更新日: 2021.02.10 相続

相続のキホン! 遺留分対策として生命保険を活用する

執筆者 : 新美昌也

相続のキホン! 遺留分対策として生命保険を活用する
一定の範囲の法定相続人には、最低限の取得分(遺留分)が認められています。
 
そのため、遺留分を侵害しない遺言を作成することが大切ですが、あえて、遺留分侵害額請求権を受けることを前提に金銭を準備しておくというケースもあります。後者のケースでは生命保険が役立ちます。
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新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

新美昌也

執筆者:

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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遺留分とは

民法では、人が死亡すると、その人の財産は相続人に承継されます。残された財産を「誰に」「どのような割合」で承継させるかは被相続人の意思が尊重されます。
 
相続では、民法で法定相続人の範囲と相続分を定めていますが、遺言書がある場合は、基本的に遺言書に書いてあるとおりに遺産分割することになります。
 
「愛人に全財産を相続させる」という遺言書も有効です。しかし、いくら被相続人の意思を尊重するといっても、「愛人に全財産を相続させる」などを認めてしまうと、遺族が生活に困る場合もあり、気の毒です。
 
そこで、民法では一定の相続に対して最低限相続できる財産を「遺留分」として保障しています。この遺留分が保障されている相続人は、配偶者、子ども、直系尊属(父母など)です。相続人が父母・祖父母などの直系尊属のみの場合には、相続財産の3分の1、その他の場合は相続財産の2分の1が保障されます。
 
つまり、「遺留分=(遺留分を算定するための財産の価額)×2分の1(直系尊属のみが相続人である場合は3分の1)×(遺留分権利者の法定相続分)」で求めます。
 
例えば、Aが死亡し、相続人として配偶者と子ども2名のみのケースで、Aが「愛人に全財産(1億円)相続させる」という遺言をしたとします。全員が遺留分を主張したとすると、配偶者の遺留分は2500万円、子どもの遺留分はそれぞれ1250万円になります。
 
なお、兄弟姉妹には遺留分は保証されていませんので留意しましょう。
 

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遺留分が侵害されたときの対処法

令和元年7月1日から遺留分を侵害された相続人は、被相続人から多額の遺贈または贈与を受けた者に対して、遺留分侵害額に相当する金銭を請求することができるようになりました。
 
それまでは、遺留分減殺請求をすると、贈与または遺贈は遺留分を侵害する限度において失効し、贈与または遺贈された目的物の所有権は遺留分権利者に戻ることになります。
 
したがって、目的物は遺留分権利者と受遺者または受贈者の共有状態になりました。共有状態は、目的物の処分や事業の継続を困難にするなどの問題がありました。
 
そこで、この問題を解決するため、改正法では、遺留分減殺請求権を遺留分侵害額請求権に改め、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求するようにしました。
 
遺留分侵害額請求を受けた相続人は、目的物を換価して金銭の支払いをただちにできない場合もあります。そこで、裁判所は、一定期間その支払いを猶予することができるようになりました。
 
なお、遺留分侵害額請求は、「遺贈があったことを知ったときから1年間行使しないとき」「相続開始のときから10年を経過したとき」に時効になります。遺留分の請求を検討している方は、できるだけ早めに行うことをおすすめします。
 

遺留分対策として生命保険が有効

遺留分侵害額請求に対して、相続財産の換価が困難で支払うべき金銭の調達が難しい場合があります。例えば、相続財産の大半が事業資産などの場合です。このようなとき、生命保険が役に立ちます。
 
被相続人は、相続財産を取得させたい人を受取人とする生命保険に加入すれば、相続財産を承継した人は、遺留分侵害額請求に対して相続財産を処分して換価する必要がなくなります。
 
また、生命保険金(死亡保険金)は、保険金受取人の固有の財産です。原則、相続財産には含まれず、遺産分割の対象とならないので、遺留分の計算の際に考慮されないのもメリットです。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。
 

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