旅行で1週間留守にするため、知人から「空いている間だけあなたの駐車場を使わせて」と頼まれました。月極料金を自分が払っていても、大家に黙って他人の車を停めさせてよいのでしょうか?
契約書で転貸や第三者の使用、登録車両以外の駐車を禁止していれば、無料で短期間使わせただけでも契約違反になる可能性があります。旅行前に大家や管理会社へ確認し、許可を得てから利用してもらうのが安全です。
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月極料金を払っていても駐車区画を自由に又貸しできるわけではない
月極駐車場を契約すると、その区画を毎日利用できるため、自分専用の場所のように感じるでしょう。
しかし、所有権を取得したわけではありません。民法612条では、賃借人は賃貸人の承諾を得ずに賃借権を譲渡したり、賃借物を転貸したりすることはできないと定めています。
ただし、知人へ無料で1週間だけ使わせる行為が民法上の「転貸」に当たるかは、具体的な使用状況などによって異なるため、一律にはいえません。そこで重要になるのが、実際の駐車場契約です。
月極駐車場では、「契約区画を第三者へ転貸しない」「他人に使用させない」「届け出た車両以外を駐車しない」といったルールを定めているケースがあります。
実際、公営駐車場などの利用約款・運営要綱にも、駐車区画の転貸を禁止する規定があります。そのため、「お金を取らないから又貸しではない」「1週間だけだから大丈夫」と自己判断するのは避けましょう。
登録車両制なら知人の車を停めただけで規約違反になることもある
月極駐車場では、契約時に車種やナンバーを登録することがあります。
実際、東京都中央区の区営駐車場では、定期利用の申し込み時に自動車検査証記録事項の写しを提出し、利用できるのは申し込んだ車両に限られています。また、車両以外の荷物や自転車などを置くこともできません。
このように、申し込み時に利用車両を特定し、その車両だけに利用を限っている駐車場もあります。
たとえば本人の車として「品川○○ あ1234」を登録している区画に、旅行中だけ知人の別の車が1週間停まっていれば、巡回した管理会社には契約外車両に見えます。
警告を貼られたり、契約者へ問い合わせが来たりする可能性もあります。さらに、知人の車が隣の車へ接触したり、フェンスや車止めを壊したりすれば、別の問題が生じます。
事故そのものについては、実際に車を運転した知人の責任が中心になるでしょう。
しかし、契約者が規約に反して第三者へ駐車場を使用させていた場合、大家や管理会社との関係では契約違反について説明を求められる可能性があります。
損害の原因や契約内容によっては、設備の修理費などを巡って契約者の責任も問題となることがあります。わずか1週間のために、自分の駐車場契約まで不安定にするのは避けたいところです。
貸したいなら車両情報と期間を伝えて事前に許可を取る
知人へ使わせたい場合は、大家や管理会社へ一度連絡しましょう。「○月1日から7日まで旅行で不在です。その間だけ知人の車を自分の区画へ停めてもよいですか」と具体的に確認します。
車種やナンバーの届け出を求められる場合もあります。管理会社から許可を得られれば、知人の車が無断駐車と判断される心配も減ります。
できれば電話だけでなく、メールや管理アプリなど記録の残る形で許可条件を確認しておくと安心です。一方、「契約車両以外は利用不可」と言われた場合は、その駐車場を使わせるのはやめましょう。
近くの時間貸し駐車場や、1週間単位で利用できる駐車サービスなどを探してもらうほうが安全です。なお、謝礼を受け取るかどうかにかかわらず、第三者の使用や登録車両以外の駐車を禁止する契約であれば問題になる可能性があります。
まとめ
毎月料金を払っている月極駐車場でも、旅行中に空くからといって知人へ自由に使わせてよいとは限りません。
民法では賃借物の無断転貸が原則として制限されています。また、実際の駐車場契約では、転貸だけでなく第三者使用や登録車両以外の駐車まで禁止している場合があります。
無料で1週間だけ使わせるケースが直ちに民法上の転貸になるかは具体的な事情によりますが、契約内容によっては契約違反になる可能性があります。さらに、知人が他人の車や設備を壊せば、事故そのものに加えて無断使用の問題まで生じかねません。
旅行前に大家や管理会社へ利用期間と車両情報を伝え、許可を取っておきましょう。「自分がお金を払っている場所だから自由に貸せる」と考えず、契約上の利用条件を確認することが、知人との関係も駐車場契約も守ることにつながります。
出典
e-Gov 法令検索 民法
東京都中央区ホームページ 区営駐車場
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
