夜景のため「函館山ロープウェイ」に乗ると、夫婦2人で“3600円”…登山バスなら「2800円」と安いけど、窓からの絶景には代えられない!?“お金をかけても損しない理由”を在住の筆者が解説
家族で函館山の夜景を見に行くとき、山頂までの移動手段は1つではありません。夫婦2人でロープウェイに乗ると、往復の搭乗料金は3600円になります。
一方、函館駅前から出る登山バスなら、2人で2800円に収まります。差額は800円ですが、安いほうが得だと言い切れるかは別の話です。本記事では公式情報をもとに、人数別の総額と時間の差を確認します。
FP2級、北海道在住ライター
函館山へ上る4つの手段と大人1人あたりの往復料金
山頂へ向かう方法は、ロープウェイ、登山バス、タクシー、マイカーの4つです。はじめに大人1人が往復した場合の料金と、乗っている時間を並べてみましょう(図表1)。
図表1
| 手段 | 大人1人往復 | 乗車時間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ロープウェイ | 1800円 | 約3分 | 通年運行 山麓駅までの移動費は別 |
| 函館山登山バス | 1400円 | 約30分 | 函館駅前から直通 冬期は運休 |
| 観光タクシー | 1台7760円 | 約60分 | 4人まで同額 冬期は山頂へ行けない |
| マイカー | ガソリン代のみ | 約20分 | 夜間は通行できない時間帯がある |
函館山ロープウェイ株式会社「ロープウェイ営業時間・運賃」、函館バス株式会社「1系統:函館山登山バス」、ことぶき第一交通「函館エリアのおすすめ観光コース」より筆者作成
1人あたりで比べると最も安いのは登山バスで、ロープウェイとの差は400円です。ただしタクシーだけは1台単位の料金のため、乗る人数が増えるほど1人あたりの負担が軽くなります。
ロープウェイの1800円に、山麓駅までの移動費は含まれません。函館駅前からなら市電代も見込む必要があります。
2人・3人・4人で試算 「1台いくら」の考え方で料金がかわる
同じ夜景を見るのに、人数が変われば有利な手段も入れ替わります。函館駅前を出発点にそろえて、1人あたりの総額を計算してみましょう。
函館駅からの料金ならどうなる?
観光タクシーの夜景コースは、函館駅周辺発の約60分で1台7760円です。ロープウェイ側には市電の往復500円を加え、条件をそろえて比較しました(図表2)。
図表2
| 人数 | ロープウェイ (市電往復込み) |
登山バス | 観光タクシー |
|---|---|---|---|
| 2人 | 2300円 | 1400円 | 3880円 |
| 3人 | 2300円 | 1400円 | 約2587円 |
| 4人 | 2300円 | 1400円 | 1940円 |
函館山ロープウェイ株式会社「ロープウェイ営業時間・運賃」、函館バス株式会社「1系統:函館山登山バス」、ことぶき第一交通「函館エリアのおすすめ観光コース」、函館市「乗車料金(函館市電)」より筆者作成
3人まではロープウェイが安く済みますが、4人になると1940円まで下がって逆転します。この場合、最も安いのは、どの人数でも登山バスです。4人なら、山麓駅までの坂を歩かずに済む点も含めて検討する価値があります。
1日乗車券は「往復するだけ」なら割高になる
函館バスの専用1日乗車券「カンパス」は、夏期が大人1600円です。登山バスの往復は1400円ですから、山頂を往復するだけでは200円分だけ余分にかかります。
元町・ベイエリア周遊号などと組み合わせると、有効活用しやすくなるでしょう。なお、バス・市電共通1日・2日乗車券では登山バスに乗れません。
登山バスは乗り降りできる停留所が限られている
函館駅前を出た便は、途中の停留所がすべて乗車専用で降りられません。山頂発の便は逆に降車専用となり、運賃は降りるときに精算します。
座席は、上りが右側、下りが左側だと車窓が開けやすいと案内されていて、座る位置を選ぶだけで、同じ700円でも見える景色が変わります。
出典:函館バス株式会社「1系統:函館山登山バスの運行内容について」、函館市「はこぶら 函館山へのアクセス、最新早わかりガイド」
知らずに行くと困る 夜景の時間帯にマイカーは山頂へ入れない
写真1
筆者撮影
運賃がかからないマイカーは魅力的に映りますが、夜景を見たい時間帯には登山道が規制されます。2026年の規制内容は次のとおりです。
・4月17日から9月30日までは17時00分から22時00分
・10月1日から冬期通行止めまでは16時00分から21時00分
・規制時間帯は山頂の駐車場にも駐車できない
規制が解けるのを待つ車で、登山道が渋滞することもあります。ガソリン代だけで済むはずが、時間という別のコストを払いかねません。
さらに冬期は登山道そのものが閉鎖され、バスもタクシーも山頂へ入れません。11月第2月曜日の11時から翌年4月第2月曜日の11時までは、ロープウェイが唯一の手段になります。
逆に2026年10月20日から11月8日は、法定点検でロープウェイが運休します。この期間は登山バスが増便されます。
それでも払う価値がある 約3分の上昇と125人乗りの車窓
写真2
筆者撮影
費用だけで判断すれば、答えは登山バスで決まります。それでもロープウェイが選ばれるのは、移動そのものが観光になるからです。
登山バスは函館駅前から約30分かかりますが、ロープウェイは山麓駅から山頂まで約3分です。同じ山に上るのに、車内で過ごす時間はこれだけ違います。
現在のゴンドラは5代目で、定員は125人です。初代は30人乗り、2代目は44人乗りでした。
トップスピードは秒速7メートルで、海抜334メートルの山頂まで一気に上がります。支柱がない造りのため視界がさえぎられず、遠ざかる街並みを窓越しに眺められます。
山頂に着いてから景色を見るのではなく、上っている間から景色が始まります。この時間を価値と考えるなら、800円の差は納得できる範囲といえるでしょう。
まとめ
函館山の移動費は、1人あたりで払うか1台単位で払うかで有利な手段が変わります。費用を抑えたいなら登山バス、4人で動くならタクシーが目安になります。
ただし季節や時間帯によっては、選べる手段そのものが限られます。旅程を決める前に、料金と同じくらい運行期間や規制時間も確かめておくと安心です。
執筆者 : 木彫りグマ
FP2級、北海道在住ライター


