母が家族旅行の費用「100万円」をまとめて支払ってくれることに。「家族の旅行代なら贈与じゃない」と言いますが、私たち家族の分まで払ってもらって問題ないのでしょうか?
しかし、家族旅行の費用を親が負担したからといって、必ず贈与税がかかるわけではありません。今回は、母親が100万円の旅行代をまとめて支払うケースについて、贈与税との関係や注意点を解説します。
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母親が家族旅行の費用100万円を負担しても贈与税がかかるとは限らない
国税庁によると、夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から受け取った生活費のうち、「通常必要と認められるもの」には贈与税がかかりません。
ただし、「通常必要」と認められるかどうかは、金額だけで決まるものではありません。贈与を受ける人の需要や、費用を負担する人の資力などを踏まえ、社会通念上適当な範囲かどうかで判断されます。そのため、旅行費について「100万円以下なら贈与にならない」という明確な基準はありません。
例えば、母親を含む複数人で海外へ家族旅行をして、航空券や宿泊費などの合計が100万円になったとします。この100万円は母親自身の旅行代も含んだ家族全員分です。そのため、100万円全額をそのまま子ども1人への贈与と考えるわけではありません。
一方、家族旅行の費用負担が税務上どのように扱われるかは、旅行の実態や金額などによって異なります。「家族旅行だから絶対に贈与ではない」と考えるのではなく、実際の状況に応じて判断する必要があります。
100万円の旅行でも内容によっては注意が必要
家族旅行という名目であれば、いくら親に支払ってもらっても問題ないわけではありません。
例えば、旅行に母親は参加せず、子ども夫婦や孫だけの旅行費用100万円を母親が全額プレゼントするケースです。母親自身も参加する一般的な家族旅行とは状況が異なるため、母親から経済的な利益を受けたものとして、贈与に該当する可能性を考える必要があります。
旅行費には「○万円までなら問題ない」という一律の非課税ラインはありません。高額な旅行費を親に負担してもらう場合は、誰が旅行したのか、誰の費用をいくら負担したのかを確認しておくとよいでしょう。
予約確認書や領収書なども保管しておけば、後からお金の使い道を確認する必要が生じた場合に、実際の旅行費だったことを説明しやすくなります。
贈与に該当する場合は年間110万円の基礎控除も確認しよう
仮に母親が負担した旅行代の一部が贈与に該当したとしても、すぐに贈与税が発生するとは限りません。
一般的な「暦年課税」では、1月1日から12月31日までに受けた贈与の合計額から110万円の基礎控除を差し引きます。合計が110万円以下であれば、原則として贈与税はかからず、申告も必要ありません。
例えば、家族旅行100万円のうち、自分の分が25万円で、この25万円が贈与に該当したとします。その年にほかの贈与がなければ、110万円以内なので贈与税はかかりません。
注意したいのは、その年に受けたほかの贈与です。例えば、旅行代25万円とは別に母親から現金100万円を贈与されていれば、課税対象となる贈与の合計は125万円となります。
また、暦年課税の110万円は、贈与した人ごとではなく、贈与を受けた人ごとの基礎控除です。母親だけでなく父親などから受けた贈与があれば、それらも含めて確認しましょう。
まとめ:100万円という総額だけで贈与税の有無は判断できない
母親が家族旅行の費用100万円をまとめて支払ったとしても、「100万円を贈与された」と単純に考える必要はありません。母親自身の旅行代も含まれている場合などは、100万円全額が子どもへの贈与になるわけではないためです。
一方で、家族旅行なら必ず贈与税がかからないとも限りません。誰が旅行するのか、1人あたりの費用はいくらなのか、どのような旅行なのかなどによって判断が変わる可能性があります。
さらに、贈与に該当する部分がある場合は、年間110万円の基礎控除と、その年に受けたほかの贈与も確認することが大切です。判断が難しいほど高額な旅行であれば、事前に税務署や税理士へ相談しておくと安心でしょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
