「俺の稼ぎは俺のもの」と生活費だけ渡す夫。お互いの貯金額を知らない完全な“別財布”スタイルのため、将来の「住宅購入」や「老後」が不安です…。貯金額や年収をなんとか聞き出すべきでしょうか?

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「俺の稼ぎは俺のもの」と生活費だけ渡す夫。お互いの貯金額を知らない完全な“別財布”スタイルのため、将来の「住宅購入」や「老後」が不安です…。貯金額や年収をなんとか聞き出すべきでしょうか?
毎月、夫から決まった生活費は渡されるものの、残りを何に使い、いくら貯めているかは分かりません。「俺の稼ぎは俺のもの」と言われれば、細かく聞くのは干渉のようでためらうでしょう。しかし、住宅購入や老後の話になると、世帯として頭金をいくら用意できるのか、ローンを返せるのかさえ見通せません。
 
別財布そのものが悪いわけではありません。ただし、共同の目標まで完全に別管理にすると、必要な時期にお金が足りないリスクがあります。年収や貯金額を無理に「聞き出す」のではなく、住宅・老後という共通目的に必要な情報として、お互いが同じ範囲を開示する話し合いが必要です。
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柘植輝

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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

生活費が払えていても、将来資金が貯まっているとは限らない

別財布では、それぞれが自由に使える一方、相手も貯蓄しているだろうと思い込みやすくなります。数年後に住宅を買おうとしたとき、夫婦のどちらにも十分な頭金がなかった、退職間近になって初めて老後資金の不足に気づいたという事態も考えられます。
 
J-FLECの教材では、住宅購入や老後などのライフイベントに必要な金額をイメージし、収入と支出のバランスを意識して家計を管理することが大切だとしています。将来計画には、夫婦それぞれの収入、支出、貯蓄、借入れの把握が欠かせません。
 

最初から通帳を見せ合う必要はない

いきなり「貯金はいくらあるの」「給与明細を見せて」と迫ると、監視されていると受け取られる可能性があります。まず「5年後に住宅を買うなら頭金はいくら必要か」「老後に月いくらで暮らしたいか」と、目的と期限を共有しましょう。
 
そのうえで、手取り年収、現在の貯蓄、ローンや奨学金などの負債、毎月共同で貯められる金額を、お互いに同じ条件で提示します。口座の明細をすべて開示するのではなく、「住宅用に使える貯蓄は○万円」など、共同目標に必要な範囲から始める方法もあります。
 

共同口座と個人口座を分ける方法もある

別財布を続けながら、住宅や老後のための共同資金だけを分けて管理する方法があります。例えば、毎月の手取りの一定割合を共同口座へ入れ、生活費と目的別貯蓄に充てます。残ったお金は各自が管理すれば、自由と共同責任の両方を保ちやすくなります。
 
負担を同額にすると、収入差が大きい夫婦では一方だけが苦しくなることがあります。「毎月10万円ずつ」ではなく、手取りの20%ずつなど割合で決める方法も検討できます。半年ごとに残高と目標達成率を確認すれば、日々の支出まで監視せずに済みます。
 

情報共有を拒まれるなら、家計ルールを確認する

話し合いの目的は、夫の財産を取り上げることではありません。「いつまでに、いくら必要で、誰がいくら負担するか」を決めることです。資産額を共有したくない場合でも、共同目標への拠出額と借金の有無は確認したいところです。
 
それすら拒まれる場合は、住宅購入など大きな契約を急ぐべきではありません。返済や老後生活は夫婦双方に影響するためです。家計表やライフプラン表を一緒に作るほか、第三者のFP相談を利用すると、責め合いになりにくい場合があります。
 

まとめ

完全な別財布でも、現在の生活費が回っているだけでは将来への備えは確認できません。貯金額を強引に聞き出すのではなく、住宅購入や老後という共通目標から必要額を計算し、お互いが同じ範囲の情報を開示しましょう。共同資金と自由に使える個人資金を分ければ、別財布の利点を残しながら将来への不安を減らせます。
 
【FPコメント】
別財布の夫婦においては世帯として将来使える純資産と毎年いくら貯められるかという事項の共有も大切です。例えば、住宅購入においては頭金だけでなくローン残高や他の借入れについても確認するべきです。
 
また、老後においては金見込額・退職金・保険・投資資産まで含めて細かく確認しましょう、老後の暮らしを考えるにあたり基準となる世帯の資産額について見誤るリスクがあるからです。少なくとも年1回程度は資産・負債・年間貯蓄額に加えて直近1年以内における大きな支出予定を共有すると管理しやすくなるでしょう。
 
なお、夫婦の共有口座についてですが、一般的には夫婦どちらか一方の名義の口座を共有口座に使うことになります。そのため、将来的なことを踏まえ、入出金の記録はすべて残しておきましょう。そうすることで贈与や相続時にも説明がしやすくなります。
 

出典

J-FLEC 重点テーマ:生活設計・家計管理
金融庁 高齢社会における資産の形成・管理での心構え
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修 : 柘植輝
行政書士

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