更新日: 2020.06.20 その他暮らし
三密を避けるために自転車通通勤!知っておきたい自転車に関する法律のこと
事実、厚生労働省が作成した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の中でも、自転車通勤に関して推進しています。
この三密を避ける以外でも健康増進にもなり、環境にも優しく、普段の足としても手軽に利用されている自転車で、事故を起こさないため交通ルールを再度確認してみましょう。
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
目次
コロナの影響による自転車通勤に関して国の見解
厚生労働省が発表した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」では、下記のように述べられています。
4)職場への出勤等
1.特定警戒都道府県は、事業者に対して、以下の取組を行うよう働きかけを行うものとする。(中略)
・ 職場に出勤する場合でも、時差出勤、自転車通勤等の人との接触を低減する取組を引き続き強力に推進すること。
2.特定警戒都道府県以外の特定都道府県は、今後、持続的な対策が必要になると見込まれることを踏まえ、事業者に対して、以下の取組を行うよう働きかけを行うものとする。
・ 引き続き、在宅勤務(テレワーク)を推進するとともに、職場に出勤する場合でも、時差出勤、自転車通勤等の人との接触を低減する取組を推進すること。
つまり、三密を避ける意味でも自転車通勤を推奨しています。
自転車に関する法規制について。どこを通行すればよいの?
まず、自転車はどこを走ればいいのでしょうか。自転車は歩道と車道の区別がある道路では車道を通行しなければいけません(道路交通法17条)。
また、道路では左側を通行しなければならず、特に、車両通行帯のない道路では、道路の左側端を通行しなければいけません(同法18条)。さらに自転車同士は並進してはいけません。(同法19条)
このように基本は車道通行ですが、自転車専用通行帯が設けられている道路では、この通行帯を通行しなければいけませんし(同法20条)、自転車道が設けられている道路は自転車道を通行しなければいけません(同法63条の3)。
例外として、道路標識等により、自転車が当該歩道を通行することができるとされているときや、児童や幼児のように車道を走るのが危険な場合は歩道を通行することができます(同法63条の4)。
また、道路を横断する場合や交差点を通行する場合に、その付近に自転車横断帯があるときは、当該横断帯を通行しなければなりませんし(同法63条の6、同条の7)、右折の場合は二段階右折をしなければなりません(同法34条)。
自転車に関する法規制について。通行時の義務等
当然のことですが、自転車も通行時には信号機に従う義務があります(同法7条)。その際に横断歩道を進行して道路を横断する場合や、歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」の標示のある場合は、歩行者用信号機に従わなければいけません(道路交通法施行令2条)。
それ以外でも自転車の運転者は、夜間の通行時の灯火義務(同法52条)、保護者としての努力義務として児童、幼児が自転車に乗るときはヘルメットをかぶらせるようにする(同法63条の10)、酒気帯び運転等の禁止(同法65条)、片手運転やスマホの操作、傘を差す等を禁止した安全運転の義務(同法70条)、といったものがあります。
万が一事故を起こしたときは
絶対にあってはならないことですが、万が一、事故を起こしてしまったら、直ちに負傷者を救護して、危険を防止する等必要な措置を講じなければいけません。また、警察に事故の内容を連絡しなくてはいけません(同法72条)。
また、自転車事故だけでなく交通違反もですが、自動車の違反のように行政処分にならず刑事処分になります。つまり、刑事処分を受ければ犯罪者として前科がつきます。
さらに事故を起こせば被害者に対し民事上も責任を負うことになり、損害賠償を請求されます(民法709条)し、会社からも解雇される可能性がありますので、精神的にも経済的にも非常に困難な立場になります。
安全第一の運転で
最初にも書きましたが、自転車はとても手軽で私たちの生活の足として身近な乗り物なので、ついつい緊張感をもたないで運転することがあります。
しかし、もし今自転車通勤を始めよう、もしくは最近始めたばかりなのであれば、もう一度交通ルール(道路交通法)を見直し、通勤時には時間と心の余裕をもって安全第一を心掛けて運転するようにしましょう。
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表