更新日: 2024.05.20 贈与

GWに帰省し、両親から「孫の入学祝いに」と10万円もらいました。タンスにしまっておけば「税務署」から指摘されることはないですよね?

GWに帰省し、両親から「孫の入学祝いに」と10万円もらいました。タンスにしまっておけば「税務署」から指摘されることはないですよね?
新型コロナウイルス感染症が5類感染症に以降して初めてのGWが終わりました。実家に帰省し、久々に親戚みんなで会ったという人もいるのではないでしょうか。その際、両親から孫となる息子の入学祝いとしてお金をもらったという人もいるかもしれません。それが10万円という高額であれば、税金がかからないか心配になってしまう人もいるでしょう。
 
本記事では「10万円の入学祝いに税金はかかる可能性があるのか」「タンス預金として保管していれば税務署から指摘されることはないのか」を解説します。入学祝いを受け取り、税金の面で不安を感じている人はぜひご覧ください。
FINANCIAL FIELD編集部

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入学祝い10万円に対して税金はかかるの?

結論から言うと、今回の入学祝い10万円に関しては「税金が課されない可能性が高い」といえます。
 
財産を受け取った際にかかる税金は贈与税と呼ばれます。贈与税は1月1日~12月31日までの1年間の贈与が一定の額を超えると発生するものです。ただし贈与税には110万円の基礎控除があります。つまり、実質的に110万円までの贈与に関しては税金がかかりません。
 
今回のような110万円以下の入学祝いに関しては贈与税が発生しません。ただしこの110万円は1人が1年間に受ける贈与の総額です。2024年中にこの10万円以外に、合計100万円以上の財産を受け取った場合には贈与税がかかってしまいます。
 
なお、国税庁は、扶養義務者である両親(息子からみて祖父母)から受け取った財産について「生活費や教育費に充てるために取得した財産で、必要と認められるもの」、また「個人から受ける祝い物などの金品で、社会通念上相当と認められるもの」は贈与税が適用されない財産と定義しています。
 
今回受け取った入学祝いを学費や習い事の費用などに充てるのであれば贈与税の対象から外れ、また一般的に祖父母からの入学祝いが10万円であっても著しく高額とは言えない可能性が高いでしょう。
 

タンス預金をしていれば税務署に指摘されなくて済むの?

今回の入学祝い10万円に対して税金がかかる可能性は低いことを説明しました。
 
一方、110万円以上の入学祝いをもらった場合、タンス預金しておけば税務署に指摘されずに済むのか、気になる人もいるでしょう。結論からいうと、入学祝いをタンス預金として隠しても税務署に指摘される可能性は高いです。税務署は国民一人ひとりの口座の入出金記録や収入、財産額を把握できるKSKシステムを保有しています。
 
もし両親の口座から多額のお金が引き出され、そのお金の行方が分からない場合は、税務署から調査されることもあります。つまり、誰にも言わずに預金を金融機関に預けず家に保管したとしても、税務署にばれる可能性はあるといえます。
 

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正しく申告しないことで課される税金とは?

タンス預金で財産を隠していて、税務署から指摘された際に課される税金には「無申告加算税」「延滞税」「重加算税」があります。無申告加算税については納付すべき税額に対して50万円までは15%、50万円を超える場合は20%の割合を上乗せする形で請求されます。
 
このうち令和6年1月1日以降に法定申告期限を迎え、申告していないものについては50万円まで15%、50万円を超える場合20%、300万円以上は30%が加算されます。
 
また延滞税は納付期限を超過する日数に応じて請求される税金です。贈与を受けたら期限内に必ず税務署に申告しましょう。
 
重加算税は隠ぺいが悪質だとされた場合、過少申告税・延滞税に代わり課税されるもので、追加納付した金額の35~40%が請求されます。これら税金が課税されることを考えると、正しく税金を申告すべきであることが分かるでしょう。
 

入学祝い10万円だけなら税金はかからない! タンス預金をしても税務署に指摘されることもある

息子の入学祝いとして両親から10万円をもらっても、贈与税110万円までは税金がかからない可能性が高いことを解説しました。また110万円以上の高額のお祝いをもらってタンス預金として隠しても、税務署の目をかいくぐることができない可能性は十分にあります。正しく申告し、加算税や延滞税といった加算税を払うことにならないよう注意しましょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.2026 確定申告を間違えたとき
国税庁 延滞税の計算方法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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