70代の両親との同居を考えています。家族同士で暮らすのに「生活費として毎月5万円を入れて」とお願いするのはおかしいでしょうか?
大切なのは、「親だから5万円」と先に金額を決めるのではなく、実際にどの費用が増えるのかを確認することです。両親の年金収入も踏まえ、家族全員が納得できる負担額を決めましょう。
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同居する親から生活費を受け取ること自体はおかしくない
同居を始めると、住宅費が変わらなくても日々の支出は増えます。
食事を一緒にするなら食費が増えますし、お風呂や洗濯の回数が増えれば水道・ガス・電気の使用量も変わります。トイレットペーパーや洗剤などの日用品費もかかります。そのため、両親に「毎月一定額を家計に入れてほしい」と相談すること自体は、決しておかしなことではありません。
ただし、両親2人から5万円を受け取ることが高いか安いかは、金額だけでは判断できません。同居後の暮らし方や、実際にどの程度支出が増えるかによって変わります。
負担額を決めるときは、両親が別に暮らしていたときの生活費全体ではなく、同居によって実際に増える費用を考えることが重要です。食費や水道光熱費、日用品費などは増えやすい一方、住宅費や通信回線など、人数が増えても大きく変わらない費用もあります。
「5万円」という数字を先に基準にするのではなく、同居によって増える費用に見合っているかを考えましょう。
食費・光熱費など何に使う5万円なのかを決めておく
家族間で生活費を決めるときは、「何となく毎月5万円」と金額だけを決めてしまうと、後から「どこまで5万円に含めるのか」で認識が食い違うことがあります。
食費や光熱費だけを5万円に含めるつもりだったのに、病院へ行く際のタクシー代や家族での外食代までそこから出すことになれば、「それは別に負担してもらうつもりだった」と不満につながる可能性があります。
同居前に、5万円で何を負担するのか決めておくとよいでしょう。
たとえば食費、水道光熱費、共用の日用品は家計から支払い、両親自身の携帯料金、衣服、医療費、趣味の費用は各自で払うという分け方です。
介護サービスを利用するようになった場合の費用も、将来的には別途考える必要があります。
また、両親の収入も確認しておきましょう。
厚生労働省の2025年国民生活基礎調査では、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯の41.3%で、総所得の全てをこれらの収入が占めていました。
年金収入が十分にあるなら月5万円を負担しても生活に余裕が残るかもしれません。一方、年金が少なく医療費も多い場合は、5万円が大きな負担になる可能性があります。
最初は仮の金額で始め、数か月の実際の家計を見て見直す方法もあります。同居は長く続く可能性があるため、最初から完璧な金額を決めるより、定期的に調整できるルールにしておくほうが現実的です。
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実際の生活費に使うお金なら贈与税を過度に心配する必要はない
「親から毎月5万円を受け取ったら贈与になるのでは」と心配する人もいるでしょう。
親子は税法上の扶養義務者に当たり、国税庁は、扶養義務者から受け取る通常必要と認められる生活費について、必要な都度、直接生活費に充てる場合は贈与税がかからないとしています。
また、今回のように同居して共同生活にかかる費用を実費として分担するのであれば、単純に財産を無償で渡す贈与とは性格が異なります。
たとえば両親から受け取った5万円を食費や光熱費など共同生活の費用へ充てる形なら、生活費の分担であることも分かりやすいでしょう。
一方、「生活費」という名目で必要額を大きく超えるお金を受け取り、使わずに自分名義の預金として積み上げる場合などは事情が変わります。
国税庁も、生活費として受け取ったお金を預金や投資に回した場合には、贈与税がかかるとしています。家族内でも、何のためのお金なのかが分かるようにしておくと安心です。
まとめ
70代の両親との同居で、生活費として毎月5万円をお願いすること自体はおかしくありません。同居すれば食費、水道光熱費、日用品などの支出が増えるため、無理のない範囲で家族が負担を分けるのは自然な考え方です。
ただし、「5万円が相場だから」と決めるのではなく、実際にどの程度家計が増えるのか、両親の年金から無理なく払えるのかを確認しましょう。
また、5万円に含む費用を事前に決めておけば、「これも生活費に含まれると思っていた」という行き違いを防げます。
最初の数か月は仮の金額で始め、実際の食費や光熱費を見て調整する方法もあります。家族だから無料、家族だから必ず負担、という両極端で考えず、お互いが納得できる形で家計を共有することが、同居を長く続けるためにも大切です。
出典
厚生労働省 2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
