いまさら聞けない「介護保険制度」とはどんな仕組み?

配信日: 2020.10.17

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いまさら聞けない「介護保険制度」とはどんな仕組み?
40歳以上の人は介護保険料を負担する被保険者となりますが、実際に自分自身や自分の親などに介護が必要になったとき、どのような保険給付が受けられるのかなど、介護保険制度について、あまりよく知らないという人は多いのではないでしょうか。
 
そこで今回は、介護保険制度の被保険者、給付対象者、保険給付、自己負担割合などについて解説します。
中田真

執筆者:中田真(なかだ まこと)

CFP(R)認定者、終活アドバイザー

中田FP事務所 代表

NPO法人ら・し・さ 正会員
株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師

給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンだったが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP(R)資格を取得。
現在、終活・介護・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。
https://nakada-fp.com/

介護保険制度とは

介護保険制度は、介護を必要とする高齢者の増加や核家族化に伴い、家族の負担増加や介護離職が社会問題となったことなどから、保健医療や福祉サービスに関わる給付を行うなど、高齢者の介護を社会全体で支えることを目的に2000年に創設された制度となります。

被保険者

介護保険の被保険者は、以下のいずれかに該当する人となります。
 
【第1号被保険者】
65歳以上の人
 
【第2号被保険者】
40歳以上65歳未満の人

給付対象者

介護保険の給付を受けるためには、市区町村で要介護認定または要支援認定を受ける必要があります。認定の基準は、要介護認定:要介護1~5と要支援認定:要支援1、2の計7段階となっています。
 
第1号被保険者は、原因を問わず、要介護認定または要支援認定を受けたときに介護サービスを受けることができます。一方、第2号被保険者は、加齢に伴って生じる心身の変化に起因する疾病(特定疾病)が原因で、要介護認定または要支援認定を受けたときに介護サービスを受けることができます。
 
なお、特定疾病とは、政令で定める16種類の疾病(末期がん、関節リウマチ、脳血管疾患など)のことになります。

保険給付

介護保険の保険給付は、大きく介護給付と予防給付に分けられます。
 

【介護給付】

要介護認定(要介護1~5)を受けている要介護者に給付されるもので、主に以下のサービスを利用することができます。
 
・訪問系サービス: 訪問介護、訪問看護など
・通所系サービス: 通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーションなど
・短期滞在系サービス: 短期入所生活介護など
・居住系サービス: 特定施設入居者生活介護、認知症共同生活介護など
・入所系サービス: 介護老人福祉施設、介護老人保健施設など
 

【予防給付】

要支援認定(要支援1、2)を受けている要支援者に給付されるもので、要支援者が要介護状態になることを未然に防止することや、日常生活をできるだけ自力で行うなどの自立支援を目的とした介護予防サービス(訪問・通所リハビリテーションなど)を利用することができます。

自己負担割合

介護サービスなどを利用する場合の利用者負担割合は、以下の通りとなります。
 
【第1号被保険者】
原則1割負担ですが、一定以上の所得がある人は2割負担、現役並みの所得のある人は3割負担となります。
 
【第2号被保険者】
1割負担となります。

まとめ

介護を必要とする高齢者を支える制度である介護保険制度について解説しました。
 
介護保険制度について気になることや不明な点などがある場合は、お住まいの市区町村の担当窓口や、市区町村が運営する地域包括支援センターなどに問い合わせてみるとよいでしょう。
 
[出典]厚生労働省「介護保険制度の概要」
 
執筆者:中田真
CFP(R)認定者、終活アドバイザー

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