「家を買うときに500万円援助する」と親に言われました。住宅資金援助なら申告しなくても非課税になりますか?
今回の記事では、住宅資金の援助が課税される条件や非課税になる金額、手続きなどについて解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
住宅資金の援助は課税される?
住宅資金の援助も贈与のひとつに該当しますが、条件を満たしていれば一定金額まで贈与税が非課税のまま受け取れる可能性があります。国税庁によると、非課税となるのは次の条件を満たしている場合です。
・令和6年1月1日~令和8年12月31日までの間に直系尊属から受け取った
・受け取った目的が自分の住むための家の新築や購入、増改築のための費用として
・資金を受け取った年の1月1日時点で18歳以上
・資金を受け取った年の所得税にかかる合計所得額が2000万円以下(新築や購入、増改築をする家の床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満のときは、1000万円以下)
・一定のケースを除いて、平成21年分~令和5年分までの住宅資金の贈与の非課税制度を利用していない
・自分の配偶者や特別な関係にある人から家の新築や増改築の請負契約をしたり購入したりしていない
・資金を受け取った年の翌年3月15日までにその資金の全額を使用して新築や購入、増改築などを行う
・資金を受け取った時点で日本に住んでいる
・資金を受け取った翌年3月15日までにその家に住むこと、または同日後遅滞なくその家に住むことが確実である
なお、資金を利用していても、受け取った翌年12月31日までに住んでいなければ、原則として非課税にはなりません。また、非課税限度額は住宅の性能によって異なり、省エネ等住宅は1000万円、それ以外の住宅は500万円です。
合計所得額とは
合計所得とは、給与所得や事業所得、不動産所得などの総合課税の対象となる所得を合計した金額です。会社から給料を受け取っており、投資をしておらず副業もしていない場合は、給与所得が実質的な合計所得額です。
所得税にかかる合計所得ではありますが、合計所得に所得税の基礎控除は含めません。
住宅資金援助の非課税額
住宅資金援助で非課税になる金額は、家の条件によって変動します。国税庁によると、省エネ等住宅とは表1内の「省エネルギー性能」「耐震性能」「バリアフリー性能」のいずれかの基準を満たしている家を指します。
表1
| 省エネルギー性能 | 耐震性能 | バリアフリー性能 | |
|---|---|---|---|
| 新築 | 断熱等性能等級5以上かつ、 一次エネルギー消費量等級6以上 |
耐震等級2以上か 免震建築物 | 高齢者等配慮 対策等級(専用部分)3以上 |
| 建築後未使用の家 | |||
| 建築後使用歴のある家 | 断熱等性能等級4以上か 一次エネルギー消費量等級4以上 |
||
| 増改築などをした家 |
出典:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」を基に筆者作成
資金を利用して購入する予定の家が省エネ等住宅であるかは、契約時に確認しておきましょう。
制度を利用するための手続き
住宅資金の援助であっても、制度は自動で適用されるわけではありません。もし申請を忘れると、通常の贈与として扱われます。成人済みの子どもが親から500万円の贈与を受けた場合、基礎控除110万円を除いた390万円が課税対象です。このとき、税率は15%、控除額は10万円のため、48万5000円の贈与税を納付することになります。
非課税制度を利用するためには、資金を受け取った翌年2月1日~3月15日までの間に、贈与税の申告書に非課税制度を適用する旨の内容を記載して提出しなければなりません。その際、家の新築や購入などにかかる契約書など、書類の添付も必要です。
期限内に申告をしないと、住宅資金の援助を受けていても非課税にならないため、忘れないようにしましょう。
申告をしないと非課税にはならない
住宅資金の非課税制度は、親や祖父母などの直系尊属から、成人している子どもや孫が住宅のための資金援助を受けた場合に利用できる制度です。条件を満たしていれば最大で1000万円まで非課税で受け取れます。
ただし、自分で申告をしなければ、非課税は適用されません。制度の申告忘れにより、意図せず贈与税が課される可能性もあるため、忘れずに期限内に申告しましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)専門用語集 合計所得金額
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
