年収1億円超えの役員も…そもそも“役員報酬”ってどう評価されるの？
この記事では、その裏にある評価基準と決定プロセスに迫ります。
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77億円超の報酬も！ 上場企業の驚きの役員報酬ランキング
「年収1億円超」の高額役員報酬が話題を集めています。
2023年5月から2024年4月に本決算を迎えた上場企業データをもとにした最近の集計によると、1位はセブン＆アイ・ホールディングスの元取締役ジョセフ・マイケル・デピント氏で、なんとその報酬は77億円を超え、2位のソフトバンクグループ取締役レネ・ハース氏（およそ35億円）を大きく引き離す金額となっています。ソニーグループの吉田憲一郎代表執行役も約23億円と続いており、世界的な経営陣による報酬の高さが際立っています。
さらに、同集計によれば、年収2億円以上の報酬を受け取る役員は300人を超え、大企業を中心に日本の役員報酬水準が年々上昇しています。このような状況は、企業のグローバル競争力や人材獲得力の強化が背景にあり、経営層の報酬水準が注目される理由となっています。
ソフトバンクグループで賛否拮抗（きっこう）？ 役員報酬はどう決まるのか
高額報酬への世間の関心が高まる中、ソフトバンクグループの定時株主総会では、役員報酬の変更議案に対して賛成約55.8％という接戦での可決となりました。これは、株主側の監督意識の高まりや、役員報酬と経営成果のバランスに対する疑問が強まった結果と考えられます。
企業の役員報酬は、「会社への貢献や成果に見合っているか」「報酬決定プロセスが透明で、公正であるか」が強く問われます。
グローバル基準では、優秀な経営人材の確保や競争環境の激化も相まって役員報酬の高額化が進行する一方で、その評価軸と納得感が日本でも重視されてきています。
役員報酬の変更は株主総会で行われる
そもそも「役員報酬」はどのように決められ、変更されるのでしょうか。日本の企業では役員報酬の決定や変更には厳密なプロセスが求められます。
改定タイミングによって必要な手続きや手順は異なりますが、原則、役員報酬を変更できるタイミングとしては、事業年度開始から3ヶ月以内です。役員報酬変更のための手続きには「株主総会」での決議、そして議事録の作成が必要です。
役員報酬を変更する場合は、株主総会でその金額や条件を決めて正式に承認を得る必要があり、株主への通知、議事録の作成・保管も欠かせません。
まとめ
年収1億円超の役員報酬は時に世間の注目や批判を集めますが、実際には高度な経営スキルや国際競争力、会社の成長戦略に直結する重要な要素です。今後の日本企業にとっては、役員報酬の水準や決定プロセスを株主や社内外の関係者にしっかり説明し、納得を得る努力が欠かせません。
企業の持続的な成長と信頼の構築には、報酬の「妥当性」と「公正な決定プロセス」の両立が求められているのです。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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