初めて車を買い替えるけど「中断証明書」を取らないと、等級がリセットに!? 保険料が「数万円レベル」で跳ね上がる可能性もあるの？ 知っておきたい“注意点”を解説

車を買い替えるときに気をつけたいのが、自動車保険の等級の引き継ぎを忘れないようにすることです。自動車保険の等級は、無事故の年数を重ねることで上がっていき、高いほど保険料が割引されます。
 
ところが、車の買い替えるときに適切な手続きをしないと等級がリセットされる可能性があるため注意が必要です。本記事では、車の買い替えによって等級がリセットされるケースと、それを防ぐために必要な「中断証明書」について解説します。

中断証明書とは？

中断証明書とは、自動車保険の契約を一時的に中断したことを証明する書類のことです。これを取得しておくことで、所定の条件を満たせば中断前の等級を新しい車でも引き継げます。
 
通常、中断証明書の有効期限は自動車保険の契約満了日（もしくは解約日）の翌日から10年間です。これは車の買い替えだけでなく、例えば車を手放してしばらく新しいものを買う予定がない場合や、海外に一時的に滞在する場合にも有効なので、発行しておくと良いでしょう。
 
中断証明書を使わずに新たに自動車保険に契約してしまった場合、新規の契約と同じ6等級からスタートすることになります。
 

中断証明書が必要なのはどんなとき？

中断証明書は車を買い替えるときに必ずいるというものではありません。ここからは、中断証明書が必要なケースと不要なケースを見ていきます。
 

古い車を手放すタイミングと新しい車を買うタイミングが一緒なら不要

古い車を手放すタイミングと新しい車を購入するタイミングが重なる場合、中断証明書は不要となります。保険会社に連絡して契約車両の変更手続きを行うことで、等級を引き継げるからです。
 
例えば、古い車を下取りに出してそのまま新しい車に乗り換えるケースでは、契約車両の変更手続きによってスムーズに等級が移行されます。特に追加の手続きは不要です。
 
また、自動車保険は解約後1週間以内に契約をすれば等級を引き継げます。したがって、古い車を手放して契約を解約したのち1週間以内に新しい車が納車され、再契約する場合は等級の引き継ぎが可能です。
 

次の契約まで1週間を超える場合は中断証明書が必要

古い車を手放してから新しい車を購入するまでに1週間を超える場合は、中断証明書を取得しておく必要があります。
 
例えば、古い車を譲る予定の友人は早く車を欲しがっているが、新車の納品がそれに間に合わないケースなどがあるはずです。解約時に中断証明書を取得し、新しい車で契約するときに等級の引き継ぐ手続きを行いましょう。
 
なお、古い車を手放してから新しい車が届くまでの期間が1ヶ月以内の場合は、そのまま契約を継続し、新しい車が届いたタイミングで契約車両の変更手続きをするという方法もあります。この場合は中断証明書の取得は不要です。
 

6等級と17等級で自動車保険料はいくら違う？

中断証明書を取らずに等級がリセットされてしまうと、保険料にはどのくらいの差が出るのでしょうか？ 例えば、無事故期間を重ねて等級が上がった17等級で契約する場合と、リセットされて6等級となった場合を考えましょう。
 
17等級の割引率は55％（事故なしの場合）、6等級は13％です。ある自動車保険会社で「ホンダ フィット・車両保険付き」で見積もりを取ったところ、17等級を引き継いだ場合の年間保険料は4万9350円。
 
一方、等級がリセットされて6等級から再スタートすると、保険料は10万230円となり大きな差がつきます。この金額は一例ですが、この差は決して小さくありません。
 

買い替えるときの等級リセットを防ぐために

車を買い替える際は、自動車保険の等級を引き継ぐ手続きを忘れないことが重要です。古い車を手放してすぐに新しい車を購入する場合は、契約車両の変更手続きで等級を引き継ぎますが、次の契約まで1週間を超える場合は「中断証明書」を取得したほうがよいでしょう。
 
等級を引き継がないと保険料が大幅に上がることがあります。また、しばらく車を買う予定がない場合や一時的に海外に住む場合も、中断証明書を使って等級を引き継ぐ準備をしておきましょう。
 
執筆者：浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士