近所の子どもが“わが家の駐車場”で遊んでいて、愛車の「レクサス」に傷が! 親から「申し訳ありません」と“菓子折り”だけ渡されましたが、修理代は「10万円」…子どものやったことでも請求して大丈夫でしょうか?
他人の物を壊した場合、損害賠償責任が生じる可能性があります。ただし、相手が子どもの場合は少し事情が複雑です。
本記事では、子どもが車を傷つけてしまった場合の損害賠償について解説します。
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他人の車に傷を付ければ損害賠償の対象になり得る
民法第709条では、故意または過失によって他人の権利などを侵害した場合、それによって生じた損害を賠償する責任を負うと定めています。そのため、例えば他人の車の近くで遊んでいて、ボールや自転車などをぶつけて傷を付けた場合には、修理費などが損害賠償の対象になるかもしれません。
「わざとではないから弁償しなくてよい」というわけではなく、不注意による損害でも賠償責任が生じる場合があります。
傷を付けたのが子どもなら親が払う?
ただし、子どもが車に傷を付けた場合、必ず本人や親にそのまま修理費として10万円を請求できるとは限りません。民法第712条では、未成年者が「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」を備えていなかった場合、本人は賠償責任を負わないとしています。
その場合、民法第714条により、原則として親などの法定の監督義務者が責任を負う仕組みです。ただし、監督義務を怠らなかった場合などには責任を負わないこともあります。
修理代が10万円なら、そのまま10万円請求できる?
仮にディーラーなどで修理見積もりを取り、「修理費10万円」と提示された場合、その傷について必要かつ相当な修理費であれば、損害としてそのままの額を請求することが考えられます。ただし、「レクサスだから10万円」「大切にしていたから多めに払ってほしい」という理由で金額を決めることは適切ではありません。
例えば、今回付けられた傷とは別に以前からあった傷までまとめて修理し、その費用を全て相手に負担してもらうことは難しいでしょう。
まずは傷の状態を写真や動画で残し、ディーラーや修理工場などで見積もりを取ることが重要です。「いつ、どこに、どのような傷が付いたのか」「その傷を直すのにいくら必要なのか」を明確にしたうえで話し合うと、請求する相手にも説明しやすくなります。
相手の「個人賠償責任保険」が使える可能性も
相手が個人賠償責任保険に加入していれば、保険から修理費などが支払われるかもしれません。個人賠償責任保険は、日常生活で誤って他人にけがをさせたり、他人の物を壊したりして法律上の損害賠償責任を負った場合などを補償する保険です。
個人賠償責任保険は単独ではなく、火災保険や自動車保険、傷害保険などの特約として付いていることもあります。相手自身が加入していることを把握していないケースもあるため、確認してもらう価値はあるでしょう。ただし、実際に補償されるかは契約内容や事故の状況によって異なります。
近所だから言いづらい……どう伝えればいい?
近所付き合いを考えると、いきなり「修理代10万円を払ってください」と伝えることに抵抗を感じる人もいるでしょう。その場合は、まず車の傷の写真を残し、修理見積書を取得したうえで、「確認してもらったところ修理に10万円ほどかかるそうです。修理費について一度相談させてもらえませんか」と伝える方法があります。
合わせて、「個人賠償責任保険などに加入していないか確認してもらえますか」と聞けば、相手も全額を直接現金で負担せずにすむかもしれません。
まとめ
近所の子どもが車に傷を付けた場合、謝罪や菓子折りを受け取ったからといって、それだけで終わりになるとは限りません。実際に生じた修理費については、損害賠償の対象になる可能性があります。
ただし、子どもの年齢や責任能力、親の監督状況などによって法的な責任は異なります。また、修理費10万円についても、今回の傷を修理するために必要な費用なのかを明確にしておくことが大切です。
また、相手が近所の人であれば、修理費について伝えることに抵抗があるかもしれません。近所同士だからこそ、いきなり「10万円払って」と迫るより、まず傷を記録して見積もりを取り、「修理費について相談したい」と伝えるのが現実的でしょう。
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/ITパスポート/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
