お札をポケットに入れたまま洗濯をしてボロボロに…破れてしまったのですが、無料で新しいものと交換できるのでしょうか？

うっかりお札を衣類のポケットに入れたまま洗濯してしまい、取り出したときにはボロボロになっていたという経験をした方もいるかもしれません。「このお札はもう使えないのか」「新しいものと交換してもらえるのか」といった不安や疑問を抱くでしょう。
 
本記事では、お札を洗濯してしまった場合の対処法や、新しいお札との交換は可能なのかについて解説します。紙幣の交換でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

日本銀行で新しいお札と引き換えをしてもらえるケース

日本銀行が引き換えの対象とする現金は、原則「汚染、損傷その他の理由により使用することが困難となった銀行券」および「磨損その他の事由により流通に不適当となった貨幣」と定義されています。
 
これは、単に見た目が悪いだけでなく、流通に支障をきたすレベルの損傷が対象となることを意味します。なお、上記条件に該当した場合、引き換えの手数料は無料です。日本銀行の本店、または全国の支店で手続きしましょう。
 

紙幣・硬貨の引換基準とは？

日本銀行法施行規則第8条に基づき、損傷した銀行券の引換基準は、残存面積の割合によって詳細に定められています。
 
単に個人の損失を補てんするだけでなく、国家の通貨システム全体の健全性を保つための公的な基準となります。同時に「不正な交換」を防ぐためのセキュリティー対策でもあり、通貨の信頼性を維持する日本銀行の重要な役割を担うでしょう。
 
損傷した銀行券の引換基準は表1の通りです。
 
表1

残存面積の割合	引換額	補足説明
券面の3分の2以上	額面価格全額	表裏両面の確認ができるもの。
券面の5分の2以上3分の2未満	額面価格の半額	表裏両面の確認ができるもの。 額面価格の半額に1円未満の端数がある場合は切り捨てられる。
券面の5分の2未満	引換不可（失効）	－

出典：日本銀行「日本銀行が行う損傷現金の引換えについて」を基に筆者作成
 
表1の条件に加えて紙幣は、複数の紙片がある場合には、各紙片が同一の銀行券の紙片と認められるときは、各紙片を合計した面積で判断されます。
 
なお、貨幣（硬貨）についても対象に該当すれば同様に引き換えができます。貨幣は模様の認識ができるものが前提で、金貨は「量目の98％以上」、金貨以外の貨幣は「量目の2分の1を超えるもの」であれば、額面価格の全額と引き換え可能です。
 
また、災害時ややむを得ない事由により量目が減少した貨幣については、模様の認識ができることを条件に額面価格の全額で引き換えとなる特例も存在します。
 

お札を洗濯してしまった場合どうすればよい？

お札が洗濯によって損傷した場合、その後の対応によって、引き換えできるか否かが決まります。
 
今回のケースのように洗濯してお札が破れてしまった場合は、できる限り多くの紙片を集めましょう。日本銀行の引換基準は「残存面積」によって決まります。そのため、小さなものであっても、見つかったすべての紙片を持ち込むことが大切です。
 
そして破れたお札はしっかりと乾かしたあと、表裏両面が確認できる状態で、紙テープなどの粘着性の弱いテープで貼り合わせます。複数枚のお札がある場合には、異なるお札の紙片を誤って貼り合わせないよう注意しましょう。
 

洗濯してボロボロに破れてしまったお札は、場合によっては無料で新しいお札へ引換可能

誤って紙幣を洗濯してしまっても、状態によっては日本銀行での引き換えが可能です。紙片をできる限り集め乾燥させ、粘着力の弱い紙テープなどで貼り合わせておきましょう。
 
引換基準は、紙幣の残存面積によって細かく定められているので、窓口での確認が必要です。対象となれば引き換えの手数料は無料なので、手元に破損してしまった紙幣がある人は、一度日本銀行に問い合わせてみましょう。
 

出典

日本銀行 日本銀行が行う損傷現金の引換えについて
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー