4月から社会人になり一人暮らしを始める娘。初任給が「手取り月15万円」だそうですが、仕送りなしでも生活できるのでしょうか？

子どもが社会人になるのを機に一人暮らしを始める場合、給料だけで生活できるのか、親として心配になることもあるでしょう。
 
特に、初めての一人暮らしだと月々どのくらい費用がかかるのか分からない部分も多いため、初任給の金額によっては生活に不安が出るかもしれません。
 
本記事では、一人暮らしにかかる生活費の平均をご紹介します。また、仕送りなしでも生活できるかどうかを確認するとともに、一人暮らしでできる節約術についてもまとめています。

一人暮らしにかかる生活費の平均

総務省統計局の「2024年家計調査（家計収支編）」によると、単身世帯34歳以下における1ヶ月の平均消費支出は17万6160円です。内訳は表1のようになっています。
 
表1

	1ヶ月あたりの支出
食料	4万305円
住居	3万9618円
光熱・水道	9005円
家具・家事用品	4512円
被服及び履物	7693円
保健医療	8252円
交通・通信	1万9335円
教養娯楽	2万4112円
その他の消費支出	2万3329円

出典：総務省統計局「2024年家計調査（家計収支編）単身世帯 詳細結果表」を基に筆者作成
 
ただし、家賃は物件を探すエリアによっても相場は異なります。通勤のしやすさを重視して駅近の物件を選ぶ場合などは、住居費は平均より高くなる可能性があります。
 

仕送りなしでも生活できる？

今回の事例では「初任給が手取り15万円の娘が一人暮らしをするが、仕送りは必要か？」ということですが、上記の調査では月17万6160円の生活費がかかることになるため、2万6000円ほど不足する計算になります。
 
教養娯楽費など、生活に必ず必要ではないと考えられる費用を節約することで15万円でおさえられる可能性はあります。しかし、娯楽に使えるお金がない状態での生活は、ストレスを感じやすい新社会人にとっては厳しいことかもしれません。
 
さらに、上記の調査で男女別にみた場合、女性34歳以下の単身世帯における1ヶ月の生活費の平均は21万4719円なので、この金額と同じくらいの生活費がかかると考えると、手取り15万円では6万円以上不足する可能性があります。
 
親が仕送りをするかどうかは家庭ごとの判断によりますが、ある程度生活に慣れてくるまで仕送りをするなどの方法もあるため、子どもとよく話し合って決めるといいでしょう。
 

一人暮らしでできる節約術

仕送りがなくても生活できるようにするためには、子ども自身が節約を心がける必要があります。また、給料がすべて生活費に消えてしまうと貯金ができないでしょう。一人暮らしでできる節約術には以下のようなものがあるので、参考にするといいでしょう。
 

【食費】

・1週間の食費の予算を決める
・買い物の回数を減らす
・できるだけ自炊をして外食を減らす
・買い物メモを作成してから買い物に行く
・コンビニよりスーパーを利用する

 

【水道光熱費】

・節水シャワーヘッドに変更する
・電力会社やガス会社を見直す

 

【その他】

・家計簿をつける
・格安スマホに乗り換える

 
慣れない仕事をしながらの節約生活は大変かもしれませんが、無理なくできることから始めてみることをおすすめします。
 

手取り15万円だと平均的な生活費より少ないので仕送りが必要な可能性がある

社会人になり一人暮らしを始める子どもに仕送りをするべきか迷われる親御さんもいるでしょう。一人暮らしの1ヶ月あたりの消費支出は17万6160円なので、平均的な生活を送るには手取り15万円だと不足すると考えられます。
 
娯楽費を削ったり自炊を増やしたりすることで仕送りなしでも生活できる可能性はありますが、自由に使えるお金がほとんどなくなるとストレスを感じやすくなるかもしれません。子どもともよく話し合って仕送りが必要かどうか決めるといいでしょう。
 

出典

総務省統計局 2024年家計調査（家計収支編）単身世帯 詳細結果表（第2表）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー