教育資金の準備として学資保険の加入を検討しています。中学校・高校・大学の入学ごとに祝金や満期保険金が支払われるタイプですが、税金の取り扱いはどのようになるでしょうか。
この記事では、祝金や満期保険金を受け取ったときの税金について解説します。
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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学資保険(こども保険)のしくみ
学資保険は、例えば親が「保険契約者(保険料負担者)」、子どもが「被保険者」、親が「受取人」として契約し、親と子どもが生存している場合に入学祝金や満期保険金が受け取れる貯蓄性の高い生命保険です。
ただし、契約後短期間で解約した場合は元本割れしますので注意しましょう。なお、保険料は生命保険料控除の対象となり、所得税・住民税の負担軽減に役立ちます。
保険期間の途中で親(保険契約者)が死亡・高度障がい状態になった場合、その後の保険料の払込みが免除されるのが特長です。さらに、満期まで毎年、養育年金が受け取れる商品もあります。子どもが死亡した場合には、死亡給付金(既払保険料相当額)が受け取れます。
学資保険のタイプには、小学校・中学校・高校・大学といった子どもの入学や進学に合わせて、祝金や満期保険金が受け取れるタイプのものや、18歳から22歳までなど数年にわたって毎年学資年金を受け取れるタイプのものがあり、税務上の取扱いが異なります。
つまり、入学や進学に合わせて受け取る祝金は一時所得、毎年受け取る学資年金は雑所得の対象として所得税・住民税が課せられます。
契約者・被保険者の加入できる年齢は、保険会社やタイプによって異なりますのでよく確認しましょう。特に、子どもの年齢を13歳までとする保険会社もありますが、6歳または7歳までとするところが多いようですので就学前までに検討しましょう。
祝金・満期保険金の税金
親が「保険契約者(保険料負担者)」、子どもが「被保険者」、親が「受取人」の場合、入学や進学に合わせて受け取る祝金・満期保険金は「一時所得」として所得税・住民税の課税対象です。
一時所得の金額は、総収入金額から、その収入を得るために支出した金額を差し引き、さらに特別控除額(最高50万円)を控除して求めます。そして、実際に総所得金額へ算入されるのは、この金額をさらに2分の1にした金額になります。
学資保険に当てはめると、一時所得の金額は、受け取った祝金から既払保険料を必要経費として差引き、さらに特別控除額(最高50万円)を控除して求めます。
2回目の祝金を受け取る場合、必要経費として差し引くことのできる経費は、「既払保険料-1回目の祝金」です。3回目の祝金を受け取る場合は、「既払保険料-1・2回目の祝金」となります。
計算例
入学や進学に合わせて支払われる祝金・満期保険金を受け取ったときの、課税所得の計算は次のとおりです。
・契約者(保険料負担者)および受取人:30歳 男性
・被保険者: 0歳 男性
・保険料:年8万円
・保険料払込期間:18歳まで
・祝金:中学入学時(12歳)に30万円、高校入学時(15歳)に30万円
・満期保険金:18歳時に100万円
(1)中学入学時(12歳)の祝金
{祝金30万円−(8万円×12回)−特別控除額}×1/2=0
(2)高校入学時(15歳)の祝金
{祝金30万円−(8万円×15回−30万円)−特別控除額}×1/2=0
(3)満期祝金
{祝金100万円−(8万円×18回−60万円)−特別控除額}×1/2=0
まとめ
小学校・中学校・高校・大学の入学ごとに受け取る祝金・満期保険金は、一時所得として所得税・住民税の課税対象となり、18歳から22歳までなど毎年(連年)受け取る学資年金は雑所得となるので留意しましょう。
出典
国税庁 No.1490 一時所得
執筆者 : 新美昌也
ファイナンシャル・プランナー
