「動物病院」の「獣医師」「看護師」の年収はどのくらい？300万円は超える？ 職業に就くための資格や方法は？

動物が好きな人の中には、動物病院で働く獣医師や看護師を目指そうと考える人もいるでしょう。しかし、いざ進路として考えると「年収」や「どうすればなれるのか」といった疑問が浮かぶこともあるかもしれません。
 
そこで本記事では、獣医師・看護師の平均年収や必要な資格と道のりについて解説します。これから獣医師や看護師を目指す方はぜひ参考にしてください。

獣医師・看護師の平均年収は？

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の獣医師の平均月収は約71万3000円、年間賞与などは約291万8000円、平均年収は約1147万4000円です。
 
一方で、動物病院で働く看護師を含む「その他保健医療サービス職業従事者」の平均月収は約23万9100円、年間賞与などは約36万円、平均年収は約322万9200円と、獣医師に比べると控えめな水準です。
 
ただし、これには動物病院で働く看護師以外の職種も含まれるため、あくまで参考としてください。
 

就業に必要な資格と道のり

次に、実際に獣医師や看護師として働くには、どのような資格が必要なのかを見ていきましょう。
 

獣医師

獣医師として働くには、まず獣医学部（6年制）を卒業する必要があります。卒業後、農林水産省が管轄する獣医師国家試験に合格し、獣医師として登録されて初めて就業できます。国家公務員や地方公務員として働く場合はさらに公務員試験の合格が必要です。
 
獣医師は、免許取得後すぐに一人で診療を行えるわけではありません。
 
牛、馬、豚、鶏などの産業動物医師を目指す場合は、農業共済組合が運営する家畜診療所に就職することが一般的です。先輩獣医師の指導を受けながら、実際の診療を通して学びスキルを磨いていきます。
 
犬や猫などの小動物の獣医師を目指す場合は、動物病院に研修医として勤務したり、獣医学部の付属動物病院で研修を受けたりして経験を積むことが一般的です。
 
農林水産省によると、令和6年度の獣医師国家試験の合格率は新卒83.8％、既卒40.6％、全体71.9％です。全体の合格率は70％台と高めに見えますが、そもそも獣医学部のある大学は偏差値も高く、数が多くないため倍率も高い傾向にあるようです。
 
国家試験の前に獣医学部への合格が必要なことを考えると、難度は高いといえるでしょう。
 

愛玩動物看護師

動物病院の看護師は、正式名称を「愛玩動物看護師」といい、獣医師の指示のもと、採血・投薬・マイクロチップ挿入・カテーテルによる採尿、入院している動物の世話や診断を伴わない検査、動物の飼育に関する助言や支援など幅広い業務を行います。
 
資格を得るには、指定の大学や養成機関で学び、国家試験に合格する必要があります。5年以上の実務経験を持つ人や指定のカリキュラムを終えている人は、講習会を受講することで国家試験の受験資格を得られます。
 

平均年収は獣医師で約1147万4000円、愛玩動物看護師で約322万9200円｜どちらも国家資格が必要

動物病院に勤める獣医師の平均年収は約1147万4000円、愛玩動物看護師は約322万9200円です。どちらも動物に寄り添い、命を支えるやりがいの大きな仕事に変わりはないといえるでしょう。
 
ただし、動物への愛情だけでなく、飼い主への丁寧な説明、夜間や休日の急患対応など、体力的にも精神的にもハードさを求められる場合もあります。また、進学や学習に関しては、一定の時間や費用がかかることも予想されます。
 
就業にあたっては、収入だけでなく資格取得までの難易度や勤務環境、ライフスタイルとの相性なども総合的に考慮し、自分に合った進路をじっくりと選ぶことが大切です。
 

出典

e-Stat 政府統計の総合窓口　賃金構造基本統計調査 / 令和６年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
農林水産省　第76回獣医師国家試験（令和6年度）の結果について
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー