更新日: 2022.04.08 年収

住宅ローンの審査と年収の関係性

住宅ローンの審査と年収の関係性
住宅ローンの審査の基準となるのは年収です。経済力の指標でもある年収は住宅ローンの審査と密接な関係にありますが、住宅ローンの審査は年収以外の面もあわせてチェックされます。
 
そこで今回は住宅ローンの審査と年収、さらには年収以外のどのような点がチェックされるのかなど、細かい点をリサーチしてみました。
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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多くの金融機関の年収基準は200万~300万円以上

多くの金融機関は住宅ローンの年収基準を200万~300万円以上としています。しかし、年収が200万~300万円以上あれば、いくらでも借り入れできるわけではありません。

実際の借入可能額は借入先の金融機関の審査によって決まりますが「年収の5~7倍」「返済負担率30%~35%以内」といった目安があります。

それぞれの内容について見ていきましょう。

借入可能額は一般的に年収の5〜7倍程度

住宅ローンの借入金額は、申込者の収入や勤務先、勤続年数、借入状況、信用情報などを審査したうえで決まりますが、おおよその目安として年収の5~7倍程度といわれています。

以下は年収別の借入可能額目安です。

年収/倍率 5倍 6倍 7倍
400万円 2000万円 2400万円 2800万円
500万円 2500万円 3000万円 3500万円
600万円 3000万円 3600万円 4200万円
700万円 3500万円 4200万円 4900万円
800万円 4000万円 4800万円 5600万円

実際の借入金額は審査で決まるため、上記より少ない場合や多い可能性もあります。借入可能額を知る1つの基準として「年収の5~7倍」という目安があることを覚えておきましょう。

一般的に返済負担率は30%~35%以内

一般的に住宅ローン審査では、返済負担率が30%~35%以内でないと融資が下りないといわれています。返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合です。返済負担率が高いほど、年収に占める年間返済額の割合が多いことを表します。

仮に、年収400万円で毎月の住宅ローン返済額が8万円の場合「96万円÷400万円=0.24」となり、返済負担率は24%です。もし、毎月返済額が10万円であれば「120万円÷400万円=0.3」で返済負担率は30%になります。

例えば、住宅金融支援機構のフラット35を申し込む際には、以下の返済負担率を満たす必要があります。

年収 400万円未満 400万円以上
返済負担率 30%以下 35%以下

借入可能額を知りたい場合は、返済負担率からもシミュレーションするようにしましょう。

年収だけじゃない住宅ローンの審査の6つのポイント

住宅ローンの審査の際、分かりやすい基準となるのが年収です。返済能力は年収にある程度比例しますので、住宅ローンを審査する側としても無視することはありません。

しかし、決して年収だけで判断している訳でもありません。一般的には「年収の何倍まで借りられる」といった情報もありますが、年収以外にどのような点が審査の対象となるのかについて見てみましょう。

①勤務年数や会社規模、家族構成などトータルで審査される

年収以外にも勤務している会社の規模、勤続年数など経済力を示すものがあり、それらも住宅ローンの審査対象となります。これらによって収入の安定性が見えてきますし、家族構成によっても出費が異なりますので審査に影響が出る可能性があります。

そのため、年収が高いものの、勤続年数が短かったり、会社の規模が小さかったりすると住宅ローンの審査に落ちてしまうケースも珍しくありません。年収を含め、経済力に関する部分がトータルで審査されると覚えておきましょう。

②他社からの借り入れの有無も関係がある

他社からの借り入れの有無も審査の対象となります。他社からの借り入れがある場合、その返済と住宅ローンの二つの返済に追われることになります。経済的に余裕があるなら審査に通過するかもしれませんが、住宅ローン以外の借入金額が審査の際に大きな足かせとなる可能性は高いです。

そのため、住宅ローンの審査に通過したいのであれば、できる限り他社からの借入金額がない状態にしておくことが望ましいといえます。

③借入希望額と年収のバランス

借入希望額と住宅ローン申込者の収入や属性のバランスも重要です。例えば借入希望額に対し年収があまりにも低すぎる場合、審査に通過する可能性は低いでしょう。住宅ローンは最大35年間の長期間にわたって返済するものであることから、収入からどれだけ返済に回せるのかなど、バランスも見ています。

④年齢も関係する

年齢もまた、年収と同様に大きな審査ポイントです。一般的な住宅ローンは35年が最長となっており、わが国の雇用制度は65歳が定年です。そのため、30歳でローンを組むと65歳で返済終了となり、このケースであれば給与所得を受け取っている間に住宅ローンを完済できます。

しかし、40歳で住宅ローンを組む場合、75歳まで返済を続けることになります。実際には繰り上げ返済等を活用し定年前までに完済する人が多いのですが、定年で現役を退いた後は収入が年金のみとなってしまうことから返済が大きな負担になる可能性があります。そのため、申込時の年齢も1つの目安となります。

関連記事「住宅ローンの審査に年齢は関係ある?年齢制限と団信の審査も解説」

⑤健康状態も影響する

健康状態が悪いと住宅ローンを利用できない可能性があります。ほとんどの民間金融機関の住宅ローンでは、団体信用生命保険への加入が義務付けられているからです。健康状態が悪く団信に入れない場合は住宅ローンも利用できません。

住宅金融支援機構のフラット35など団信への加入が任意の住宅ローンであれば大丈夫ですが、そうでない場合は健康状態も住宅ローン審査に影響します。「健康状態は悪いけどバレないように申告しよう」と虚偽申告してしまうと告知義務違反となり、保険金が受け取れなくなるため注意してください。

関連記事「健康診断の住宅ローンへの影響とは? 団体信用生命保険についても解説」

⑥過去の支払い遅延・滞納

過去に自動車ローンや携帯料金、水道光熱費、税金などの支払い遅延や滞納がある場合は、住宅ローン審査に落ちる可能性があります。遅延や延滞履歴は、CICやJICC、JBAなどの信用情報機関に記録されているからです。

住宅ローンの審査では、申込者の信用情報に問題がないか信用情報機関に照会します。その結果、支払い遅延や延滞があると審査結果に影響する可能性が高いです。

例えば、消費者金融や信販会社、クレジットカード会社で延滞がある場合は、CICに5年程度情報が残ります。過去に支払い遅延や延滞がある方は、信用情報機関に情報開示請求をして確かめてみるといいでしょう。

年収が低いけど住宅ローンの審査に通りやすい属性

住宅ローンの審査は年収だけではなく、さまざまな点が審査されます。そのため、年収が低いものの、審査に通るケースもあります。その場合の条件等を見てみましょう。

公務員

公務員は倒産リスクがないことから、民間よりも安定性があります。国・行政に勤めていますので、倒産する可能性が極めて低く、年功序列型の給与スタイルなので年齢と共にお給料が増えます。そのため、住宅ローンを審査する側は、「今の年収が低くともいずれ上がる」「安定しているから大丈夫」と判断しますので、審査に通りやすい傾向にあります。

大企業や歴史ある企業勤務

歴史のある企業や一部上場企業に勤務している場合、企業体力に優れていますので審査に通りやすいです。年収がさほど高くはないとしても、公務員同様に倒産リスクが低いことから、住宅ローンも継続して支払えると判断されやすいのです。

医者や弁護士

医者や弁護士もさまざまではありますが、高所得者層になりやすい傾向が多く、住宅ローンの審査に通りやすいです。ただし、決して医者や弁護士だからといって無条件で審査に通るわけではありません。

自己資金が多い人

年収が低くても自己資金が多い人は審査に通りやすい属性といえます。自己資金が多いほど借入金額は少なくなり、返済負担率が低くなるからです。

例えば、年収350万円で借入金額2500万円、金利1%(固定金利)、借入期間35年で返済方式が元利均等方式の場合、毎月返済額は7万571円となり、返済負担率は24.1%です。自己資金が700万円ある場合は、借入金額が1800万円になり毎月返済額は5万811円、返済負担率は17.4%となります。
※住宅保証機構株式会社「返済額の試算」を使用してシミュレーション。

このように、自己資金があると借入金額が減り、返済負担率も下がるため審査に通りやすくなります。

年収が高いけど住宅ローンの審査に通りにくい属性

年収が低いものの住宅ローンの審査に通りやすい属性もあれば、逆に年収が高いものの、審査に通りにくい属性もありますのでそちらも覚えておきましょう。

勤続年数が短い会社員

勤続年数が短い場合、安定性の面で不安視されます。そのため、転職したばかりの場合、勤続年数が短くなってしまうので年収が高くとも、審査においてはマイナスに影響してしまいます。

自営業・フリーランス

自営業者やフリーランスの場合、年収が高くとも収入の安定性という面ではどうしても会社員に劣ります。会社員の場合、在籍している限りは給料を手にできますが、自営業者やフリーランスの場合、必ずしも毎年その収入になるとは限りません。年収が前年度よりも減少する可能性もありますので、安定性が疑問視され、審査に通りにくくなってしまいます。

派遣社員や契約社員

年収が高い人でも、派遣社員や契約社員であれば住宅ローン審査に落ちる可能性があります。一般的に派遣社員や契約社員は、正社員よりも収入が不安定と見られやすいからです。年収が高くても「一過性のもの」「翌年度以降はわからない」など不安視される恐れがあります。

経営者

会社経営者も年収が高くても審査に通りにくい属性といえます。自営業やフリーランス同様、収入が不安定と見られやすいからです。会社の決算書や源泉徴収票、確定申告書の直近3期分など、他の属性と比べて提出する書類も増えることが多いです。書類が増えるということは、その分審査で見られるポイントも多くなるということです。

また、赤字決算や繰越損失、債務超過などがあれば申し込みすらできない可能性もあります。申し込み時点で会社の売り上げや利益が出ており、経営者の年収が高くても住宅ローン審査に落ちることがあるので注意が必要です。

借金やローンを抱えている

高い年収を誇っても、年収に見合わない高額な借金やローンを抱えている場合、住宅ローンの審査に通りにくいです。いくら高年収でも借金額が多く、給料の多くを返済に回しているような状況では、住宅ローンの審査に通る可能性は低いでしょう。

住宅ローンの審査のポイントを覚えておこう

住宅ローンの審査では年収が重要ではありますが、年収だけで判断されるわけではありません。年収以外にも、職業、勤務年数、家族構成などが審査されます。特に職業に関しては収入の安定性に直結するだけに、審査の際には大きなポイントとなっています。これらの点は住宅ローンの審査を受ける際、覚えておくとよいでしょう。

出典
※住宅保証機構株式会社「返済額の試算」

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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