ダブルワークで収入を増やそうと思っていますが、働き方によっては「働き損」になると聞きました。ダブルワークで働き損にならない年収のラインを教えてください。
そのためには、どのような場合に「働き損」と感じやすいのかを知り、自分に合った働き方を考える必要があります。そこで本記事では、ダブルワークで働き損にならないために知っておきたい年収のラインや、収入を増やす際の考え方について解説します。
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ダブルワークで「働き損」が起こる理由
年収が増えて税金がかかるようになっても、増えた収入のすべてが税金として差し引かれるわけではありません。そのため、所得税だけが原因で大幅な「働き損」になるケースは基本的に少ないといえます。
一方で、注意が必要なのが社会保険です。配偶者などの社会保険の扶養に入っている人が一定の条件を超えると、自分で健康保険料や年金保険料を負担しなければなりません。その結果、年収は増えたのに、一時的に手取りが減ることがあります。
また、2026年分については、給与収入のみでほかに所得がない場合、所得税がかからない目安は年収178万円となります。これは、給与所得控除74万円と基礎控除104万円を合計したものです。
ただし、住民税は所得税とは異なる基準で計算されるため、「年収178万円まで税金が一切かからない」という意味ではありません。ダブルワークで収入を増やす際は、所得税だけでなく、住民税や社会保険料も含めて手取り額を見ておくことが大切です。
扶養内でダブルワークをする際に意識する年収のライン
配偶者の社会保険の扶養に入っている人にとって、大きな基準となるのが「130万円の壁」です。原則として年収130万円以上になると扶養から外れ、自分で社会保険に加入する必要があります。
ただし、ダブルワークでは「合計年収が130万円未満なら必ず大丈夫」とはかぎりません。勤務先で一定の条件を満たすと、130万円に達する前でも社会保険の加入対象になる場合があります。
2026年9月時点では、従業員51人以上の勤務先で、週20時間以上働くなど一定の条件を満たすと、年収約106万円を目安に勤務先の健康保険・厚生年金へ加入します。
さらに2026年10月には月額8万8000円以上という賃金要件が撤廃される予定です。それ以降は、対象となる勤務先では「年収106万円」という金額よりも「週20時間以上働くか」が重要になります。
また、ダブルワークの場合、社会保険の加入条件は原則として勤務先ごとに判定されます。例えばA社で週12時間、B社で週12時間働いていても、両方を合計して24時間として社会保険の加入条件を判定するわけではありません。扶養内で働く場合は、年収だけでなく、それぞれの勤務先での労働時間や加入条件にも目を向けることが大切です。
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ダブルワークで収入を増やす際の注意点
社会保険の壁を超えて働く場合は、壁の直前で収入を抑えるよりも、ある程度しっかり収入を増やしたほうが手取りを増やしやすくなります。
勤務先の健康保険・厚生年金に加入すると、保険料の負担によって一時的に手取りが減る場合があります。厚生労働省 佐賀労働局の試算では、年収106万円付近で社会保険に加入した場合、年収を125万円程度まで増やすと、加入前とほぼ同じ手取り水準まで回復するとされています。
一方、130万円の壁を超えて国民健康保険と国民年金加入すると、新たに保険料を負担することになるため、手取りが一時的に減ることがあります。その後、収入を増やせば手取りも増えていきますが、どの程度の年収で負担増を補えるかは、保険料や所得などによって異なります。そのため、具体的な金額を一律の目安として示すのは難しいといえるでしょう。
なお、実際の保険料は加入する制度や条件によって異なります。健康保険料は加入先、国民健康保険料は自治体、介護保険料は年齢などによって変わるためです。
また、勤務先の社会保険に加入する場合は、保険料を会社と分担できるほか、将来受け取る厚生年金が増えるなどのメリットもあります。そのため、目先の手取り額だけでなく、将来の保障も含めて検討することが大切です。
また、2ヶ所から給与を受け取る場合、原則として主な勤務先以外では年末調整を受けられません。年末調整されていない給与などが一定額を超えると確定申告が必要になるため、源泉徴収票は紛失しないよう保管しておきましょう。
ダブルワークは年収だけでなく勤務時間と社会保険の条件で判断しよう
ダブルワークで働き損を避けるには、年収だけでなく、勤務時間や社会保険の加入条件も確認することが大切です。
扶養内で働く場合は年収130万円未満が一つの目安ですが、勤務先によってはそれより前に社会保険へ加入する場合があります。一方、収入を増やすために壁を超えて働く場合は、税金や保険料を差し引いた手取り額を事前に把握しておくと安心です。自分の働き方に合った収入の増やし方を考え、無理のない範囲でダブルワークを始めましょう。
出典
国税庁 No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか
厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 従業員のみなさま 社会保険加入の要件
厚生労働省 佐賀労働局 職業対策課 「106万円の年収の壁」に対応! 2021年4月1日 キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
