50代の夫が退職前に有給休暇を「20日」まとめて取ろうとしたところ、上司から「引き継ぎがあるから困る」と言われたそうです…。退職前でも、有給休暇は自由に使えないのでしょうか?

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50代の夫が退職前に有給休暇を「20日」まとめて取ろうとしたところ、上司から「引き継ぎがあるから困る」と言われたそうです…。退職前でも、有給休暇は自由に使えないのでしょうか?
退職が決まったら、残っている有給休暇をまとめて取得したいと考える人もいるでしょう。しかし、上司から「引き継ぎがあるから困る」と言われ、取得をためらうケースもあります。
 
そもそも、退職前でも有給休暇を自由に取得できるのでしょうか。また、会社は引き継ぎを理由に取得を拒否できるのでしょうか。本記事では、退職前の有給休暇に関するルールや、スムーズに取得するための方法を解説します。
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退職前でも有給休暇は20日間まとめて取得できる?

結論からいうと、退職前でも有給休暇を20日間まとめて取得することは可能です。有給休暇は、労働基準法第39条で認められている労働者の権利です。厚生労働省の公式サイト「年次有給休暇」には、次のように記載されています。


「分割するか、又は何日継続するかも、原則として労働者が決定でき、使用者の承認は必要ではありません」

つまり、有給休暇は原則として本人が希望する日に取得でき、20日間連続で取得することも認められています。
 
有給休暇の日数は勤続年数によって異なります。例えば、週5日勤務などの一般的な労働者の場合、入社から6ヶ月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤すると10日間が付与されます。
 
その後も条件を満たして勤務を続ければ、勤続6年6ヶ月で年間20日間が付与されます。未使用分は翌年度に繰り越せるため、残日数が20日を超える場合もあります。
 
ただし、有給休暇を取得できるのは在職中だけです。退職すると残っている有給休暇は使えなくなるため、退職日までに取得する必要があります。
 

引き継ぎを理由に有給休暇の取得を拒否されることはある?

会社には「時季変更権」という権利があります。これは、従業員が希望した日に有給休暇を取得すると、事業の正常な運営に支障が出る場合、取得日を別の日に変更できる権利です。
 
例えば、代わりに対応できる従業員がおらず、会社の運営に大きな支障が出る場合などが考えられます。ただし、単に「忙しい」「引き継ぎが必要」という理由だけで、必ず時季変更権が認められるわけではありません。
 
さらに、厚生労働省は退職前の有給休暇について、次のように説明しています。


「退職をもって年休権が消滅することから、使用者は時季変更権を行使しえず、同年休取得を認めるほかありません。」

つまり、退職日までの勤務日をすべて有給休暇に充てる場合、会社は原則として取得日を変更できません。
 
例えば、退職日までの所定労働日が20日間しか残っておらず、有給休暇も20日残っている場合、引き継ぎを理由に取得日を退職後へ変更することはできないのです。
 
一方、退職までに十分な日数が残っている場合は、条件を満たせば別の日への変更が認められる可能性があります。
 

退職前に有給休暇をスムーズに取得するには?

退職前の有給休暇は法律で認められていますが、会社とのトラブルを避けるためにも、早めに取得計画を立てることが大切です。
 
例えば、退職日の1ヶ月以上前から引き継ぎの準備を始め、後任者に業務内容や取引先の情報を伝えておくとよいでしょう。業務の手順や注意点をまとめた引き継ぎ資料を作成しておけば、自分が休暇に入った後も業務を進めやすくなります。
 
また、有給休暇の申請はメールや社内システムなど、記録が残る方法で行うことをおすすめします。万が一、会社から取得を拒否された場合でも、申請内容を確認できるためです。
 
それでも会社が取得を認めない場合は、人事部門や労働組合に相談しましょう。解決が難しければ、労働基準監督署などに設置されている総合労働相談コーナーに相談する方法もあります。
 
なお、退職時に使い切れない有給休暇を会社が買い取るケースもあります。ただし、会社に買い取りの義務はないため、できるだけ退職前に取得できるよう計画を立てましょう。
 

退職前の有給休暇は引き継ぎの予定も考えて取得しよう

退職前であっても、有給休暇を20日間まとめて取得することは可能です。退職日までに取得できる日が残っていなければ、会社は原則として時季変更権を行使できません。
 
ただし、円満に退職するためには、引き継ぎへの配慮も大切です。
 
有給休暇の残日数と退職日までの勤務日数を確認し、早めに上司とスケジュールを共有しましょう。計画的に引き継ぎを進めることで、法律で認められた権利を守りながら、安心して退職の日を迎えられるでしょう。
 

出典

e-Govポータル法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号) 第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇 (年次有給休暇)第三十九条
厚生労働省 労働条件に関する総合サイト 年次有給休暇
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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