職場が「池袋」で一人暮らしを始めます。住むなら都内と埼玉県どちらがおすすめですか？

東京の副都心の一つ、池袋。オフィスも多く、周辺で働いている人も少なくありません。中には「入社する予定の会社が池袋にある」という人もいることでしょう。
 
そんな池袋で働く人が一人暮らしを始める場合、東京都と埼玉県のどちらがおすすめなのでしょうか。
 
大卒の平均初任給のデータなども交えながら、池袋で仕事をする人が一人暮らしをするのにおすすめの場所を紹介していきます。

大卒初任給で池袋駅周辺に住むのは難しい

池袋駅周辺に住むメリットは、何と言っても「生活利便性が高い」ことです。
 
駅周辺には大型商業施設が複数あり、中には夜遅くまで営業している店もあります。日々の買い物だけでなく、映画館や大小さまざまな劇場、レトロな喫茶店やおしゃれな居酒屋などグルメスポットも多く、外食派の人にも、休日を過ごすにも便利です。何より、職場が池袋であれば、通勤時間が短く済むので、本人にとっても会社にとってもメリットといえます。
 
逆に、池袋駅周辺のデメリットは家賃相場が高いこと。
 
池袋駅沿線の家賃相場はワンルームが7万4000円、1K・1DKが8万5000円です。山手線沿線の駅の中にはもっと家賃相場が高い駅もありますが、池袋駅も決して安いとは言い切れません。入居審査の際には家賃の36倍の年収があるかどうかを確認していますが、7万5000円の物件を借りる場合に必要な年収は270万円以上です。
 
「令和元年賃金構造基本統計調査結果（初任給）の概況」によると、大卒1年目の人の平均初任給は21万2800円で、年収換算すると255万3600円。入社1年目の人が池袋駅周辺で部屋を探すとなると、条件面である程度妥協が必要になるでしょう。
 
ちなみに、「平均的な大卒初任給をもらっている人が借りられるのは、7万933円の部屋まで」です。これはあくまでも計算上借りられる上限額で、一般的には「手取りの25％～30％」ほどに抑えるのがよいとされています。1ヶ月当たりの給与が21万円の人が実際にもらえる手取り収入は16万8000円前後なので、「適正家賃」は4万2000円～5万円ほど。
 
通勤や生活利便性だけを考えて池袋駅周辺に住もうとすると、貯金がなかなかたまらない、あるいは快適な部屋に住めないという悩みが出てくるかもしれません。
 

埼玉県内でもターミナル駅から離れた場所が現実的

それでは、池袋駅まで乗り換えなしで行ける路線で、家賃相場が5万円前後の駅はどこなのでしょうか。
 
まず、JR湘南新宿ラインを見てみると、浦和駅周辺は家賃相場が5万5000円ですが、確実に5万円以下となるのは大宮駅より北側の土呂駅以遠です。東武東上線だと埼玉県の上福岡駅が5万2000円、新河岸駅が4万9000円です。川越駅と川越市駅は家賃相場がやや高くなりますが、霞ケ関駅より北は5万円以下で住めます。西武池袋線だと東京都の清瀬駅・秋津駅なら5万円台半ばまで家賃相場が下がりますし、埼玉県所沢市の小手指駅周辺の家賃相場は5万円ちょうどです。
 
埼玉県内でも大宮駅や川越駅、所沢駅などのターミナル駅は家賃相場が高いため、ターミナル駅を避けて部屋探しをするのがおすすめです。しかし、東京都からあまりに離れすぎてしまうと、通勤時間が長くなってしまいますし、場所によっては車がないと生活しづらくなります。埼玉県で部屋を探すときには、実際に駅周辺を歩いて生活利便性の高さや駅を通る列車の数などを確かめてみましょう。
 

堅実に生活するなら東京都市部か埼玉県が現実的

 
新卒など勤続年数が浅い人が生活をするとなると東京23区内は家賃相場が高いため、おすすめできません。貯金しながら堅実に生活をするのならば、埼玉県に近い東京都の市部（多摩地域）か埼玉県で部屋を探すのが現実的です。
 
ただし、都心部から離れた場所の中には車がないと生活しづらいエリアもあります。部屋を探すときには、家賃や間取り図だけで判断せず、実際に駅周辺を歩くなどして、車がなくても生活できるかどうかを確かめてみるとよいでしょう。
 

出典

SUUMO 東武東上線（埼玉県）の賃貸家賃相場を調べる
SUUMO 池袋駅（東京都）の賃貸アパート家賃相場・賃料相場
SUUMO 西武池袋線（埼玉県）の賃貸家賃相場を調べる
厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査（初任給）の概況
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部