生活保護を受給中の兄が、親の遺産「300万円」を相続することに。「申告したら生活保護を打ち切られるのでは?」と心配していますが、遺産を受け取ると受給できなくなるのでしょうか?

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生活保護を受給中の兄が、親の遺産「300万円」を相続することに。「申告したら生活保護を打ち切られるのでは?」と心配していますが、遺産を受け取ると受給できなくなるのでしょうか?
生活保護を受けているときに親が亡くなり、遺産を相続することになった場合、「まとまったお金を受け取ったら、生活保護を打ち切られるのでは?」と不安になる人もいるでしょう。
 
生活保護の受給中でも、遺産を相続すること自体は可能です。ただし、まとまった資産を得ると、その後の生活保護に影響する可能性があります。
 
本記事では、生活保護を受給している人が親から300万円を相続するケースを例に、生活保護がどうなるのか解説します。
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生活保護の受給中でも300万円の遺産は相続できる

生活保護を受けているからといって、親の遺産を相続する権利がなくなるわけではありません。そのため、今回のケースでも兄が300万円を相続すること自体は可能です。
 
ただし、相続した300万円を保有したまま、これまでと同じように生活保護を受け続けられるとは限りません。
 
厚生労働省によると、生活保護は利用できる資産や能力などを最低限度の生活のために活用することが前提です。預貯金や生活に利用されていない土地・家屋などがあれば、原則として生活費に充てることになります。
 
したがって、相続によってまとまった預貯金などを得た場合も、まずはその財産を生活のために活用することが基本です。
 
「生活保護に影響するなら相続放棄をすればよい」と考える人もいるかもしれません。しかし、生活保護を受け続けることだけを目的に、安易に相続放棄を選ぶことは避けたほうがよいでしょう。
 
親に借金があるなど相続放棄を検討する事情がある場合は、ケースワーカーや専門家に相談することをおすすめします。
 

300万円を相続すると生活保護が停止・廃止される可能性がある

厚生労働省によると、生活保護費は国が定める基準で計算した最低生活費と世帯の収入を比較し、収入が最低生活費に満たない場合に、その差額が支給されます。
 
今回のように300万円を相続すれば、まとまった資産を保有することになるため、生活保護が停止または廃止される可能性があります。
 
ただし、「300万円以上を相続したら必ず廃止」という全国一律の基準があるわけではありません。相続した財産の内容や世帯の状況などを踏まえて、福祉事務所が個別に判断します。
 
また、一度生活保護が廃止されても、その後二度と利用できないわけではありません。相続した財産を生活費として適切に使い、再び生活に困窮して生活保護の要件を満たせば、改めて申請できます。
 
なお、300万円を受け取っただけで相続税がかかるとも限りません。国税庁によると、相続税には「3000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除があります。
 
例えば、親の正味の遺産総額が300万円だけなら基礎控除額を下回ります。ただし、相続税は兄が受け取る300万円だけではなく、親の遺産全体を基に判断するため、ほかに預貯金や不動産などがある場合は確認が必要です。
 

遺産を相続したら福祉事務所への届出が必要

「申告したら生活保護を打ち切られるかもしれない」と考え、相続を黙っておくことは避けましょう。
 
生活保護法第61条では、収入や支出など生計の状況に変動があった場合、速やかに保護の実施機関または福祉事務所長へ届け出ることが定められています。
 
また、資力があるにもかかわらず生活保護を受けた場合、生活保護法第63条に基づき、それまで受け取った保護費について一定額の返還を求められることがあります。
 
そのため、「300万円が口座に入ってから伝えればよい」と自己判断するのではなく、相続が分かった段階で担当のケースワーカーに相談すると安心です。
 
相談する際は、相続する予定の金額や財産の種類、ほかの相続人の有無など、分かっている範囲で状況を整理しておきましょう。財産額が確定していなくても、今後必要になる届出や書類をあらかじめ確認できます。
 

まとめ:300万円を相続する場合は隠さず福祉事務所に相談しよう

生活保護を受給している人でも、親から300万円を相続することは可能です。ただし、生活保護では利用できる資産を生活のために活用することが前提となるため、相続後は生活保護が停止・廃止される可能性があります。
 
一方で、「300万円を相続すれば必ず打ち切り」と決まっているわけではありません。具体的な扱いは、資産や世帯などの状況を踏まえて判断されます。
 
相続を隠すと、保護費の返還などが必要になる可能性もあります。相続が分かったら早めにケースワーカーへ相談し、必要な手続きを確認しましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和8年度版) 財産を相続したとき
e-Govポータル法令検索 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号) 第十章 被保護者の権利及び義務 (届出の義務)第六十一条、(費用返還義務)第六十三条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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