賃貸住宅の給湯器が壊れ、「修理まで1週間」と言われました。その間、近所の銭湯を利用した費用は自分で負担するしかないのでしょうか?
修理まで1週間かかり、その間毎日費用が発生した場合、その負担はすべて借主が引き受けることになるのでしょうか。
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給湯器が設備として付いているなら、原則として貸主側に修繕義務
賃貸住宅に備え付けられた給湯器が、借主の故意・過失ではなく経年劣化などで故障した場合、基本的には貸主側が修繕を行うことになります。民法606条は、賃貸人に賃借物の使用・収益に必要な修繕をする義務を定めています。
そのため、「給湯器が壊れたので自分で新品を買ってください」という話になるのが通常というわけではありません。まず管理会社や大家に故障を連絡し、修理の手配を依頼することが基本です。
使えない期間は、家賃の減額が問題になることもある
民法611条では、借主の責任ではない理由で賃借物の一部が使えなくなった場合、その割合に応じて賃料が減額されると定められています。給湯器の故障で風呂が使えない状態は、住居全体が使えないわけではありませんが、生活上の不便は小さくありません。
実際にどの程度の減額になるかは、設備の重要性、故障期間、契約内容などによって異なります。1週間使えなかったから家賃が必ず何%下がる、と一律に決まっているわけではありません。
銭湯代まで当然に請求できるわけではない
では、1週間分の銭湯代はどうでしょうか。例えば1回600円の銭湯を家族3人で7日利用すると、600円×3人×7日=1万2600円になります。給湯器が使えないことで新たに発生した支出なので、「貸主に負担してもらえないか」と考えるのは自然です。
ただし、民法611条の賃料減額と、銭湯代という追加支出の損害賠償は別の論点です。貸主側に修繕の遅れについて責任があるか、故障を知ってから適切に対応したか、部品不足など避けられない事情があったかによっても変わります。銭湯代が当然に全額補償されるとは限りません。
領収書を残し、管理会社に相談する
給湯器が使えない期間に銭湯を利用する場合は、領収書や利用記録を残しておきましょう。そのうえで、「給湯器が使えないため発生した費用ですが、負担について相談できますか」と管理会社や大家に確認します。
会社によっては、一定額を負担したり、家賃を調整したり、代替設備を案内したりすることがあります。一方、自己判断で高額なホテルに宿泊し、その全額を後から請求しても認められるとは限りません。損害をできるだけ拡大させない行動も重要です。
また、給湯器の故障を発見した時点で早めに連絡することも重要です。連絡を数日放置すると、『その期間の損害まで貸主が負担すべきか』という争いにつながる可能性があります。
故障日時、管理会社へ連絡した日時、修理業者の訪問日、復旧日をメモしておけば、家賃調整や費用負担を相談するときにも経緯を説明しやすくなります。
まとめ
賃貸住宅の給湯器が経年劣化などで故障した場合、原則として貸主側に修繕義務があります。また、借主に責任がないまま一部設備が使えない状態が続けば、賃料減額が問題になることもあります。
ただし、銭湯代が自動的に全額補償されるわけではありません。領収書を残し、修理期間や故障原因を確認したうえで、管理会社や大家に費用負担や家賃調整について相談するとよいでしょう。
給湯器は生活への影響が大きい設備だからこそ、借主側も記録を残し、貸主側と具体的な解決策をすり合わせることが大切です。
出典
e-Gov法令検索「民法」第606条・第611条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
