大学を中退し、今は月収20万円ほどのフリーターです。正社員になると、給料や社会保険などはどのくらい変わるのでしょうか? やはり正社員になったほうがいいですか?
フリーターになった理由としては、「希望する仕事に就くための勉強や準備、修行期間として」「学費稼ぎなど、生活のために一時的に働く必要があったから」「自由な働き方をしたかったから」といったことが挙げられます。
フリーターは、正社員に比べて給与面や社会保険、社会的信用などで劣る一方で、働き方の自由度はあるようです。本記事では、給与面と社会保険などの各種制度について、フリーターなど正社員以外の労働者と正社員との違いを解説し、正社員になったほうがよいかを考えてみます。
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
正社員とフリーターの給与面の違い
年齢区分別に見た、正社員とフリーターなど正社員以外の労働者における給与の違いを図表1にまとめてみました。
これから分かるように、年齢が若いうちにはそれほど差がないものの、年齢が上がるにつれて給与の格差が広がっています。具体的には、年齢区分20~24歳における年収格差が40万8000円だったものが、30~34歳では87万6000円、40~44歳だと160万8000円と格差が広がっています。
図表1:年齢区分別、フリーターなど正社員以外の労働者と正社員の月額賃金、年収換算額
| 年齢区分(歳) | フリーターなど正社員以外の労働者 | 正社員 | ||
|---|---|---|---|---|
| 平均月額賃金 | 年収換算額※ | 平均月額賃金 | 年収換算額※ | |
| 20~24 | 19万4000円 | 232万8000円 | 22万8000円 | 273万6000円 |
| 25~29 | 21万6000円 | 259万2000円 | 26万3000円 | 315万6000円 |
| 30~34 | 22万1000円 | 265万2000円 | 29万4000円 | 352万8000円 |
| 35~39 | 22万円 | 264万円 | 32万7000円 | 392万4000円 |
| 40~44 | 22万円 | 264万円 | 35万4000円 | 424万8000円 |
※年収換算額=平均月額賃金×12で算出
(参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査結果概況 (6)雇用形態別にみた賃金」)
図表1より、フリーターなど正社員以外の労働者の平均月額賃金は、年齢が上がっても変化が少なく、基本的に横ばいで推移していることが分かります。一方、正社員の平均月額賃金は、年齢が上がるにつれて増加し、フリーターなど正社員以外の労働者との賃金格差が大きくなっています。
したがって、長期的な視点で見ると、20代のうちから正社員で働くことは賃金において大きなメリットがあるといえます。
正社員とフリーターの各種制度の違い
正社員とフリーターなど正社員以外の労働者の会社における各種制度等の適用状況別労働者割合を図表2にまとめてみました。これから分かるように、フリーターなど正社員以外の労働者は正社員と比べて、各種制度が適用されにくい傾向があります。
正社員は社会保険(雇用保険、健康保険、厚生年金)の加入率が9割以上であり、退職金制度や賞与支給制度も8割を超えています。したがって、正社員のほうがさまざまな制度が適用されるため、正社員で働くことは大きなメリットがあるといえます。
図表2:就業形態、現在の会社における各種制度等の適用状況別労働者割合(%)
| 区分 | 雇用保険 | 健康保険 | 厚生年金 | 企業年金 | 退職金 制度 |
財形制度 | 賞与支給 制度 |
福利厚生施設等の利用 | 自己啓発援助制度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 正社員 | 92.5 | 99.3 | 99.1 | 30.2 | 80.7 | 48.7 | 86.2 | 54.5 | 37.1 |
| 正社員以外の労働者 | 67.8 | 54.8 | 52.2 | 5.1 | 9.6 | 6.5 | 31.2 | 23.9 | 10.0 |
(出典:厚生労働省「平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査」)
まとめ
フリーターなど正社員以外の労働者の平均月額賃金は、年齢が上がっても、基本的に横ばいである一方、正社員の平均月額賃金は、年齢が上がるにつれて増加し、フリーターなど正社員以外の労働者との賃金格差は大きくなります。
また、社会保険などの各種制度においても、正社員のほうが適用割合は大きくなっています。したがって、給与面と社会保険などの各種制度面からは、正社員になったほうがメリットは大きいと判断されます。
出典
厚生労働省 正社員? フリーター? 何が違うの??
厚生労働省 若年者雇用対策の現状について
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況 (6) 雇用形態別にみた賃金
厚生労働省 平成26年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況
執筆者 : 堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー
