私立小中学校の学費と親の年収っていくら?なんと私立中の学費は公立の約7倍
配信日: 2018.03.08 更新日: 2021.12.27
子どもには、なるべくいい教育や環境を与えてあげたいと思う人が多い一方、教育費がどこまでかかるのか不安に思っている人も多くいます。
今回は、義務教育である小学校・中学校で「私立」という選択をする場合にかかる金額や、親の年収についてお届けします。
執筆者:塚越菜々子(つかごし ななこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
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目次
私立小学校の学費は公立小学校の14倍
まずは文部化科学省のデータ(※)から、公立小学校と私立小学校の学費を比較してみましょう。
公立の小学校は義務教育であるため、学費というのはほとんどかかりません。主に学校に支払う学校教育費は6年間で約36万円となっています。
これに対し私立の小学校の学校教育費は6年間で約521万円。実に14.4倍にも及びます。私立だと授業料のほかに泊まりでの校外学習が多くある、なども大きく影響しているようです。
習い事など学校外教育費も含めると公立小学校は6年間で191万円。私立小学校は913万円。4.7倍の差があります。
※文部科学省 子どもの学習費調査
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/1268091.htm
私立小学校に入れる親の半数は年収が1200万円以上
上記のように、私立の小学校でかかる学費は大きくなっています。それを出すことができる世帯ですので、年収が高い人が多くなっています。私立小学校に、子どもを入学させている親の世帯年収はこのような分布です
年収400万円未満 3.3%
年収400万円~ 6.2%
年収600万円~ 13.1%
年収800万円~ 14.9%
年収1000万円~ 15.6%
年収1200万円以上 46.9%
私立小学校の場合、平均しても年間150万円の教育費がかかります。生きていくのにかかる費用は教育費だけではありませんし、それが6年間続くわけですから、やはり収入に余裕があることが求められます。
また、直接教育にかかるお金以外でも、お付き合い費やそのための洋服代など、思わぬお金がかかるといわれています。うちはうち、よそはよそではありますが、やはり年収に大きな差があると、気になる部分も出てくるかもしれません。
私立中学校の学費は公立中学校の学費の7.4倍
小学校と同じく中学校も比較してみると、学校に収める学校教育費は公立に比べ、私立は7.4倍となっています。小学校に比べ減りますが、やはり大きな差といえるでしょう。
中高一貫で内部進学できる私立が多いことに比べて、公立中学校から高校へは受験をして進学することが多いため、塾などの学校外学習費が私立中学校の3学年より多くなっています。
そのためもあってか学校外教育費も含めると、私立と公立の差は2.7倍程度に収まります。
私立中学校に入れる親の年収は600万円以上がほとんど
私立小学校の場合は半数が年収1200万円越えでしたが、中学になると少し年収は広がってきています。
年収400万円未満 4.2%
年収400万円~ 9.2%
年収600万円~ 16.3%
年収800万円~ 18.4%
年収1000万円 17.3%
年収1200万円以上 34.6%
年収1200万円以上が3割を超えていますが、年収600万円あたりからの割合が増えています。小学校の6年間と違い3年間だからこそ、費用負担も少なく済むからかもしれません。とはいえ、やはり年収600万円以上がほとんどとなっているようです。
教育費を出しながらも「貯められるか」が重要
このように、義務教育をあえて私立に行く場合は、公立に比べて圧倒的に費用が掛かります。年収600万円以上が最低の目安となりますが、実際のところ600万円台では苦しいはずです。
支払うべきお金は、教育費だけではないことももちろんですし、一度私立に入学するとよほどのことがない限り公立に転校するということはありません。
また小学校入学の7歳から大学を卒業する22歳ごろまでを、教育費に追われて貯金ができなくなると、子どもが巣立ってから自分たちの老後費用等を貯める時間が短くなることも考えられます。
お金を理由に転校させるというのは心苦しいもの。学費だけを見て判断したり、初年度の金額が出せると安心したりせず、教育費以外の支出や教育費以外の貯蓄のことも考え、進学先を選択することをお勧めします。
Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者