人手不足で“時給1090円”のパートが「週16時間→20時間勤務」に!「社会保険に加入」と言われましたが“月収8万8000円以下”の月もあるのに「月1万5272円」「年18万3264円」引かれるってひどすぎませんか?

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人手不足で“時給1090円”のパートが「週16時間→20時間勤務」に!「社会保険に加入」と言われましたが“月収8万8000円以下”の月もあるのに「月1万5272円」「年18万3264円」引かれるってひどすぎませんか?
「人手不足だから、ごめん、もう1日勤務を増やしてほしい」スーパーでパートとして働くAさんは、店長からの依頼を受け、勤務時間を増やすことにしました。
 
時給も上がるため、社会保険加入になるかもしれないけれど、それでも手取りは大きく増えると期待していました。ところが、社会保険料の負担の大きさにショックを受けます。
 
週20時間勤務となったもののパート勤務のため、月によっては収入が8万8000円を下回ることもあります。それでも、社会保険に加入しなければならないのでしょうか?
 
本記事では、実際の社会保険料の負担と、手取りへの影響を見ていきます。
藤田寛子

1級ファイナンシャルプランニング技能士、証券外務員二種

人手不足で勤務時間を増やすことに

長崎県在住の42歳の女性Aさんは、スーパーでパートとして働いています。これまでは時給1040円で、1日4時間、週4日の勤務でした。
 
ところが、人手不足を理由に店長から勤務日数を増やしてほしいと頼まれます。Aさんはこれを受け入れ、10月からは時給1090円・1日4時間・週5日勤務となりました。
 
時給が50円上がり、勤務時間も週16時間から20時間に増えます。Aさんは社会保険加入になっても、これまでより収入は増えるだろうと期待していました。
 
しかし、給与から引かれる社会保険料の概算を確認し、社会保険料の負担の大きさにがくぜんとしました。
 

社会保険料は月1万5272円

時給1090円・1日4時間・週5日勤務のAさんが、月平均86時間程度勤務した場合、額面給与は9万3740円です。標準報酬月額を9万8000円とすると、社会保険料などの控除後の手取り概算は7万8468円となります。
 

【給与手取り概算】

・額面給与:9万3740円
・厚生年金保険料:8967円
・健康保険料:4929円
・介護保険料:794円
・子ども・子育て支援金:113円
・雇用保険料:469円
・社会保険料などの控除合計:1万5272円
・所得税:0円
・手取り:7万8468円

 
税金は、2026年度の基礎控除で試算しています。住民税は、年額5500円の見込みですが、条件によって異なります。社会保険料などの負担は月1万5272円、単純に12ヶ月分に換算すると年間18万3264円になります。
 
Aさんの今までの給与は、平均して月68時間程度の勤務で7万720円ほどでした。給与が増えることを期待していましたが、社会保険料が差し引かれるため、増えるのは月約7748円程度、期待したほど手取りが増えないことが分かりショックを受けます。
 

月収8万8000円未満でも加入するのはなぜ?

Aさんが疑問に感じたのは、パートのため、月によっては勤務日数が少なく、額面給与が8万8000円を下回ることもあるのに、社会保険に加入する必要があるという点です。
 
今回のAさんの場合、社会保険に加入することになった直接のきっかけは、勤務時間を週16時間から20時間に増やしたことです。
 
2026年10月からは、短時間労働者の社会保険加入要件のうち、月額賃金8万8000円以上という要件が撤廃されました。これにより、月ごとの実際の給与が8万8000円未満になっても、ほかの加入要件を満たしていれば、社会保険の加入対象となる場合があります。
 
社会保険の加入判定は、単にその月の給与額だけで決まるわけではありません。勤務先の企業規模や契約上の労働時間なども確認する必要があります。
 

社会保険加入は負担だけではなくメリットも

社会保険に加入すると、給与から保険料が差し引かれるため、毎月の手取りは少なくなります。一方、社会保険に加入することで将来受け取る年金を増やすことができ、けがなどで働けなくなった場合に、傷病手当など健康保険の補償が受けられます。
 
社会保険料の負担額や手取りへの影響は、加入条件や標準報酬月額などによって異なります。今回の試算額が、そのまま全てのパート従業員に当てはまるわけではない点に注意しましょう。
 
勤務時間を増やせば、額面給与だけでなく手取りも増えると期待するのは当然かもしれません。しかし、社会保険料の負担によって、手取りの増加額が思ったより小さくなる場合もあります。
 
勤務時間を増やすよう求められたときは、額面給与だけでなく、社会保険料を差し引いた手取りがどの程度になるかも確認しておくことが大切です。
 
執筆者 : 藤田寛子
1級ファイナンシャルプランニング技能士、証券外務員二種

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