更新日: 2021.03.20 その他暮らし
交通事故被害の賠償金の金額や解決方法をおさらいしよう
警察庁の発表(※1)によると、2020年の交通事故件数は30万9178件。そのうち死亡事故件数は2784件にのぼっています。人口10万人当たりで考えると、約245人が交通事故に遭っており、残念ながら約2人が交通事故で命を落としているということに。
交通事故は、誰しも遭ってしまう可能性のあるもの。いざというときのために、どのような解決方法があるのか、賠償金にまつわるあれこれについておさらいしておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
事故対応を把握している人は意外に少ない? 4人に1人は事故経験アリ
今回は、弁護士相談ポータルサイト「交通事故弁護士相談広場」を運営する株式会社Agooraが発表した、交通事故アンケート調査の結果(※2)を見てみます。
交通事故に遭った際、どのような対応をしたらいいのか把握している人はどれくらいいるのでしょうか。
<回答者全員>
・説明できる 40.75%
・説明できない/説明する自信がない 59.25%
<ドライバー>
・説明できる 56.20%
・説明できない/説明する自信がない 43.80%
運転する人・しない人を含めた全国20歳から69歳の男女が「回答者全員」、そのうち週1回以上運転している人が「ドライバー」です。回答者全員より、ドライバーに絞ったほうが「説明できる」と回答した率が高いというのは納得です。
しかし、詳しく数字を見てみると、ドライバーの4割以上は「交通事故にあっても初期対応をよく把握していない」という事実が浮かび上がってきます。いざいうときのために事故対応のシミュレーションをしている人は、そこまで多くないのかもしれません。
実際、交通事故に遭ったことがあるという人はどれくらいいるのでしょうか。
・遭ったことがある 24.5%
・遭ったことはない 75.5%
当然ではありますが、交通事故経験がない人が多いということがわかります。逆に受け止めれば、およそ4人に1人は交通事故経験があるということ。決してひとごとではないといえるでしょう。
交通事故に遭った場合、慰謝料などを受け取っている人の割合は?
交通事故に遭ってしまった場合、重いけがはもちろんのこと、軽いけがでも念のため病院で診てもらうと安心です。もろもろのお金がかかってきますが、慰謝料などの受け取りはどうなっているのでしょうか。
調査対象のうち、「運転免許を持っている」「週1日以上、車に乗っている」「交通事故(人身事故)に遭ったことがある」という人に絞り、慰謝料の実態を見てみましょう。
・受け取れた 75.67%
・もらえなかった 24.33%
保険会社の規定やさまざまな事情もあるのでしょうが、必ずしも金銭的な補償を受け取れるとは限らないようです。
では、受け取った人の賠償金の金額はどれくらいになるのでしょうか。
1位:10万円未満 26.43%
2位:50万円~100万円未満 23.35%
3位:10万円~30万円未満 21.59%
4位:30万円~50万円未満 15.42%
5位:100万円~200万円未満 7.05%
もっとも多かったのは、10万円未満という回答。合計すると、およそ半数の人が30万円未満に収まっているということがわかります。
いっぽうで、「50万円~100万円未満」と回答した人はおよそ24%。通院や入院が必要になったケースであれば、それなりの賠償金を受け取れるということになりそうです。
また、休業損害や治療費の負担が大きい場合などは、保険会社との交渉を弁護士に依頼するという方法もあるとのことですので、万が一の場合は参考にできそうですね。
万が一交通事故に遭った場合は、迷わず保険会社や弁護士に相談を
最後に、交通事故の問題を解決するためにどのような手段を取るべきかをおさらいしておきましょう。
1位:自分の自動車保険会社 62.67%
2位:相手方の自動車保険会社 55.67%
3位:加害者と直接交渉した 19.00%
4位:警察 15.00%
5位:弁護士 4.33%
大半の人は、自分の自動車保険会社と相手方の自動車保険会社とやりとりをしたということがわかります。たしかに自動車保険はそのためのものともいえますので、交通事故の解決についてはこの両者とやりとりするのが正解といえるでしょう。
ただ、事故で精神的な動揺が続いていたり、治療などでなかなか交渉の時間が取れなかったりする場合は、弁護士に一任するのも手。交通事故で弁護士に相談する人はまだまだ少数派といえますが、ひとつの便利な選択であることは間違いなさそうです。
また、いっぽうでやってはいけない解決方法として挙げられるのが、「加害者との直接交渉」ではないでしょうか。
本調査で「加害者と直接交渉した」と回答した人のなかには、「示談でいいよねといわれて、頷いた後に逃げられた」と詳細を記している人も。交通事故後は頭が真っ白になって、正しい判断ができないことも考えられます。
交通事故を速やかに円満に解決するには、保険会社や弁護士などプロに相談することが大切。必ずこのような第三者を交えて相談・交渉を行えるように、常日頃からシミュレーションをしておくといいかもしれません。
[出典]
※1 警察庁「令和2年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」
※2 株式会社Agoora「交通事故アンケート調査」(@Press ソーシャルワイヤー株式会社)
株式会社Agoora「交通事故弁護士相談広場」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部