駄菓子屋で「うまい棒」の値段にビックリ！ 子どもの頃から値段が“ほぼ変わってない”けど、令和の今「15円」は妥当なの？「値上げしても愛される理由」とは

子どもの頃、放課後に友達と駄菓子屋へ立ち寄り、「うまい棒」を手に取り、サクッとした軽い食感と、親しみやすい味わいに夢中になった記憶がある人も多いのではないでしょうか。
 
そんなうまい棒は、長年にわたり1本10円という低価格でしたが、現在は1本15円で販売されています。「まだたったの15円?! 子どものころからほとんど変わっていないけどなんで?!」という人もいれば、「1.5倍も値上がりしているのか……」と感じる人もいるでしょう。
 
本記事ではうまい棒の価格推移や、物価上昇率を加味したうえでの値上げ率、そして値上げに関する消費者からの意外な反応について解説します。

「うまい棒」は数十年にわたり「10円」だった

「うまい棒といえば10円」というイメージを持つ人も多いでしょう。うまい棒は株式会社やおきんによって1979年に発売されましたが、実際、その後40年以上もの間、値上げをせずに「10円で買える幸せ」を提供し続けてきました。
 
しかし、2022年、製造元である株式会社やおきんは、ついに価格改定に踏み切り、うまい棒の価格は1本10円から12円へと改定されました。そして、その後も主原料であるコーンや植物油などの原材料全般の価格や人件費、輸送費などの上昇により、2024年10月には再び価格が改定され、現在は1本15円となっています。
 

消費者物価指数と比較してみるとどう？

うまい棒は1979年から2022年まで、約43年間にわたり価格は据え置きとなっていました。その後、2022年に12円、2024年に15円へと改定されました。これを単純に比較すると、10円→15円＝1.5倍という値上げ率になります。
 
続いて、総務省が公表している消費者物価指数を見てみましょう。消費者物価指数の品目別価格指数において、2024年では1979年と比べて、「食料」は約1.9倍、「菓子類」は約2.1倍になっています。
 
この指数によると、この45年の間に、100円のものは200円に、10円のものは20円になっていてもおかしくないといえるでしょう。
 
つまり、10円だったうまい棒の15円への値上げは、物価全体の上昇よりも低い水準に収まっているということになります。40年以上も価格を据え置きながら、最終的な上昇幅が1.5倍というのは、むしろ「企業努力の結晶」と言えるでしょう。
 

値上げしても愛されている「うまい棒」

通常、商品の値上げは消費者の反発を招くことがあります。しかし、うまい棒に関しては、むしろ好意的な意見が多く見られました。
 
例えば、SNS上では、「むしろたった5円だけで大丈夫？」、「値上げしても安い」、「やれることやった上の値上げだから納得できる」など、やおきんの決断を支持する声が多数寄せられています。
 
この背景には、うまい棒が長年にわたり「安くておいしい」という価値を守ってきたこと、それに対しての信頼感があると考えられます。加えて、企業側が誠実に価格改定の理由を説明している点も、消費者の理解を得る要因となったのかもしれません。
 

まとめ

うまい棒は1979年の発売以来、長らく「1本10円」で販売されてきました。物価上昇などの環境変化にも柔軟に対応してきましたが、2022年、そして2024年に値上げが実施され、現在は「1本15円」となっています。
 
とはいえ、発売当初からの消費者物価指数と比較すると、1.5倍の価格上昇というのはむしろ良心的ともいえます。
 
値上げに対しても好意的な声が多く、たゆまぬ企業努力の上にある変わらぬ魅力、そして高い信頼感が「うまい棒」にはあるといえるでしょう。
 

出典

株式会社やおきん うまい棒ヒストリー
株式会社やおきん　価格改定のお知らせ
総務省統計局 消費者物価指数 2020年基準消費者物価指数 品目別価格指数
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー