カウンターで一人「3万円」する“高級寿司屋の大将”。年収「1000万円」を超えるって本当でしょうか？

一人あたり3万円もする高級寿司店があると聞くと、「そんな店で働く寿司職人は、きっと相当稼いでいるのでは？ 」と気になる人もいるでしょう。
 
同じ寿司職人でも、働くお店によってどのくらい年収に違いが出るのか、確認してみるとよいかもしれません。
 
本記事では、寿司職人の平均収入や高級寿司屋で働く寿司職人の年収をご紹介するとともに、その仕事内容についても解説しています。

寿司職人の平均年収

厚生労働省が実施している「賃金構造基本統計調査」では、寿司職人は「飲食物調理従事者」に分類されています。
 
「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、飲食物調理従事者の「きまって支給する現金給与額」は27万2500円、「年間賞与その他特別給与額」は31万9200円です。年収を「決まって支給する現金給与額×12ヶ月＋年間賞与その他特別給与額」で計算すると、358万9200円になります。
 
国税庁によると、日本における1年を通じて勤務した給与所得者の一人当たりの平均給与は460万ということです。飲食物調理従事者の平均年収は、全体の平均年収より100万円以上低いことが分かります。
 
しかし、働いているお店の規模や年齢、勤続年数などによっても変わってくるため、目安として考えておくとよいでしょう。
 

高級寿司屋の寿司職人は年収が高い？

寿司職人の年収は、勤務する店舗や地域によっても大きく変わる場合があるようです。
 
例えば、客単価が高くなりやすい大都市にある寿司屋や、銀座のような高単価エリアにある寿司屋に勤める寿司職人は、給与が高い傾向にあります。大都市は人口も多く、年収が高い居住者が多いため、お店の単価も高くなりやすいようです。
 
そのため、寿司職人の給与も高くなると考えられます。実際に、月給50万円近い募集や年収1000万円以上を目指せる可能性のある募集もあるため、今回の事例のようなケースも珍しくありません。
 
そのほかにも、外国人観光客が多く訪れるエリアや、歴史のある老舗の寿司屋で働く寿司職人の年収も高い傾向にあるようです。
 

寿司職人の仕事内容や働き方

寿司職人のおもな仕事は、寿司を作ることです。魚介類の仕入れや下ごしらえをし、酢飯を作って寿司を握ります。
 
それだけでなく、接客やクレーム対応、食材の調達なども、寿司職人が行う場合があるようです。ほかの従業員やスタッフがいる場合は、指示を出したり、売上金の管理や計算を行ったりすることもあります。
 
また、生ものを提供するため、食中毒が発生するリスクについても考えなければなりません。食器や調理用具、調理場を清掃・消毒するなどして清潔に保つことも大切な仕事です。
 
寿司職人になるために学歴や資格は特に問われない場合もありますが、お店によっては高級寿司店で働いた経験があることを採用条件にしていることもあるようです。調理師などの資格があると就職に有利になりますが、働き始めてから資格を取得するケースも見られます。
 
仕入れや下ごしらえ、仕込みが特に重要とされ、見習い期間は清掃・雑務からのスタートが一般的です。
 

高級寿司屋の寿司職人は年収1000万円超えを目指せる場合もある

「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、寿司職人を含む飲食物調理従事者の平均年収は358万9200円で、日本人の平均年収より低い水準になります。
 
しかし、勤務する店舗やエリアによっては給与が高い場合もあり、高級寿司店などでは年収1000万円以上を目指せる条件で寿司職人を募集しているところもあるようです。一流の寿司職人と認められると、想像以上に高い収入を得られるようになる可能性はあります。
 
寿司職人の仕事は寿司を握ることだけでなく、接客や食材の調達、調理場の清掃・消毒などさまざまです。大変な仕事ですが、その分、やりがいや魅力も大きいでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1 職種（小分類）、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額（産業計）
国税庁 令和5年分　民間給与実態統計調査
厚生労働省 就職情報提供サイトjobtag すし職人
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー