更新日: 2020.10.07 その他暮らし

使わなかったボーナス、貯金する? ローンの繰り上げ返済する? 効果的な使い方とは

執筆者 : 藤井亜也

使わなかったボーナス、貯金する? ローンの繰り上げ返済する? 効果的な使い方とは
今年は新型コロナウイルスの影響で帰省や旅行などに行けず、夏のボーナスを使わなかった方も多かったのではないでしょうか。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドは、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化していることから、およそ4000人の正社員と嘱託社員を対象に、今年の冬のボーナスを7割削減すると発表しました。
 
多くの企業が影響を受けた今年は、ボーナスの使い方について考えた方も多いと思います。いつもは消費してしまうボーナスも、今後の家計を考えると貯金や負債の返済などにまわして、効果的に使うことが重要になってきました。
藤井亜也

執筆者:藤井亜也(ふじい あや)

株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長

教育カウンセラー、派遣コーディネーター、秘書等、様々な職種を経験した後、マネーセンスを磨きたいと思い、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。
「お金の不安を解決するサポートがしたい」、「夢の実現を応援したい」という想いからCOCO PLANを設立。
独立系FPとして個別相談、マネーセミナー、執筆業など幅広く活動中。

<保有資格>
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ファイナンシャルプランナー(AFP) 、住宅ローンアドバイザー、プライベートバンカー、相続診断士、日本心理学会認定心理士、生理人類学士、秘書技能検定、日商簿記検定、(産業カウンセラー、心理相談員)

<著書>
「今からはじめる 理想のセカンドライフを叶えるお金の作り方 (女性FPが作ったやさしい教科書)」※2019年1月15日発売予定

ボーナスの使い道

以下はボーナスの使い道のアンケート結果です。
 
●2020年夏のボーナスの使い道
(3つまでの複数回答)「Pontaリサーチ」調べ(※1)
 
1位:貯金・預金:35.6%
2位:旅行(宿泊を伴うもの):8.6%
3位:食品(普段食べるもの):5.6%
4位:外食(食堂・レストラン、和・洋・中ほか専門店):5.3%
5位:衣服:3.7%
6位:財形貯蓄:2.7%
7位:ローンや借入の返済:2.7%
8位:旅行(日帰り):2.3%
9位:食品(お取り寄せなど、特別なもの):2.1%
10位:子どもの教育:2.0%
 
やはり使い道のトップは貯金・預金でした。これからどうなるのだろうという不安から、少しでも預貯金を増やしておきたいと考える方が多かったのでしょう。
 
7位にはローンや借入の返済が入りました。
普段は気にすることが少ない「利息」ですが、預貯金と借入金とでは利息に大きな差があります。同じお金を投じるのであれば、効果的な使い方を考えて、分配して投じることをお勧めしています。
 
では、利息について詳しく見ていきましょう。
 

預貯金とローン(借入金)の利息は?

現在、預貯金の金利は普通預金であれば、0.001%~0.1%となっており、ネットバンクのほうが金利は高めとなっています。
定期預金も0.002%~0.250%となり、こちらもネットバンクの金利が高くなります。
 
100万円を預け入れた場合、金利が0.001%であれば利息は10円です。
金利が0.250%でも利息は2500円となります。
ボーナスを預貯金に入れても、お金を貯めることはできますが、増やすことは難しいのが現状です。
 
では、ローンなどの借入金の支払いをした場合はどうでしょうか。
住宅ローンで考えてみましょう。例えば、3000万円の住宅ローンを金利0.475%、35年で組んでいたとします。
 
借り入れから3年目に100万円を一部繰り上げ返済(期間短縮型)したとします。
繰り上げ返済する前と後では以下の差が出ます。

100万円投じたことにより、ローンの返済期間も1年2カ月短縮することができ、かつ、ローンの総返済額も約15万円軽減できます。
住宅ローン返済シミュレーション(※2)などがありますので、参考にしてみてください。
 
住宅ローンだけでなく車のローンやカードローンなど、金利の高い借り入れがある場合は、繰り上げ返済することで、その後の生活に大きな影響が出てきます。
 

分配投資の重要性

同じ100万円でも、預貯金であれば貯蓄が100万円増えて利息が10円ついた、という結果と、住宅ローン返済であれば返済期間を1年2カ月短縮し、総支払額を約15万円軽減できたという結果になります。
 
お持ちの資産や借入状況は人によって異なります。ボーナスというまとまったお金が入る場合は、どこにいくら投じると効果的なのかを考えてみると良いでしょう。貯金も増やしたいし借入も減らしたいという場合は、例えば50万円は預貯金に、50万円はローン返済にと分散して投じれば良いのです。
 
日頃のお金の使い方や投じ方にも通じますが、このように分散投資することでより効率的にお金を使うことができます。ぜひ、参考にしてみてください。
 
(※1)株式会社ロイヤリティ マーケティング「Pontaリサーチ会員3000人に聞いた 第41回Ponta消費意識調査 2020年6月発表『夏のボーナスの使い道、7年連続1位「貯金・預金」〜新型コロナウイルスによる収入への影響、「減った」が約3割〜』」
(※2)三井住友銀行「一部繰上返済シミュレーション」
 
執筆者:藤井亜也
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長


 

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