賃貸住宅を退去する際、家具を置いていた場所の床に「へこみ」が…。大家からフローリングの張り替えに「15万円」かかると言われましたが、普通に家具を置いていただけでも借主が負担するのでしょうか?

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
賃貸住宅を退去する際、家具を置いていた場所の床に「へこみ」が…。大家からフローリングの張り替えに「15万円」かかると言われましたが、普通に家具を置いていただけでも借主が負担するのでしょうか?
賃貸住宅を退去するとき、床や壁の傷みを理由に原状回復費用を請求されることがあります。特に、家具を置いていた場所の床のへこみは、普通に生活していても起こり得るものです。
 
では、大家から床のへこみを理由にフローリングの張り替え費用を請求された場合、借主は全額負担しなければならないのでしょうか。
 
本記事では、賃貸住宅の原状回復における費用負担の考え方や、床のへこみが借主負担となるケースについて解説します。
柘植輝

行政書士
 
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

原状回復は「新品に戻すこと」ではない

まず知っておきたいのは、原状回復とは、部屋を入居時の新品同様の状態に戻すことではないという点です。
 
国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」においても、借主の原状回復義務について、通常の使用で生じた損耗や経年変化は除くとされています。つまり、普通に暮らしている中で自然に生じた傷みまで、すべて借主が負担するわけではありません。
 
借主が負担するのは、故意・過失や通常の使用を超える使い方による損耗などであり、通常使用による損耗や経年劣化は、原則として貸主側の負担となるわけです。
 

家具による床のへこみは通常損耗とされやすい

では、ベッドやタンス、ソファ、テーブルなどを普通に置いていたことで床がへこんだ場合はどうなるのでしょうか。基本的にそういったへこみについての原状回復義務は、借主にはないと考えてよいでしょう。
 
国土交通省のガイドラインでも、「家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡」は、通常の使用による損耗の例として示されています。すなわち、原則として貸主側の負担というわけです。
 
ただし、床の傷がすべて貸主負担になるわけではありません。例えば、家具を引きずったことによって深い傷ができた場合や、キャスター付きの椅子を長年使っていたことでフローリングを大きく傷めた、などといった場合は、通常の使用を超える損傷と見られる可能性もあるでしょう。
 
また、水をこぼしたまま放置したことによってできた変色や腐食、ペットによる傷、掃除不足によって生じた著しい汚損なども、借主負担になる可能性が高いです。
 

お金を貸主から請求されたら、まず内訳を確認する

では、もしも大家から「原状回復にはフローリングの張り替えで15万円かかる」と、具体的な金額や内容について言われたらどうするべきなのでしょうか。
 
そういった場合でもすぐに全額支払う必要はありません。まずは、請求の内訳を確認するべきです。例えば、張り替える範囲はどこからどこなのか、へこみの場所や程度はどれくらいなのか、借主の負担であると判断した理由などです。
 
それらを確認すれば、本当に借主が負担すべきものなのか、負担すべき場合でも金額が妥当であるのかが見えてきます。
 

まとめ

家具を普通に置いていたことで床にへこみができた場合、基本的にそのへこみは通常損耗と考えられます。
 
そのため、貸主から原状回復費用として請求があったとしても、借主においてフローリングの張り替え費用15万円を全額負担しなくてよい可能性があります。なぜなら原状回復とは、新品の状態に戻すことではなく、借主の故意・過失や通常使用を超える損傷を直すことだからです。
 
一方で、家具を引きずって深い傷をつけた、水濡れを放置した、通常とはいえない使い方で床を傷めた場合は、原状回復にかかる費用が借主側の負担になることもあります。
 
今回のように費用を請求されたら、まずは見積もりの内訳、張り替え範囲、契約書の特約、借主負担とされた理由を確認しましょう。そのまま支払う前に、根拠を確かめることが大切です。
 
費用負担について不安がある場合や、貸主との話し合いだけでは判断が難しい場合は、消費生活センターなどの相談窓口を利用することも選択肢のひとつです。
 

出典

国土交通省 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
 
執筆者 : 柘植輝
行政書士

【PR】ソニー生命保険株式会社

  • line
  • hatebu

LINE