯金各種)=1300万円まで
・振替貯金口座 = 預入限度額なし

また、「既に事業を営んでいる個人事業主・フリーランスでなければ手続きできない」など対象条件もあるため事前にチェックしてから来店しましょう。

振込手数料
ゆうちょダイレクト
同行あて 月5回まで:無料
月6回目以降:100円
他銀行あて 165円
口座開設までの時間 3週間程度
申し込みWEB完結
✕ 
バーチャルオフィス
payeasy対応
(税金の支払いなど)

△ (労働保険には非対応)
ネットバンキング
550円~
屋号付口座
ビジネスローン なし
付属会計ソフト なし
特典 スマホ決済サービスゆうちょPay

個人事業主・フリーランスは法人(事業用)銀行口座を持った方が良い?

個人事業主やフリーランスとして事業をしている、もしくはこれからはじめようと思っている方は「法人(事業用)銀行口座」を持つことをおすすめします。
なぜなら、確定申告の際や税務調査を受けた際に対応しやすくなると同時に、事業の財務状況が把握しやすくなります。

また、ほとんどのケースで個人口座は「プライベートの生活口座」として使うことが多いです。その場合、プライベートの入出金とビジネスにおける入出金が混ざってしまい、経費の見分けなどもつかなくなってしまいます。

個人事業主もしくはフリーランスとして活動をはじめるタイミングやなるべく早い時期に専用の口座を設けるようにしましょう。ただし、個人事業主として「屋号付き個人口座」を開ける銀行は限られている場合があります。

事前に確認してスムーズに開設しましょう。

個人事業主・フリーランスが法人(事業用)銀行口座を選ぶポイント3つ

個人事業主やフリーランスが「法人(事業用)銀行口座」を選ぶポイントは3つあります。

・手数料の低さ
・会計ソフトとの連携
・屋号付きで開設できるか

使いやすさや手数料の安さはもちろんですが、事業にとって相乗効果がもたらされるものであればより良いといえます。

ポイント1:手数料の低さ

1つ目は、振込手数料の低さです。手数料は銀行によって異なり、送金回数が多い方の場合その分手数料が高額になってしまいます。1回分の手数料は数百円と安価かもしれませんが、回数が増えればその分まとまった金額になってしまいます。

もしプライベートの銀行をそのまま使った場合、地方銀行やマイナーな銀行であると手数料が余計にかかってしまう可能性があります。多くの銀行は同行であれば手数料が無料になるケースが多いです。

メガバンクや最近ユーザー数が多い有名なネットバンクを選べば、取引先との同行の可能性があがるでしょう。

ポイント2:会計ソフトとの連携

2つ目は、自分が使用している会計ソフトと連携できるか、という点です。会計ソフトと口座の連携は欠かせないもので、連携しておくだけで会計処理が一気に楽になります。

入力ミスが防げるだけではなく、チェックの手間も省けるため確定申告など、まとめて報告をする際の時間短縮につながります。自分の会計ソフトと連携できるかは、銀行口座の公式サイトからも、会計ソフトの公式サイトからも調べることができます。

「弥生会計」や「freee」のようにシェアの高いソフトであればある程度網羅できていることが多いです。
GMOあおぞら銀行の法人口座であれば、開設すると「freee」が無料で利用できるため、まだ会計ソフトをもっていない方には、おすすめです。

ポイント3:屋号付きで開設できるか

3つ目は屋号付きの口座を開設できるか、という点です。銀行によっては屋号を付けない「個人名のみ」もしくは「法人(事業用)銀行口座」しか作れないところもあります。

また、「屋号付き個人口座」を作るために、個人口座を持っていることが条件になるというケースもあります。もともと同銀行で個人口座を持っていれば問題ありませんが、わざわざ個人口座を開設するところからはじめるのは手間になります。必ず事前にチェックしておくと良いでしょう。

法人(事業用)銀行口座が作れる金融機関の種類

法人(事業用)銀行口座が作れる銀行は大きく分けて5種類の銀行に分かれています。どの銀行にするか選ぶ際に、各金融機関の特徴を理解しておくと良いでしょう。

1:都市銀行

都市銀行は、「メガバンク」とも呼ばれ、全国に支店がある点が特徴です。提携しているATMも多く、どこに住んでいても窓口にいくことができます。

また、認知度・信頼度も高いため、取引先からも安心されやすいでしょう。銀行によっては経営についての相談に乗ってもらったり、資金繰りについてもアドバイスをもらえたりします。

ただし、「屋号付き個人口座」を開設する場合は、審査に必要なヒアリングなどが実施されるケースもあるため、しっかりと証拠となる証憑を用意する必要があります。

2:ネット銀行

ネット銀行は、実店舗がなくネット上で手軽に口座開設ができます。審査までの時間も短いことが多く、スマホやアプリで簡単に申請ができます。

振込手数料が低い点や、24時間365日対応可能な点も使い勝手が良いため、はじめて屋号付き口座を開設する方にもおすすめです。

ただ、質問・相談をしながら進めたい方や資金繰りの相談などは直接できないので、もしそうした希望がある方であれば注意が必要です。また、ネットに接続していなければ情報を確認することができず、不正ログイン・不正使用などのセキュリティ対策にも気を配る必要があります。

3:ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行は、郵便局などに併設した実店舗を構えているため、相談・質問しながら手続きを進めたい方に適しています。また実店舗がある銀行の中でも振込にかかる手数料が低い点も特徴的で、送金回数が多い事業主にぴったりの銀行です。

審査にも比較的通りやすいという利点がありますが、預金額に上限があるなど、制限もあるため、事前にチェックしておきましょう。

4:信用金庫

信用金庫とは、地域の方々が利用者となり、地域活性化を図るために助け合うことを目的とした「協同組織の金融機関」です。地域性が高いため、エリアに根付いた事業を行う場合や、特定のエリアで特に活動が多いフリーランスの方に適しています。

開設するハードルは比較的低く、審査に通りやすいため事業をはじめたての個人事業主・フリーランスにおすすめです。

5:地方銀行

地方銀行は、信用金庫と同じく地方密着の事業を行う場合に適した銀行です。もし特定のエリアに取引先が多い場合、同行としてあわせやすくなります。

地方銀行の良さは、地域の情報に長けている点です。ビジネスにおける情報を引き出せたり、有力な会社やお金の動きがある事業について情報を集めたりできる可能性があります。

また、地方にあわせた細やかなサービスを提供している場合も多く、資金繰りの相談やアドバイスにものってもらいやすい可能性があります。

個人事業主・フリーランスが法人(事業用)銀行口座を開設するメリット

個人事業主やフリーランスが法人(事業用)銀行口座を開設すると、次の5つのメリットが得られます。

1.経理処理が楽になる
2.お金の動きが把握しやすくなる
3.クライアントから信頼されやすい
4.突然の税務調査に慌てずに済む
5.従業員を雇った場合の給与振込口座としても使える

1.経理処理が楽になる

1つ目のメリットは、「経理処理が楽になる」点です。毎年2月~3月は個人事業主やフリーランスを苦しめることが多い「確定申告」の時期です。

1年分の領収書を集めて税理士に相談したり、自分で経理処理をしながら申告書を作成したりしなければなりません。そうした場合でも、「法人(事業用)銀行口座」を会計ソフトに連携させるだけで、数字の整理がしやすくなります。

また、経理処理の漏れやミスも発見しやすくなるため、「法人(事業用)銀行口座」がない状態と比べると格段に経理処理スピードがあがるでしょう。

2.お金の動きが把握しやすくなる

2つ目のメリットは、「お金の動きが可視化できる」点です。個人口座と混ぜず、「法人(事業用)銀行口座」を開設することで事業のお金の動きに絞って注視することができ、月別や事業別で赤字・黒字の判断をつけやすくなります。

経費の確認や清算を行う場合でも、「法人(事業用)銀行口座」があるだけでスムーズに確認できるようになるでしょう。

3.クライアントから安心されやすい

3つ目のメリットは、「屋号付き個人口座」を作ることで、新しいクライアントから信頼や安心を得やすくなる点です。「屋号付き個人口座」を開設するためには開業届けをはじめとするさまざまな公的書類の提出が必要です。

事業が公的機関に認められていることが証明されやすくなるため、安心してもらいやすくなるのです。また、個人事業主やフリーランスの中には、企業を相手にするビジネスだけではなく、一般の人を相手にするビジネスを展開する人もいます。

その場合、個人名の口座に振り込むのは抵抗があるという方も多いです。企業が相手だとしても、個人口座に振り込み依頼をした場合「まだ事業をはじめたばかりなのかな」と思わせてしまう可能性があります。

さらに、WEBライターのような活動をしている人であれば、ライター名と本名で作った個人口座の名義が異なることもあります。本名を明かすのは抵抗があるという場合でも、屋号が付いた口座を持っていることでそうした抵抗感を失くすことができます。

4.突然の税務調査に慌てずに済む

4つ目のメリットは、税務署からの突然の調査があった場合でも、落ち着いて対処できる点です。口座を分けずにいると税務署員にプライベートな入出金まですべて見られてしまうだけではなく、求められている項目を探すのに時間がかかってしまい、不要に慌ててしまう可能性があります。

何がどこに記載されているか、日頃から把握しておき、「法人(事業用)銀行口座」として分けておくことで、そうした事態にも慌てず対応しやすくなるでしょう。

5.従業員を雇った場合の給与振込口座としても使える

5つ目のメリットは従業員を雇った場合の給与振込口座としても使えるという点です。開業したばかりの個人事業主の場合、あまりイメージできないかもしれませんが、この先ずっと1人で事業を続けていくとは限りません。

今後従業員を雇うこともあるかもしれません。もしくは、最初からアルバイトを雇う事業の場合もあります。

こうしたケースでは、従業員に個人口座から給料を支払うわけにはいきません。人件費として経費計上するためにも、屋号付き個人口座を持っておく方が良いでしょう。

個人事業主・フリーランスが法人(事業用)銀行口座を開設するデメリット

個人事業主やフリーランスが「法人(事業用)銀行口座」を開設した場合のデメリットは少なく、取り立てて大きな損失はありません。しかし、念のため次の3点について事前にチェックしておきましょう。

1.口座を開設する手続きが必要
2.開設できる口座が限定される
3.開業届けを先に提出しておく必要がある

1.口座を開設する手続きが必要

1つ目の注意点は、口座を開設する手続きがどうしても必要になる点です。日頃から忙しく、「特に困っていないから」と口座開設を後回しにして事業をスタートさせた方は「いつまでも個人口座のまま」というケースが見られます。

メガバンクやゆうちょ銀行などは来店し、窓口でしか開設手続きができない場合もあります。多忙な個人事業主・フリーランスにとって時間や手間がかかる口座開設は面倒に感じるかもしれません、しかし、これまで紹介したように「屋号付き個人口座」を開設しておくことでメリットも多いため、どこからでも開設できるネット銀行などを駆使しながら対応するのがおすすめです。

2.開設できる銀行が限定される

2つ目の注意点は、開設できる銀行は限定されており、どこでもできるわけではない点です。もともと個人口座を開設している銀行で「法人(事業用)銀行口座」を開設しようと思っていても、できないケースがあります。

ネット銀行の中でも「SBI新生銀行」や「ソニー銀行」などは個人事業主の屋号付き口座の開設ができません。あらかじめ開設できる銀行をチェックしておく必要があります。

3.開業届けを先に提出しておく必要がある

3つ目の注意点は、口座開設の際に開業届の提出が求められる場合が多く、先に提出しておく必要がある点です。「開業届け」は、本来事業を開始してから1ヶ月以内に提出するものです。

もし、開業届けをまだ出していない場合は、書類を準備して税務署に提出しにいきましょう。書類は国税庁のサイトに専用の書類が掲載されています。プリントアウトして持参・郵送するか、「e-tax」でも簡単に申請できます。

法人(事業用)銀行口座を開設する流れ

「法人(事業用)銀行口座を開設したい」と思ったら、次のステップを踏む必要があります。来店する場合と、ネットで申し込む場合のそれぞれについて説明します。

来店して口座開設する場合

来店して開設する場合は、必要な書類を持って近くの支店を探します。家や事業所から近いところにしておくことで、普段からも通いやすくなります。

  • 法人(事業用)銀行口座開設に必要な書類を用意する
  • 近くの支店にいく
  • 窓口で必要書類を提出し、開設の申し込みをする
  • 口座開設の目的や用途についてヒアリングを受ける
  • 金融機関の審査を受ける
  • 後日郵送で通知が届く
  • 開設手続きを行い完了

審査は銀行によって異なりますが、最短1週間から、1ヶ月くらいかかることもあります。「法人(事業用)クレジットカード」を作りたいなら、口座開設後、続けて対応するようにしましょう。

ネットから口座開設する場合

パソコンやスマホから口座を開設する場合、書類の写真を撮影してアップロードしていく必要があります。枠内におさめることはもちろん、文字がハッキリ読めるように手ブレやカメラの汚れには気を付けましょう。

  • 「法人銀行口座」開設に必要な書類を用意する
  • サイトにて開設に必要な書類をアップロードし申し込み
  • WEB面談によるヒアリングを受ける
    (ヒアリングの有無は銀行による)
  • 金融機関の審査を受ける
  • 後日郵送で通知が届く
  • 開設手続きを行い完了

サイトではなくアプリで手続きできる銀行もあります。ネットから口座開設できるタイプの方が手続きが簡潔な場合が多いです。

法人(事業用)銀行口座を開設する際に必要な書類

「法人(事業用)銀行口座」を開設する際に必要な書類の一例は次のとおりです。

必要書類 概要
本人確認書類 免許証やマイナンバーカード、住民票など
開業届・納税証明書 事業を行っているという証明になる書類
印鑑 銀行印とは別に専用のものを用意すると良い
印鑑証明書 発行から3ヶ月以内のもの
確定申告書 財務状況を確認できる書類
ホームページや納品書 事業内容について詳しく確認できる書類
許可証 特別な許可が必要な事業を運営している場合に限る

筆者作成

開設する銀行によって求められる書類量はバラバラですが、すべて揃えておけば問題なく審査に提出することができるでしょう。

基本的には、「事業の実態があるのか」という確認や財務状況の確認がメインとなります。プライベートの口座を開設するよりも必要な書類が多く、銀行から確認されることも増えるため、すぐに回答できる書類を手元に準備しておくと良いでしょう。

個人事業主・フリーランスにおすすめ法人(事業用)銀行口座まとめ

「個人事業主」や「フリーランス」は、事業開始のタイミングで専用の「法人(事業用)銀行口座」を開設しましょう。今回おすすめしたメガバンク・ネット銀行はすべて「屋号付きの個人口座」を開設することができます。

手続きはネットやアプリから気軽にできるものもありますので、多忙な事業主はそうした手法も視野に入れて検討してみてください。窓口で相談しながら進めたい方や、事業を進めるにあたって資金繰りなどの相談をしたい方は実店舗がある銀行を選ぶと良いでしょう。

経費ソフトと連携しながらお金の管理ができる専用口座を作ることで、事業の大きな支えとなります。まだ開設していない方は後回しにせず、さっそく手続きをしてみましょう。

出典

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