更新日: 2024.07.29 年収
地方公務員の年収と退職金ってどれくらい?
今回は、地方公務員の年収や退職金制度の実態をご紹介します。地方公務員を目指している方など、待遇が気になっている方は当記事を参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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地方公務員の年収をチェックしよう
ひと口に地方公務員といっても一括りにできず、職種や自治体によって給与体系は異なることを知っておきましょう。
地方公務員の職種は、次のとおり多岐にわたっています。
●一般行政職
●看護・保健職
●技能労務職
●教育職
●福祉職
●消防職
●警察職
総務省が調査を実施した、令和2年「地方公務員給与の実態」が公開されています。ここでは調査結果から、職種別の給与の額、初任給、平均給与・年収について見ていきましょう。
地方公務員の種類や自治体ごとに給与が異なる
「地方公務員給与の実態」調査結果によると、職種や働く自治体によって給与が大きく異なることがわかります。
基本給とは「給料」「扶養手当」「地域手当」で構成されており、中でも注目は「地域手当」です。一般行政職で地域手当のある自治体の場合、361〜6万4759円とかなり大きな差があります。最も地域手当が高い自治体は東京都です。東京都の地域手当は基本給の約17%に相当します。
職種の中でも、基本給の水準が高めの職種は「高等(特別支援・専修・各種)学校教育職」です。
地方公務員の「期末・勤勉手当」は、民間のボーナスに相当します。期末・勤勉手当の支給月数は、総務省からの通知を受けて毎年増えたり減ったりすることを知っておきましょう。なお、勤勉手当は民間企業の成績査定にあたるもので、個人への評価によりそれぞれ異なります。
計算式はおおむね次のとおりです。
平均支給額 = 支給月数 × 平均給与額
令和3年度の支給月数は自治体ごとに異なりますが、おおむね「2.2月」となっており、年に2回支給されるので合計は「4.4月」です。
地方公務員の初任給
地方公務員の初任給は、いくらくらいでしょうか? 例えば、指定都市の平均初任給は、図表の通りです。
【図表】
職種 | 初任給 |
---|---|
一般行政職(高卒・試験) | 15万448円 |
高等学校教諭(大学卒・選考) | 20万7560円 |
消防士(大学卒・試験) | 19万2707円 |
地方公務員の平均給与と年収はいくら?
東京都の例を参考に、地方公務員の平均給与と年収を見ていきましょう。
令和2年度の平均給与は38万4633円、「期末・勤勉手当」は、「2.50月+2.05月=4.55月」でした。
平均年収を計算すると、636万5676円です。東京都の地域手当は基本給の約17%と大きな割合を占めることから、給料の額が同等であっても地域手当の少ない地方自治体であれば、年収が600万円を下回る場合もあります。
地方公務員がもらえる退職金の実態とは
地方公務員の退職金は、地方自治法によって各地方公共団体の条例に定めることとされています。基本的に条例案は国家公務員退職手当法に準じているため、算定方法は国家公務員の場合とほぼ同じと考えていいでしょう。
国家公務員の退職金は年々引き下げ傾向にあるため、地方公務員の退職金も減少していくと考えられます。
ここでは地方公務員の退職手当制度や、実際にいくら受け取っているのかご紹介します。
地方公務員の退職手当制度
地方公務員の退職金は、次のとおり算出されます。
退職手当額 = 基本額 + 調整額
●基本額 = 退職日給料月額×退職理由別・勤続年数別支給率
●調整額 = 調整月額のうちその額が多いものから60月分の額を合計した額
地方公務員の退職金はいくら?
ここでは都道府県を例に、「25年以上勤続の60歳定年退職者」の平均退職金を見ていきましょう。
●一般職員 約2182万円
●一般職員のうち一般行政職員 約2168万円
●一般職員のうち技能労務職員 約1716万円
●教育公務員 約2268万円
●警察官 約2225万円
●特定地方独立行政法人職員 約2360万円
地方公務員の場合には、おおむね、2000万円前後の退職金が支給されることがわかります。
支出を抑えれば地方公務員は資産形成できる
東京都の場合、地方公務員の平均年収は約636万円、退職金はおおむね2000万円前後支給されています。
大学の授業料が年々増加するなど教育費捻出への懸念はつきませんし、ライフスタイルにお金をかけたい方にとっては十分な額とはいえないかもしれません。しかし支出を工夫して抑えられれば、地方公務員の年収と退職金なら資産を形成できるでしょう。
出典:地方公務員の退職手当制度について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部