30代の友人が「ポルシェ911を買った」とSNSに投稿していました。確か1000万円以上の値段だと思いますが、かなり稼いでいるのでしょうか？

SNS上で高級車の購入報告を見ると、祝福と同時に「どれほど稼いでいるのだろう？ 」と疑問に思うこともあるかもしれません。それが30代でポルシェ911という憧れのスポーツカーとなればなおさらです。
 
そこで本記事では、ポルシェ911の実際の価格や、年収とのバランスを金融的な観点から検証し、「30代でポルシェ911を購入するにはどれくらいの年収が必要か？ 」を分析します。

ポルシェ911の新車での車両価格

ポルシェジャパンの公式サイトによると、ベーシックなモデル「911Carrera」の車両価格は1853万円です。もちろん、オプションの追加やグレードの選択によって価格はさらに上昇しますが、ここではこの基本価格を前提として試算を進めます。
 

車の購入価格は「年収の半分以下」が目安とされることも

車の購入を検討する際、「年収の半分以下に収めると無理がない」といった目安が紹介されることがあります。これは支出全体のバランスを取りながら、生活に支障をきたさず車を購入するための1つの指標になるでしょう。
 
この目安を基に、車両価格の1853万円が年収の半分だったと仮定すると、その2倍にあたる約3706万円が年収の最低ラインだといえます。つまり、新車でポルシェ911を購入するには、年収で約3700万円以上が指標となることが分かります。
 

ポルシェ購入者の年収は30代の平均年収とどのくらい離れている？

ポルシェ911を購入できる年収と、30代の平均年収を比較してみます。国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査－調査結果報告－」によると、年齢階層別の平均年収は、30〜34歳の場合431万円、35〜39歳では466万円でした。
 
この統計から分かる通り、30代の平均給与は400万円台です。仮にポルシェ911を年収の半分で無理なく購入したと仮定すると、平均の約9倍以上の年収を得ていることになります。
 
つまり、本当に新車でポルシェ911を購入していれば、かなりの高所得層に属している可能性があります。
 

ポルシェ911を購入したとしても年収3700万円以上を示すわけではない

しかし、「ポルシェ911＝年収3700万円以上」とは断言できません。中古車市場を利用して価格をおさえているケースや、頭金を減らしてローンを活用する方法もあるからです。
 
例えば中古のポルシェ911であれば、車両の年式や状態によっては1000万円を下回る価格で販売されていることもあります。こうした選択肢を利用することで、実際に必要な年収はもう少し低くなるでしょう。
 
また、残価設定型ローンやリース契約を通じて、月々の負担を軽減する手段もあります。加えて、家族からの援助や、長年の貯蓄を取り崩して購入したケースも考えられます。
 
そのため、実際の購入背景は人によってさまざまであり、必ずしも「ポルシェ911を買った＝高額年収」といった図式に当てはまるわけではありません。
 

ポルシェ911を購入した友人は高所得の可能性は高いが、断定はできない

ポルシェ911を新車で購入する場合、年収3700万円以上という水準が1つの目安となります。この水準は30代における平均年収の10倍に近いため、その友人が相当な高所得者である可能性はあります。
 
ただし、必ずしも新車とは限らず、中古車であれば価格は大きく異なります。また、長年の貯蓄を取り崩して購入に踏み切ったケースも考えられます。そうした背景を考慮すれば、「ポルシェを買った＝年収は3700万円以上」とは一概には判断できません。
 
一方で、購入後の維持費や保険料といったコストを継続的に負担できる点では、ある程度の経済的なゆとりがあることは間違いなさそうです。
 

出典

ポルシェジャパン株式会社　911 Carrera Models
国税庁　令和5年分 民間給与実態統計調査－調査結果報告－
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー