徳島から「大阪・神戸」まで約2時間!「明石海峡大橋」開通で便利になった反面“週末関西旅行”で、地元産業が衰退!? 若年層の流出、フェリー会社の廃業…「直面する課題」を在住ライターが解説
しかし、明石海峡大橋の開通により、淡路島を経由する陸路が「最短ルート」として定着しています。
この記事では、明石海峡大橋開業により徳島県民が関西圏へ足を運びやすくなった点と地域の課題を紹介します。

四国移住ライター
2019年から高知に移住。ライター業以外にも農業や移住関連のNPO法人などで活動し、四国に関しての記事を多数執筆
徳島県と関西は「目と鼻の先」! 圧倒的な利便性とメリット
現在の徳島と関西は、高速道路を利用すれば神戸や大阪の主要都市まで2時間程で到着できる距離です。この物理的・時間的な距離の近さは、徳島県民の週末の過ごし方に劇的な変化をもたらしました。
休日のちょっとした買い物やデート、友人との遊びの場として、大阪の梅田や難波、神戸の三宮といった大都市圏が「日常の延長線上」の選択肢として組み込まれています。そのため、四国内のほかの県庁所在地へ行くより関西の方が近いという発想になるのです。
徳島-関西間の高速バスは都会の特急並みの本数
徳島駅周辺から大阪・神戸方面へ向かう高速バスは、ラッシュ時間帯になると10分〜15分間隔で発着しています。まさに、都心部の列車並みの本数といえるでしょう。運賃も手頃で、若者から高齢者まで幅広い層の足として定着しています。
近年ではこのアクセスの良さがあり、四国全体で関西圏から移住者が増加するメリットもあります。
徳島と関西が近くなったことによる弊害の例
明石海峡大橋の影響で四国にいながら関西の都市機能の恩恵を受けられるようになったことは、住民にとって非常に便利です。しかし、徳島県では、週末になると多くの人が関西圏へ行くことで地域社会の問題にもなっています。その例をご紹介します。
(1) 地域産業と地元商業施設の衰退
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筆者撮影
最初に挙げるのが地域経済の衰退が加速している点です。徳島県民が毎週末のように関西へ訪れることで、県内での日常的な消費が減ります。
地元商業施設の衰退は徳島駅周辺の商店街がシャッター通りとなっていることからも伺えます。次回、「関西圏へ出かけた際に購入しよう」とする傾向もあり、地元商業施設の衰退にもつながります。
(2) 若年層の流出と人口減少の加速
徳島県と関西圏の近さは、進学や就職のタイミングでの「人口流出」のハードルを大きく下げました。徳島県民の若者の中には「大学」や「就職」は関西圏を選ぶ人も少なくありません。
関東圏は「気軽には帰れない」という心理的ハードルがありますが、関西圏であれば「週末に高速バスですぐに実家に帰省できる」という安心感も生まれています。
(3)代替ルートの喪失:フェリー会社の廃業
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筆者撮影
陸路での移動が便利になったしわ寄せは、海運業界にも影響が出ています。徳島県と関西地方を結ぶ移動手段として、徳島港と和歌山港を最短距離で結ぶ「南海フェリー」。このルートはフェリーターミナルには無料駐車場もあり、徳島から関西への最安ルートとして多くの人が利用しています。
しかし、慢性的な利用者減少や船舶の老朽化などの影響により2028年3月に廃止と発表がされました。筆者自身も、徳島港からのルートを利用し、大阪へ訪れることが多々ありましたので、非常に衝撃的でした。
魅力の再発見と「地域内での消費」が徳島の経済を支える
今回は、徳島県が関西圏と時間的・距離的に近くなったことで得られた圧倒的な利便性と、そのデメリットを解説しました。「便利になること」は喜ばしいことですが、そこに暮らす経済も維持してこそ、「地元」と「関西」の二択があると考えています。
最後になりますが、徳島県は伝統がある「阿波踊り」をはじめ、「すだち」や「鳴門金時」など、徳島県独自の特色や文化もあります。地元の良さを再認識し、「日常的に地元のお店を利用する」「地元の食材・文化を大切にする」意識も大切ではないでしょうか。
執筆者 : 西野くに
四国移住ライター

