子どもが卒業旅行で友だちと青春18きっぷを使って旅をしたいといっています。青春18きっぷを使うなら片道料金がいくら以上の区間であればお得になりますか？

青春18きっぷは、友だちとの卒業旅行で特別な思い出を作りたいと考えている学生たちにぴったりな交通手段です。しかし、青春18きっぷを利用する前に、片道料金がどのくらいの区間であれば得になるのか事前に確認しておくことが大切です。本記事では、青春18きっぷをお得に活用するための基本情報や注意点を解説します。

青春18きっぷとは

青春18きっぷは、年齢に関係なく誰でも利用できるお得な乗車券です。毎年、春・夏・冬の時期に発売されています。青春18きっぷを使えば、全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席や、BRT（バス高速輸送システム）、JR西日本の宮島フェリーを1日中乗り放題で楽しめます。
 

【注意】2024年冬季から仕様変更あり

青春18きっぷは5回分が1セットになって販売されており、購入者本人以外にも最大5人まで同時に利用可能です。価格は、5回分のセットが1万2050円と、大きなコストパフォーマンスで旅行できます。
 
ただし、2024年11月26日から2025年1月8日にかけて発売される青春18きっぷは、いくつかルールが変更され、これまでの5日用に加えて3日用が新たに発売されます。価格は、1万円です。また、もう1つ大きな変更点として、1セットを複数人で利用できなくなり、きっぷ1枚につき1人の利用となります。
 
さらに、有効期間は利用開始日から連続する3日間または5日間と、以前の1日乗り放題×5回分のスタイルから変更されます。なお、リニューアル後の青春18きっぷは、自動改札機の利用が可能です。通常のきっぷと同様に、自動改札がある駅では自動改札を通過できるようになります。
 

1日の片道料金が1250円以上の距離でお得になる

青春18きっぷは、5回分がセットで1万2050円です。1回あたりのコストは2410円になるため、片道料金が1205円を超える区間で移動する場合に交通費がお得になります。つまり、1日の運賃が2410円以上であれば、青春18きっぷを使うほうが経済的なメリットが生じます。
 

青春18きっぷを利用する際の注意点

青春18きっぷを利用する卒業旅行は、学生たちにとって特別な思い出を作る機会となるでしょう。ここでは、旅行を楽しむためにも、青春18きっぷの利用にあたり知っておくべきポイントを紹介します。
 

乗車できる電車とできない電車がある

青春18きっぷは、主にJRの普通列車や快速列車に乗車できるきっぷです。ただし、新幹線や特急列車には乗車できません。また、JR以外の私鉄や一部の路線でも利用できません。そのため、旅行計画を立てる前に、青春18きっぷで乗れる列車を確認しておきましょう。
 
なお、青春18きっぷを利用して長距離を移動する場合は、利用できる路線を把握したうえでスケジュールを組むとスムーズに移動でき、観光をより楽しめます。
 

運休しても払い戻しはない

青春18きっぷの利用を始めたあとに列車が運休したり大幅に遅れたりしても、取り消しや払い戻しはできません。ただし、有効期限内にすべての回数分が未使用であれば、払い戻しの手続きが可能です。
 
なお、払い戻しの際には手数料が発生します。3日間用のきっぷは9780円、5日間用は1万1830円から手数料を差し引いた額がそれぞれ返金されます。
 

使いきれなかった際の売却が難しい

従来の青春18きっぷは5回分をバラバラに使用できたため、使いきれなかった分をほかの人に売却できました。しかし、新たな青春18きっぷは、「連続する3日間」または「連続する5日間」に利用が制限されたため、使いきれなかった分の売却は難しいでしょう。
 

青春18きっぷのルールを理解してお得に活用しよう

青春18きっぷは、1日の片道運賃が1205 円以上かかる区間で利用すればお得になります。広い範囲を安く移動できる青春18きっぷですが、利用にはいくつかの制限や注意点があるため、事前にルールを確認しておくことが大切です。卒業旅行の計画を立てる際には、紹介した料金基準を参考にして、青春18きっぷを活用してみてください。
 

出典

西日本旅客鉄道株式会社 JR西日本 JRおでかけネット トクトクきっぷ 青春18きっぷ
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー