警察から「落とし物は取りに来ないほうが」「中年男性がお礼を希望」と連絡が! SNSでは「恐らく性的なことを…」「アパートに上がるよう言われた」など体験談が殺到! 相手の“直接会いたい”は拒否できる?

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警察から「落とし物は取りに来ないほうが」「中年男性がお礼を希望」と連絡が! SNSでは「恐らく性的なことを…」「アパートに上がるよう言われた」など体験談が殺到! 相手の“直接会いたい”は拒否できる?
日々SNSを利用していると、たまに思いもよらないトラブルの体験談を目にすることがあります。先日は、あるユーザーが投稿した「落とし物にまつわる警察からの連絡」が大きな反響を呼びました。
 
交番に届けられた落とし物を受け取りに行こうとしたところ、「拾い主が直接のお礼を希望している」と警察から告げられたという事例です。
 
親切心からの行動が大半とはいえ、見知らぬ相手と直接会うことには不安も伴います。もし自分や家族が財布やスマートフォンを落としたあと、拾い主から「直接会って謝礼をしてほしい」と要求された場合、どのように対応すべきでしょうか。
 
今回は、SNSで話題となった事例を交えながら、遺失物法に基づく正しい「謝礼(報労金)のルール」と、安全な断り方について考えます。
山田圭佑

FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント、琉球古典音楽野村流 歌三線 師範

SNSで話題となった落とし物トラブルの事例

事の発端は、交番から「落とし物が届いている」と連絡を受けた女性のSNS投稿です。警察官から「拾い主が直接のお礼を希望しているため、注意したほうがよいかもしれない」といった趣旨の、慎重な対応を促されるケースがあったという内容でした。
 
この投稿に対し、SNS上では「私も同じようなことがあった」「友人と2人で行ったら受け渡し場所を何度も変更され、警察に相談したら恐らく性的なことをしようとしているのだろうと言われた」「拾い主からアパートに上がってお礼を渡すよう言われて怖かった」など、同様の不安な経験を持つ人からの書き込みが複数寄せられました。
 
もちろん、落とし物を純粋な善意で警察に届けてくれる人が大多数でしょう。しかし、中には落とし主(特に女性など)について確認した上で、謝礼を口実に対面での接点を持ちたがるケースが少なからず存在するようです。
 
こうした事態に直面した際は、落とし物に関わる法的な知識を持っておくと身を守ることができます。
 

落とし物の謝礼(報労金)に関する、法的なルールと相場とは

日本の「遺失物法」第28条においては、拾得者(落とし物を拾った人)は落とし物の価格の「百分の五以上百分の二十以下(5~20%)」にあたる報労金(謝礼)を受け取る権利がある、と定められています。
 
拾い主から請求された場合、落とし主は原則として支払いを拒否することができません。では、具体的にいくら支払う必要があるのか、シミュレーションしてみましょう。
 

【ケース1:現金1万円が入った財布を落とした場合】

財布本体の中古市場価値が2000円、中に現金1万円が入っていたとします。この場合、価値の合計は1万2000円となります。謝礼はその5~20%にあたる「600~2400円」の範囲となります。
 
なお、具体的な割合は「落とした側・拾った側が一方的に決める」のではなく、双方の話し合い(協議)によって決定するのが原則です。
 

【ケース2:スマートフォンを落とした場合】

スマートフォンの場合、中に個人情報や写真データなどが詰まっていますが、謝礼の基準となるのはデータの価値ではなく「機器本体の中古市場価格」です。
 
例えば、中古価格が3万円のスマートフォンで、スマートフォンの中に電子マネー残高が5000円分あった場合、合計価値は3万5000円ですが、多くの場合で電子マネーは「拾得物の価値」には入らず、この場合の価値のベースは本体価格の3万円のみです。
 
この場合、謝礼は3万円の5~20%にあたる「1500~6000円」の範囲となります。
 
そのほか、クレジットカードや運転免許証などのカード類自体には、一般的に再発行手数料以上の財産的価値はないと判断される傾向にあります。
 

拾得者が面会を求めてきても、応じる義務はない

拾い主が報労金を請求してきた場合、法律上その支払い義務は生じますが、「直接会うこと」や「食事などの誘いに応じること」は拒否できます。
 
法律で求められているのは、あくまで「金銭(報労金)の支払い」のみであり、所有者との面会などの要求に応じる義務はありません。相手が不審な要求をしてきたり、直接会うことに不安を感じたりした場合は、以下のような対策をとるとよいでしょう。
 

1. 直接会わず、報労金の受け渡しは振込や書留を利用する

警察は「民事不介入」の原則があるため、お金の受け渡しや当事者間の交渉を代行してはくれません。しかし、警察経由で相手の連絡先(住所や口座番号など)を確認した上で、「銀行振込」や「現金書留」での支払いを提案し、対面での接触は断りましょう。
 

2. 家族など第三者に連絡を代わってもらう

特に女性が相手と直接やり取りすると、相手がしつこくなるリスクも考えられます。配偶者や親族が代理として連絡を取り、「家族の者が代わりに手続きをします」と対応することで、相手へのけん制にもなり安全性が高まります。
 

3. 要求がエスカレートした場合は警察へ相談を

報労金の請求目的を超えて、しつこく面会や交際を迫るような場合は、つきまとい行為や脅迫などに該当する可能性があります。身の危険を感じた際は、迷わず警察へ相談しましょう。
 

まとめ

大切な落とし物が手元に戻ってくるのはありがたいことですが、その後の拾得者とのやり取りで思わぬトラブルに発展するケースもあります。
 
遺失物法による「5~20%の謝礼」のルールを正しく理解しつつ、「金銭を支払う義務はあるが、直接会う義務はない」という事実を知っておくことが重要です。
 
万一、自身や家族がこのような状況に直面した際は、「謝礼は銀行振込等で支払い、直接の対面は避ける」といった自衛策を徹底し、安全に解決できるようにしましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 遺失物法
警視庁 落とし物をした方
 
執筆者 : 山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント、琉球古典音楽野村流 歌三線 師範

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