最終更新日:2019.01.10 公開日:2018.10.19
暮らし

未婚、子供なし、一人っ子・・身内がいない人の財産の行き場はどこに

子どもがいない、あるいはそもそも未婚、もしくは未婚で一人っ子。そんな方が亡くなると、その方の財産はどうなるのでしょう。
 
少子化がすすむ昨今、これからの相続対策は相続人がいない(もしくは少ない)人ほどしっかりと考えていく必要があると言えそうです。
 

法定相続人の範囲

法定相続人とは民法で定められた相続人のことです。
 
配偶者は常に相続人となり、それ以外の人は第一順位から第三順位までの順位が決まっています。
 
*第一順位・・子。子がすでに死亡している場合は孫になります。
*第二順位・・被相続人の直系尊属である親。両親ともに亡くなっている場合は祖父母になります。
*第三順位・・兄弟姉妹。兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥姪になります。
 
簡単に説明すると
配偶者・子 → 親 → 兄弟となります。
 
例えば、子のいない夫婦の場合、配偶者が亡くなり親も亡くなり一人となってしまったときに、兄弟姉妹がいれば兄弟姉妹が相続人となります。
 
兄弟姉妹も亡くなっていれば甥姪が相続人となりますが、甥姪が亡くなっている場合は甥姪の子は相続人とはなりません。
 
このような場合、亡くなった方の債権者、家庭裁判所で審判を受けた特別縁故者(被相続と生前とても関りが深く、相続財産を取得するに値すると家庭裁判所が認めた者)、相続財産の共有者、という順番で相続財産を取得できます。
 
これらの者がいない場合には、相続財産は国庫に帰属します。また、未婚で兄弟姉妹もいない一人っ子は、両親が亡くなっていれば祖父母が相続人になりますが、祖父母も亡くなっている場合は前述と同様です。
 
財務省によると相続人が不在のために、国庫に帰属した財産の額は年間400億にもなるというから驚きです。そうならないためにはどうすればいいのでしょうか?
 

財務省「普通財産を巡る状況について」より引用
 

遺言で財産の行き先を決める

お一人さまや子のいない夫婦は、ご自身の財産が「国庫に帰属してもいい」という場合は別ですが、財産の行き先を自分で決めておいた方がいいでしょう。
 
遺言をし、財産の遺贈先を決めておけば、国庫に帰属することはありません。友人など血縁関係にない人を指定することもできますし、寄付先を指定しておくこともできます。
 
遺言執行者を指定し、確実に遺言が実行されるようにしておけばより安心です。
 

財産の行き先以外にも準備しておくべきこと

万が一、準備もなにもせずに亡くなってしまった場合、引き取り手のないお一人さまは「墓地埋葬等に関する法律」により、遺体の発見された市区町村が火葬します。
 
一般的に、市区町村が遺骨を一定期間保管し、保管期間終了後に集合墓に合祀(ごうし)されます。誰しも、自分自身がいつ判断能力をなくすか、亡くなるかは分からないものです。
 
ご自身が亡くなった後のことを考えるのは気が重いでしょう。だからといって、問題を先送りし、なにもしないでそのときを迎えることは避けたいものです。
 
また、亡くなった際のことより考えておいた方がいいことがあります。
 

介護状態になった場合どうするのか?

介護状態になった際に、誰に世話を頼むのか。その際の財産管理はどうするのか。介護施設に入所する際の身元引受人は誰に頼むのか。自宅に一人でいるときに倒れてしまったら?などの財産管理・身上監護について、考えておくべきこと、準備しておくべきことは山ほどあると思います。
 
頼るべき親族がいない場合は、友人やコミュニティを活用し、いざという時に困らない仕組みを作る必要があるでしょう。
 
また、弁護士、司法書士などの専門家に、見守りや財産管理・死後事務などを依頼しておけば安心だと思います。ただし、それなりに費用も掛かりますので、しっかりと調べて信頼できる専門家を選びましょう。
 
どうですか?筆者も子なし夫婦なので、いざという時に困らないようにいろいろと準備を始めています。
 
やること・考えるべきことがたくさんあって、気が滅入ることもありますが、気力体力が充実しているうちにシステムをしっかり作っておけば、安心して老後が迎えられます。身内がいない方だけでなく、どの方も相続対策は早めに行いましょう。
 
出典
財務省「普通財産を巡る状況について」
 

Text:一橋 香織(ひとつばし かおり)
相続診断士事務所

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一橋香織

執筆者:一橋香織(ひとつばし かおり)

相続診断士事務所

笑顔相続サロン代表、全国相続診断士会会長、東京相続診断士会会長
アフィリエイティッドファイナンシャルプランナー【AFP】、2級ファイナンシャルプランニング技能士【国家資格】 、相続診断士、終活カウンセラー上級、家族信託コーディネーター
外資系金融機関を経てFPに転身。頼れるマネードクターとしてこれまで2000件以上の 相続・お金の悩みを解決した実績を持つ。講演・メディア出演(朝日テレビ「たけしのTVタックル」TBSテレビ「Nスタ」「ビビット」など)多数。
日本初のシステムノート型システムダイアリー㈱の『エンディングノート』監修。著書「家族に迷惑をかけたくなければ相続の準備は今すぐしなさい」PHP出版はアマゾン相続部門1位・丸善本店ビジネス部門で1位を獲得する。近著『終活・相続の便利帳』枻出版社。笑顔相続を普及するため専門家を育成する『笑顔相続塾』を主宰。連絡先:https://egao-souzoku.com/



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