職場の同僚が産休に入りました。こちらの業務量は増えるのに給料は変わらず、一方で休む側には給付金が支給されますよね。制度として必要なのは分かりますが、不公平ではないでしょうか?

配信日:
この記事は約 4 分で読めます。
職場の同僚が産休に入りました。こちらの業務量は増えるのに給料は変わらず、一方で休む側には給付金が支給されますよね。制度として必要なのは分かりますが、不公平ではないでしょうか?
職場の同僚が産休に入ると、残された社員が仕事を引き継ぐケースがあります。業務量が増えても給料が変わらない一方、産休中の同僚には給付金が支給されるため、不公平だと感じる人もいるでしょう。
 
産休は出産する人を支える大切な制度ですが、業務を引き継ぐ側の負担も無視できません。そこで本記事では、産休中に支給される給付金の仕組みや、業務負担が増えた社員への待遇について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

産休中の同僚にはどのような給付金が支給される?

産休中の社員は、一定の条件を満たすと、健康保険から「出産手当金」を受け取れます。出産手当金とは、出産のために仕事を休み、給与が支払われない場合などに支給される給付金です。
 
支給対象となるのは、原則として出産予定日以前の42日間から出産翌日以降の56日間までですが、出産が予定日より遅れた場合は遅れた日数も対象に含まれます。支給額は原則として、支給開始前12ヶ月間の標準報酬月額の平均を30で割り、その金額に3分の2を掛けて計算する仕組みです。
 
標準報酬月額とは、社会保険料などを計算する際に使われる給与の基準額を指します。例えば、標準報酬月額の平均が30万円の場合、1日当たりの支給額は約6667円となります。
 
産休が終わり、引き続き育児休業を取得する場合には、雇用保険の「育児休業給付金」があります。こちらも一定の条件を満たす必要がありますが、産休から育休へ移った後も、収入を補う給付金を受け取れる仕組みです。
 
このように、出産手当金と育児休業給付金は、対象となる休業期間や支給元が異なります。いずれも仕事を休むことへの報酬ではなく、休業による収入の減少を補い、生活を支えるための制度です。
 

産休の穴埋めで仕事が増えても給料は上がらない?

同僚の産休によって業務量が増えても、それだけを理由に会社が給料を上げる法律上の義務はありません。例えば、同僚が担当していた顧客対応や資料作成を引き継ぎ、仕事量が1.5倍になったとしても、自動的に基本給が増えるわけではないのです。
 
ただし、業務量の増加によって残業が発生した場合は、割増賃金が支払われることがあります。労働基準法では、原則として1日8時間、週40時間を超える労働に対し、25%以上の割増賃金を支払うよう定めています。
 
例えば、通常の時給換算額が2000円の場合、法定時間外労働の賃金は1時間当たり2500円以上となる計算です。そのため、業務を引き継いだことで残業が増えた場合は、給与明細と勤務記録を照らし合わせ、適切に賃金が支払われているか確認しましょう。
 
一方、業務量が増えても所定の勤務時間内に収まっている場合は、必ずしも追加の賃金が発生するわけではありません。そのため、負担が大きいと感じる場合は、上司に業務の分担や優先順位の見直しを相談するとよいでしょう。
 

産休中の同僚をフォローする人への手当や支援制度はある?

産休や育休を取得する同僚の仕事を引き継ぐ社員に対して、国が直接給付金を支給する一般的な制度はありません。ただし、会社が独自に「業務代替手当」などを設け、業務を引き継いだ社員に支給することは可能です。
 
こうした手当の支給を後押しするため、国には「両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)」という制度が設けられています。これは、育児休業中の社員の業務を代わりに担当する社員へ手当を支給するなど、一定の取り組みを行った事業主を支援するものです。
 
助成金を利用できる企業の範囲も広がっており、2026年度からは手当支給等に関する企業規模の要件が撤廃され、大企業も対象となっています。ただし、助成金は会社に支給されるため、業務を引き継いだ社員が直接受け取れるわけではありません。また、対象となる休業や手当の支給方法などにも条件が設けられています。
 
そのため、自分の会社に業務代替手当がない場合は、まず就業規則を確認し、人事担当者に制度の導入を相談してみるとよいでしょう。
 

産休による業務負担が不公平だと感じたら会社に相談しよう

産休中の社員に支給される出産手当金などは、休業による収入の減少を補うための制度であり、仕事を休むことへの報酬ではありません。一方、同僚の産休によって業務量が増えても自動的に給料が上がるわけではありませんが、法定時間外労働が発生した場合は原則として割増賃金が支払われます。
 
また、会社によっては業務を引き継ぐ社員への手当を設けている場合もあります。まずは就業規則を確認し、負担が大きい場合は上司や人事担当者に業務分担の見直しや手当について相談することが大切です。産休を取得する人だけでなく、支える人も無理なく働けるよう、職場環境の改善に向けて行動しましょう。
 

出典

全国健康保険協会(協会けんぽ) 出産手当金
厚生労働省 Q&A~育児休業等給付~
厚生労働省 労働条件・職場環境に関するルール
厚生労働省 両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)のご案内
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu

LINE