そのなかでも、ストーリーのカギを握るのは、桜木の所属する湘北高校バスケット部の監督である「安西先生」です。安西先生は、教師として授業をしている様子はなく、バスケット部の外部指導員として活動していたことが考えられます。
そこで今回は、部活動の外部指導員として働いていたと仮定して、安西先生の収入を推測してみます。学校教員ではなく、外部指導員として活動すると、いくらもらえるのでしょうか？
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部（ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ）
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安西先生の収入は推定月13万円ほど!?
安西先生は、湘北高校のバスケット部の外部指導員として監督をしています。
実際の外部指導員の収入は「謝礼」という形で支払われ、学校がある自治体によって、異なります。湘北高校の名前のモデルとなった高校は、神奈川県立湘南高等学校と推測されています。また、作中に登場するシーンの多くは「湘南」がモデルとなっていると考えられていることから、今回は、神奈川県藤沢市の外部指導員の謝金を調べました。
藤沢市には「藤沢市部活動地域移行推進事業」があり、子どもたちが運動や文化に親しめる機会を確保することを、目標として掲げています。
藤沢市部活動地域移行準備連絡会会議録によると、時給1600円、指導時間を1日4時間と想定した謝金を検討しているとのことでした。
上記の条件で計算してみると、平日に毎日4時間の部活指導を行ったと仮定すると、6400円／日、1週間で3万2000円、月に換算すると約12万8000円の収入となります。
ほかにも、土日や合宿での指導を考えると、もう少し多くもらっていたことが分かります。ただし、これはあくまで、推定での金額です。
しかし、外部指導員は、自治体によって謝金額が異なり、なかには、ボランティアとして活動している指導員もいるようです。
部活指導員の制度化によって部活動の質向上が期待
立ち位置があいまいであった外部指導員でしたが、2017年に学校教育法の一部改正により、部活動指導員が制度化され、システムが見直されました。
従来の外部指導員は、担当の部活動の競技経験がなくても顧問になれましたが、大会などへの生徒の引率や、けがなどの対応は不可であり、教員の補助としての役割しかありませんでした。しかし、制度化されたことにより、研修の実施や規則を策定。これによって、以下の効果が期待されています。
●教員の働き方改革（部活の指導を兼任していた教員の負担を軽減できる）
●部活動の質向上（指導員に対して研修を実施することで、生徒への適切な指導・対応が可能となる）
また、補助金が支給され、指導員の報酬や交通費、出張旅費の支払いが認められたことも大きな特徴のひとつです。
安西先生は外部指導員だが尊敬されるコーチだった
今回は、外部指導員としての安西先生の収入を推測しました。
フルタイムで働く会社員と比較すると、低いという印象ですが、それよりも、安西先生が温厚な人柄から、バスケット部の部員から非常に慕われていたように、生徒との絆や、一緒に優勝を目指すという熱い気持ちによるやりがいのほうが、部活指導員には大きいのではないでしょうか。
出典
藤沢市部活動地域移行推進事業「令和4年度 第3回藤沢市部活動地域移行準備連絡会 会議録」（P9、11）
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
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