【試算:6.6京円】世界人口の8割が消滅した『進撃の巨人』の「地鳴らし」被害総額を試算
作中で最も大きな局面となったのが、主人公エレン・イェーガーが無数の超大型巨人を率いて世界を行進する「地鳴らし」の発動です。 物語終盤では、この地鳴らしによって「世界人口の8割が消滅した」という衝撃的な事実が明かされました。
では仮に現代社会へと置き換えた場合、その被害総額はどれほどの規模にのぼるでしょうか。今回は、グローバルな経済データなどを基に、具体的な金額を試算していきます。
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なぜ「約6京円超」なのか?地球の総資産から見る恐るべき数字
地鳴らしの被害総額は、「60京円」という天文学的な数値が算出されました。それは、「地鳴らし」が、町の建造物を全て崩壊させ、豊かな森林や農地も完全に壊滅させたからに他なりません。
「京(けい)」という単位は、日常の経済活動ではまず使用されません。1兆の1万倍が1京であり、一国の国家予算を遥かに超越した概念です。
ではなぜ、地鳴らしの被害総額がこれほど天文学的な数字に達するのでしょうか。現代の地球で地鳴らしが起きたと仮定して、現代の経済データから紐解いていきます。
世界の総資産はおよそ75京~80京円
まず、現代の地球における全ての富である総資産を算出してみましょう。国際金融機関UBS(Union Bank of Switzerland)の「Global Wealth Report(グローバル・ウェルス・レポート)」によると、現在の家計資産額は約550兆ドルと推計されています。
近年の為替相場である「1ドル=150円〜160円」の水準を基に日本円に換算すると、世界の総資産額は約8京2500兆円〜8京8000兆円という極めて巨大な規模になります。
この数値の規模は、日本の国家予算と比較するとより明確になります。日本の近年の国家予算(令和4年度:約107兆円、令和6年度:約112兆円など)の平均値を約110兆円とした場合、世界総資産額は、日本の国家予算の約750年分に相当する計算になります。
「世界の8割が消滅」という指標を掛け合わせる
では、世界総資産から失われた金額を具体的に計算していきましょう。作中において、「地鳴らし」によって世界人口の8割が消滅したことが明言されています。これをそのまま現代の世界総資産のデータに当てはめて単純計算してみます。
・約8.2京〜8.8京円(世界総資産) × 80%(消滅した割合) = 約6.56京〜7.04京円
失われた資産は、少なくても6.6京円程度にのぼることが分かります。世界中のあらゆる資本や富の大部分が、わずか数日間の地鳴らしによって「無」と化してしまったのです。
被害の内訳1:物理的に破壊された「世界中の大都市」
それでは、莫大な被害額の内訳を詳しく見ていきましょう。第一に挙げられるのが、人類が築き上げてきた都市インフラの物理的崩壊です。
甚大な被害をもたらした2011年の東日本大震災の直接的な建築物被害額は、約16.9兆円でした。「地鳴らし」は世界の8割ですから、単純計算でも数万倍に及ぶ都市が崩壊したと考えられます。
超巨大都市の機能が完全消失
地鳴らしの恐ろしさは、超大型巨人が通った後には「何も残らない」という点にあります。
東京、ニューヨーク、パリ、シンガポールといった世界の中枢都市をはじめ、地下鉄、高速道路などの交通インフラ、病院、工場など設備にいたるまでのすべてが、跡形もなく均一の更地へと変えられてしまいました。
これは、建造物が単に壊れたという域を超え、再生不可能なレベルで資産価値が失われたことを意味します。
連鎖する世界金融の同時破綻
地鳴らしは、銀行の建物の物理的破壊だけでなく、目に見えない「世界の金融システム」そのものを根底から消滅させました。作中において経済基盤である大国「マーレ」などが消滅すると、各国の経済・金融の中枢は一瞬にして崩壊します。
世界を巡る通貨の価値、取引ネットワークは完全に機能停止へと追い込まれます。その結果、奇跡的に生き残った世界の2割の地域においても、通貨の価値を失い、物流は完全に停止することになります。
被害の内訳2:人類の生存基盤「農地と自然」の消滅
地鳴らしが人類から奪ったのは、建造物だけではありません。巨人の大群は、人類の生存基盤である大地そのものを踏み荒らし、消滅させてしまいました。
穀倉地帯の壊滅による大飢餓
世界中の穀倉地帯、農地、家畜などは、超大型巨人の進撃によって押し潰されました。さらに、巨人から放つ高熱の蒸気によって海水が蒸発し、周囲の森は激しく燃え上がり消滅します。
世界中の穀倉地帯や農地、果樹園が焼き払われると、必要な食糧供給ルートは途絶へと追いやられます。そして、この食糧供給の断絶により、人類史上最悪の大飢餓が始まるのではないでしょうか。
生態系の破壊と異常気象の確定
食料のみならず地球上の森林、水源、生態系といった自然資本も、完全に喪失しました。巨人が放つ熱波は、土壌の微生物まで死滅させます。その結果、植物、農作物が育たない荒れ地へと姿を変えてしまいました。
広大な森林の大半が失われたことによる気候変動や大気汚染、そして異常気象の連鎖も、もはや免れることはできません。
まとめ:エレン・イェーガーが支払った「自由」の代償
エレン・イェーガーが強く求めた「自由」と、仲間の未来のために発動した「地鳴らし」の代償は、エレン本人にとっても想像を遥かに超えた重いものでした。
人類が数千年の中で積み上げてきた文化や歴史は、決して取り返すことができません。残されたわずか2割の人類は、荒廃した更地を復興していくという、マイナスからの道のりを歩き出す必要があります。
それは、今回算出した「約6.6京円」という経済損失よりも、更に大きな「歴史の断絶」という人類全体の凄惨な代償でした。
出典
UBS Global Wealth Report 2023
株式会社日本経済新聞社 為替・金利
国土交通省 令和3年版 国土交通白書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
