最終更新日: 2020.05.15 公開日: 2020.05.17
相続

知っておきたい相続の基礎知識。遺産分割4つの分割方法とそれぞれのメリット・デメリット

執筆者 : 新美昌也

遺言書がない場合、遺産争いが生じる可能性があります。特に、親のめぼしい財産が自宅だけであった場合には自宅の処分をめぐって争族に発展するケースが多いでしょう。
 
争族を解決するための方法として「遺産分割」があります。遺産分割の方法として,「現物分割」「共有分割」「換価分割」「代償分割」があります。基礎知識を身に付けておきましょう。
 
 
新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

詳細はこちら
新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

詳細はこちら

遺産分割4つの方法

被相続人(亡くなった方)である父親の相続財産が自宅(8000万円の価値)と1500万円の現預金であり、相続人は長男と次男の2人である例を使って、遺産分割の方法についてメリット・デメリットを説明します。
 
まず、現物分割。長男には自宅、次男には預貯金というように相続財産をそのままの形で分割する方法です。分割方法が明確であるというメリットがある半面、相続人間で不公平となるおそれがあります。上記の例では、次男が長男に比べ自分が受け取る遺産の額が少なすぎると不平を言う可能性があります。
 
また、場合によっては、一方の相続人の遺留分(一定の相続人に保証されている最低限の相続分)を侵害する可能性もあります。
 
現物分割で生じる相続人間の不公平を解決する方法のひとつに共有分割があります。上記の例では、自宅については兄弟でそれぞれの持ち分(所有権)を2分の1にし、預貯金は750万円ずつ相続する方法です。
 
共有分割は相続人間の公平を図るというメリットがあるものの、自宅の共有状態は争族の原因になりかねません。例えば、相続人の1人に現金が必要になったので自宅を売却したいと考えても、共有する他方の相続人が反対すれば売却できなくなります。
 
現物分割で生じる相続人間の不公平を解決する方法には共有分割の他に代償分割もあります。代償分割とは、ある相続人が遺産を相続する代わりに他の相続人に相続分に応じた金銭を支払う方法をいいます。
 
上記の例では、長男が自宅(8000万円)を相続する代わりに、次男に代償金として3250万円支払います。こうすれば遺産を公平に分けることができます。
 
この方法であれば争族の原因になる共有状態も回避できます。しかし、代償金を支払う相続人に資力がなければこの方法は利用できないという難点があります。
 
最もシンプルな分割方法は換価分割です。遺産を売却し現金に換え分配します。相続人間の公平を図れると共に、共有分割や代償分割の問題も回避できます。しかし、相続財産を処分する必要がありますので、自宅を残しておきたい場合には利用できません。

代償金を生命保険で準備する場合の注意点

自宅を売却するつもりがない場合、代償分割はとても有効な方法です。しかし、代償金を支払う相続人に資力がなければこの方法は利用できないという問題点があります。この問題を解決する方法に生命保険があります。
 
上記の例で、長男が自宅を相続する場合、生命保険の被保険者を父親、死亡保険金の受取人を長男とする生命保険に加入します。長男は受け取った死亡保険金から代償金を次男に交付します。
 
受取人を長男とすることが重要です。設定を間違えて次男にすると、長男は代償金原資の確保に奔走しなければならなくなります。なぜなら、生命保険金は「受取人固有の財産」であり遺産分割の対象にならないからです。
 
以上のように現物分割、共有分割、代償分割、換価分割はそれぞれ一長一短があります。今回は触れていませんが、どのような分割方法を採用するかによって税金も違ってきます。税理士に税務上のアドバイスを受けると良いでしょう。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

関連記事

遺言書がない! 全員が納得する「遺産分割」をどう進めるか
代償分割について―生命保険の活用
両親が相次いで亡くなってしまった。遺産分割協議は、相続税はどうなる?
 



▲PAGETOP