上場企業の「平均収入」が過去20年で最高!? 20年前よりいくら上がった？中小企業の年収とも比較
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目次
上場企業の平均年収は過去20年でどれほど上昇したのか？
株式会社帝国データバンクが実施した「上場企業の『平均年間給与』動向調査」によると、2024年度の上場企業の平均年収は「671万1000円」となり、過去20年間で最高値を記録しました。
これは2023年度の651万4000円から19万7000円（約3％）も増加した値です。この4年間は連続して平均年収が上昇しており、特に2020年の一時的な減少を経て、再び大きな伸びを見せています。
平均年収のトップは海運業（平均1052万円超え）で、企業別で見ると投資ファンド「インテグラル」では2577万円と突出した金額になっています。
中小企業の平均年収はどれくらい？ 上場企業との格差を数字で比較
一方で、中小企業の年収はどうでしょうか？ 厚生労働省が公表した「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」によると、中規模企業の平均年収は約387万7200円（月額32万3100円）、小企業では約359万1600円（月額29万9300円）となっています（ボーナスなどは除く）。
上場企業と比べるとその差は大きく、企業規模による賃金格差が明確に表れています。
また、中小企業とは福利厚生面の差も大きく、大企業・上場企業では業績に応じて高額のボーナスや手厚い制度が普及している点も、家計へ与える影響は無視できません。
なぜ上場企業の年収がここまで上昇したのか？ 最近の賃上げトレンドと背景
近年、上場企業を中心に「給与水準の大幅な引き上げ」の動きが強まっています。その主な要因は、物価の上昇（インフレ）と深刻な人手不足への危機感です。賃上げ春闘の盛り上がりもあり、2024年は5.10％、2025年には5.25％と、2年連続で平均5％の賃上げとなりました。
また、政府や自治体も「賃上げ促進税制」「最低賃金の引き上げ」などの政策を強く後押ししています。
こうした社会全体の賃上げ機運によって、上場企業では収益構造改善や初任給アップ、非正規社員の処遇改善も進められるようになりました。特にIT、金融、海運など高収益業種が、全体平均を大きく引き上げる要因となっています。
まとめ
上場企業の平均年収は「過去20年で最高値」となり、収入の格差拡大も改めて鮮明になっています。しかし、直近のデータを見ると中小企業でも年収は緩やかながら上昇傾向を見せつつあります。
この流れを社会全体の底上げにつなげるには、大企業での賃上げを新たな基準として中小企業にも波及させる政策の強化や、働き方・スキルアップの側面からの支援も重要です。個人としても転職・副業や資産形成など、多角的なキャリア戦略がますます現実的な選択肢となる時代です。
出典
株式会社帝国データバンク 上場企業の「平均年間給与」動向調査（2024年度決算）
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況（9ページ）
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
